| 2026年2月 |
25日配信 高知県民の酒宴で楽しまれている「お座敷遊び」を徹底解説!

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高知県民の間で行われている酒宴「おきゃく」で欠かせない存在とされている「お座敷遊び」。古くから伝え続けられている伝統性もあり、種類や遊び方は多種多様。
今回は数ある中から代表的かつ簡単に楽しめるお座敷遊びをご紹介していきます。
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【高知の酒文化と深い繋がり】
お座敷遊びを説明するうえで、まず知っていただきたいのが高知の酒文化との関連性。
高知県の酒宴やお祝いの席では大皿に刺身や寿司、煮物に揚げ物などが豪勢に盛られた「皿鉢料理」と土佐酒を対として楽しむのが一般的とされています。
美酒美食を堪能したあと、酒宴を一段と盛り上げ参加者全員で楽しくお酒を飲む交流のひとつとして楽しまれているのが「お座敷遊び」です。
もちろん個々が無理のない範囲で、節度をもってお酒を楽しむことが大前提としてあります。
【代表的なお座敷遊び】
高知県の酒宴でよく楽しまれているお座敷遊びを3つご紹介します。
- 箸拳(はしけん)
お箸を用いて2人で行うお座敷遊び。お互いが握っている箸の合計数を言い当てて勝敗を決めるという単純な遊びゆえに奥が深く、ハマる人も多いです。
・歴史
こちらは高知県発祥のお座敷遊びでもかなり古い歴史があり、誕生は江戸時代中期から後期と言われています。現在では高知県に毎年約400人ほどの参加者が集う「土佐箸拳全日本選手権大会」が開催されるほど、認知度が高いお座敷遊びとなっています。
・遊び方
①お互い向き合って座り、3本ずつ箸を片手で持ちます。
②先攻後攻のジャンケンを行い、負けた後攻は何本は箸を握り、お箸が見えないように拳を前に出します。
③先攻は最初「3本」しか言えないため、合計3本になるよう箸を握って拳を前に出します。
④先攻が外れた場合、攻守が入れ替わり②と同様の手順で進行。違う箇所として後攻は「1本」「3本」「5本」と選択肢が増える。※原則としてお互い奇数しか言えない。
⑤これを3本先取で繰り返し、負けた方は盃に入ったお酒を飲む。
- 可杯(べくはい)
絵柄が描かれたコマを回し、倒れた軸先の人が出た絵柄の杯で日本酒を飲むというシンプルなルールなので、酒宴の場でも気軽にできる大人気なお座敷遊び。
可杯には肝となる「三面杯」という3種類の杯が使われており、それぞれ以下の特徴があります。
・おかめ杯:20mlとお酒の入る量が少ないため、素早く飲み干せば顔を上向けて置くことができる。
・ひょっとこ杯:50mlと3種類のなかでは中サイズに位置し、口の部分に穴が空いているため、指で塞いで置かないとお酒がこぼれてしまう仕様。
・天狗杯:長い鼻部分までお酒が入るので容量は144mlと一番多く、鼻部分が出ているために置くことはできず、一気飲みするには大変厳しい杯。
【遊び方】
①参加者で輪を作り、中心にお膳を置いてその上でコマを回します。回っている最中は手拍子をしながら「ベロベロの歌」を歌う。
②コマが止まった際に軸が指す方向にいる人が、出た絵柄の杯でお酒を飲む。
が一連の流れとなります。
- 菊の花
大人数で一番盛り上がるお座敷遊びとされており、簡潔に述べると「お酒のロシアンルーレット」です。
ハラハラドキドキ気分も楽しめるので、知らない人同士でも自然と打ち解ける魅力性もあります。
【遊び方】
①参加人数分の盃とお盆、そして主役である「菊の花」を用意。盃を全て裏返して盆の上に並べ、内一つには菊の花を隠す。
②参加者は「菊の花~、菊の花~、あけて嬉しい菊の花(繰り返し)」を歌いながら順番に盃を裏返していく。
③菊の花が入っている盃を裏返した人が負けとなり、その時点で裏返っている盃全てにお酒を注ぎ、飲み切ることで終了となります。
【まとめ】
今回は高知県の酒宴で楽しまれている「お座敷遊び」についてご紹介しました。
どれも気軽にできる遊びですので、ぜひチャレンジしてみてはいかがでしょう。
高知県在住唎酒師 日本酒フォトライター 谷口 廉
18日配信 【今週オススメの一本】南 特別純米 松山三井

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今回は芳醇旨口系の純米酒を丹精込めて醸造されている高知県の酒蔵「南酒造」より「南 特別純米 松山三井」をご紹介。
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【特徴】
まずは香味の特徴や適性温度帯について説明していきます。
- 香味
原材料には旨味と酸味のバランス感が優れたお酒を生み出す性質がある酒米として、愛媛県産の酒米「松山三井」を採用。
ふんわりと感じられるお米の旨味が感じられながら、心地よいキレ感で締めてくれる飲み飽きさせない酒質に仕上がっています。
- 温度帯
5~10℃に冷やした冷酒の場合は、柑橘系をイメージさせる吟醸香とキレのある味わいを楽しむことができます。
燗酒であれば55℃ぐらいに仕上げることで、風味豊かな味わいがより一層広がり、旨味濃度も濃くなるので冬の食材を活かしたグルメと好相性ですよ。
【南酒造について】
高知県の他蔵とは異なるお酒を生み出す南酒造についてもご紹介していきます。
南酒造は明治2に創業され、高知県東部、山と海に囲まれた自然豊かな安田町にて酒造りに励まれています。
酒造りへのこだわりとして、土佐酒の主流とされている「淡麗辛口」とは少しテイストが異なる味わい重視の「芳醇旨口系」で少量生産されており、醸造されるお酒の9割は「純米」だそうです。
代表銘柄である「南」は、仕込み水に地元を流れる安田川の清らかな伏流水を用いており、華やかな香りと味わい確かな旨味、キレの良い酸味が三位一体となった酒質を楽しむことができます。
【ペアリング】
定番とするならカツオやマグロといった赤身系の刺身、煮付けとは相性良好でしょう。
2月になればふきのとうやセロリ、鰆などが美味しい季節となりますので、そんな食材を使ったペアリンググルメをいくつかご紹介します!
・ふきのとうの天ぷら
天ぷらにすることで苦味は軽減され、サクッと食感と良い香りはしっかりと楽しめる仕上がりに。冷酒と燗酒どちらでも合わせやすいのでオススメ。
・砂肝とセロリのネギ酢和え
砂肝とセロリを香ばしく焼き上げた後に、長ネギ・寿司酢・醤油を配合したネギ酢を加え、少し火を通して完成となる一品は酒の肴として◎
旨味×旨味で同調効果が期待でき、口に残った脂はサラッと流してくれるので、今回の紹介酒とはペアリング的相性は文句無し!
・鰆の西京焼きor塩焼き
冬から春先にかけて最も脂がのる鰆とは好相性。なかでも旨味を引き立て味噌の香ばしい風味もプラスした「西京焼き」、上質な脂の旨味を堪能できる「塩焼き」が合わせるには良いでしょう。
【まとめ】
今回ご紹介した「南 特別純米 松山三井」は、高知県の酒質らしい辛口感を程よく残しつつ、味の中枢部分は芳醇旨口系となっています。
脂乗りが良い鮮魚を活かした刺身や焼き魚をはじめ、様々な料理と合わせやすく、食中酒としてはかなり万能的。ぜひ旬食材を使った料理と共に楽しんでみてください。
【日本酒情報】
商品名:南 特別純米 松山三井
酒蔵:南酒造場(高知県)
種類:特別純米
精米歩合:60%
アルコール度数:16度
高知県在住唎酒師 日本酒フォトライター 谷口 廉
11日配信 ひな祭りの白酒を現代に提案する

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3月3日のひな祭り。女の子の健やかな成長や幸せを願う行事として、ちらし寿司やひなあられとともに「白酒(しろざけ)」が登場します。この白酒は、甘く白濁した見た目から甘酒と混同されがちですが、それぞれ役割が異なります。
白酒は、蒸した米や米麹に、みりんや焼酎などを加えて造られる甘口のリキュールであり、アルコール分は約9〜10%あります。ひな祭り本来の祝い酒として歴史的に用いられてきましたが、現代においてはその存在感が薄れているのも事実でしょう。
本記事では文化的背景を踏まえつつ、ひな祭りにおいて現在の日本酒をどのように提案できるかを考えてみたいと思います。
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【白酒と甘酒、日本酒の違いを整理する】
まず、白酒と甘酒の違いは押さえておきたいポイントです。
白酒はアルコールを含む祝い酒であり、甘酒はノンアルコールやごく低アルコールの発酵飲料。甘酒は子どもも楽しめる縁起物として家庭で広く提供されている一方、白酒は大人の祝い酒としての側面が強くなります。
色味からアプローチするのであれば、にごり酒は見た目や風味の面で白酒に近い役割を果たせるでしょう。
【白酒と記載されるその他の酒類】
「白酒」という表記は複数の酒類を指す場合があり、販売や説明の場面では、それぞれを明確に区別して伝える必要があります。
代表的なものは以下の通りです。
◆白酒(パイチュウ):中国で楽しまれる穀物原料の蒸留酒。度数は30度〜50度と高く、色味は無色透明。日本のひな祭りで飲まれる白酒とは製法・酒質ともに全く異なります。
◆白酒(しろき):新嘗祭や大嘗祭で使用される神酒。収穫されたばかりの新米を使用して醸造する。白濁した白酒と、炭を加えた黒酒(くろき)もあります。
【現代の日本酒での提案ポイント】
伝統的な白酒が日常の飲用シーンから遠ざかる中、現代の日本酒で“ひな祭りらしさ”を演出する提案が重要になります。
そこでおすすめしたいのが、以下の3点です。
◆にごり酒
白濁した見た目は白酒と親和性が高く、「祝いの席にふさわしい華やかさ」として視覚的にも訴求できます。フレッシュな甘味や柔らかい旨味があるにごり酒は、雛祭りの食事との相性も良く、家族の集まりや昼の宴席でも楽しみやすい酒質といえます。
◆低アルコール日本酒
近年、アルコール度数を抑えた日本酒が増えており、ひな祭りのような家族行事でも無理なく飲めます。甘みや香りの設計次第で、白酒のイメージを想起させつつも、現代的な食シーンに合うバランスを実現できます。
◆甘酒と組み合わせる提案
白酒の文化的背景を説明しつつ、甘酒とのペアリング提案も有効です。甘酒はノンアルコールで子どもも楽しめるため、家族全員でひな祭りの時間を共有する演出ができます。「大人は日本酒系、子どもは甘酒」というストーリーを示すことで、行事全体の価値を高められるでしょう。
ひな祭りという行事の文化的背景を理解し、「見た目の白さ」「甘み」「祝いの意味」といったキーワードを日本酒でどう表現するかが重要な提案ポイントとなります。にごり酒や低アルコール日本酒を通じて、伝統を踏まえたうえで現代流に置き換えることで、販売者として消費者に新たな楽しみ方を提案できるでしょう。
お酒のライター 新井勇貴
4日配信 年に一度のイベント酒!立春朝搾りは何が特別?

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2月上旬に全国の酒屋に一斉に並ぶ「立春朝搾り」。イベント酒としていつも楽しみにされている方は少なくありません。
本記事では毎年販売されている「立春朝搾り」の魅力をお客様にお伝えし、より楽しんでもらえるための情報をまとめました。ぜひ最後までご覧ください。
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【立春朝搾りとは?】
「立春朝搾り」は日本名門酒会が1998年(平成10年)にスタートさせた企画です。
「日本酒の受注予約を行える記念日のようなものがあれば」という考えをもとに、注目された日こそが「立春」でした。
立春は、二十四節気において一年の始まりを告げる日です。古くから「新しい季節の始まり」「物事が動き出す日」とされており、日本人の暮らしや行事とも深く結びついてきました。
その特別な日に搾られた日本酒を、その日のうちに味わう。これこそが立春朝搾りの最大の魅力となっています。
【立春当日の完成を目指して酒を造る技術】
「朝搾り」という名称の通り、本商品最大の特徴は「立春当日の朝に上槽(搾り)を行う」という点にあります。
通常であれば、酒造りは気温や発酵状況を確認しながら上槽日を設定しますが、本商品の場合は「立春」という日を変更することはできません。
各酒蔵は「立春」を目指して発酵管理を徹底し、当日に最高の状態で搾れるよう醪(もろみ)を管理します。この逆算した酒造りは決して簡単なことではなく、酒蔵の技術、そして経験が試される挑戦でもあるのです。
そして、朝一番に出来上がった日本酒はその日のうちに瓶詰めされ、近隣の神社の神主によるお祓いが行われます。
商品出荷は各酒屋が蔵まで引き取りに訪れ、ラベル貼りや出荷作業に酒販店や酒蔵関係者が参加します。酒類業界に関わる全員の一体感も本商品ならではの価値と言えます。
【全国一斉に楽しむ特別感を訴求】
2026年の「立春朝搾り」は全国から42蔵が参加します。
現在は通販の発達などにより、各地の地酒を気軽に楽しめるようになりましたが、「立春朝搾り」の販路は酒蔵近郊にある「参加加盟店」が直接蔵から持ち帰る必要があります。そのため、各地の銘柄はそれぞれの地元、もしくは近隣地域でしか立春当日に楽しめないのです。
自分が住んでいる地域の味を、全国一斉に楽しむ特別感は通常の銘柄ではなかなか生み出せない体験です。「今日しか飲めない」「次は来年」という限定感は、お客様の記憶に強く残るでしょう。
売り場、飲食店では「年に一度」「立春の朝に出来上がった」といったポイントを伝えるだけでも、本商品の背景は十分に響くはず。
年に一度のイベント酒でありながらも、高い醸造技術を伝えられる一本。こうしたストーリーを添えて案内することで、立春朝搾りは毎年楽しみにされる一本として、存在感を高めていくはずです。
お酒のライター 新井 勇貴
| 2026年1月 |
28日配信 Z世代酒匠がおすすめする「今週の注目の一本」はかたふね特別本醸造/竹田酒造(新潟)です。

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生クリームやバターを思わせるふくよかな香りとしっかりした旨味が特徴の本醸造酒。
しっかりとした味わいながらも切れ味は抜群で、焼き鳥や照り焼きなど、醤油ベースのこってりとした料理とのペアリングにおすすめの一本です。
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商品紹介
・商品名:かたふね特別本醸造
・酒蔵名:合資会社竹田酒造店(新潟県上越市市)
・原料米:越神楽、こしいぶき
・精米歩合:60%
・アルコール度数:16度
・参考価格(税込):1,419円(720ml)
3度の世界一に輝いた「かたふね特別本醸造」
今回ご紹介する「かたふね特別本醸造」はIWC(インターナショナルワインチャレンジ)で、3度の世界一に輝いた実績があります。
IWCとは毎年ロンドンで開かれる世界最大級の酒類品評会で、2007年に「SAKE部門」が創設されてからは日本酒の海外進出における重要なコンテストになっています。
審査結果に応じて、「ゴールドメダル」「シルバーメダル」「ブロンズメダル」「大会推奨酒」の4つの評価が与えられ、さらに、ゴールドメダルを獲得した出品酒の中から最も優れた1点に与えられるのが「トロフィー」です。
「かたふね特別本醸造酒」は、IWCに初出品した2013年に本醸造の部でいきなりトロフィーを受賞。その後、2015年と2019年にもトロフィーを受賞した、まさに“世界が認めた酒”と言えます。
香りと味わいの特徴
外観は無色透明。バターや生クリームを思わせる、ふくよかで甘さのある香りに少し上新粉や片栗粉のような旨味を思わせる香りが混ざります。
口に含むと、しっかりと米の旨味が感じられます。それと同時に、カラメルのような豊かな甘味と若干の苦味もあり、まさに甘旨口と言える味わい。
後味は新潟清酒らしくスッキリとキレがあり軽快な印象で、濃い味わいながら重さはなく自然と次の一杯へと手が伸びます。
おすすめの楽しみ方
<温度帯>
お酒は冷やし過ぎると甘味や旨味が感じられにくくなる特徴があります。
甘旨口の味わいを活かすには、冷よりは常温やぬる燗がおすすめ。程よく温めることで、より旨味がふくらみ濃醇な印象に変化します。
<酒器>
ふくらみのある甘味と旨味を併せ持つ味わいのため、土の質感が残るぽってりとした陶器の酒器を使うことで、お酒の味わいと酒器の印象の同調が狙えます。
滋賀の信楽焼や栃木の益子焼など、素朴な風合いの酒器や徳利での提供がおすすめです。
<料理>
焼き鳥や照り焼きなど、醤油ベースのタレがかかった料理と好相性。しっかりした味わいながらも余韻が短く鋭いキレがあるため、濃い味付けの料理に負けることなく、かつ重すぎることもない組み合わせです。
Z世代酒匠ライター kanane_sake
21日配信 紅茶割りで楽しむ大人な日本酒アレンジ

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昨今、様々な日本酒アレンジが登場するなかで今回ご紹介するのは「紅茶割り」。
紅茶から得られる効能や種類別でオススメするアレンジレシピといった観点から深掘り解説していきますので、ぜひ参考にしてみてください。
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【紅茶がもたらす効果や効能】
紅茶にはリラックス効果や脂肪燃焼、抗ウイルス作用に美容など様々な効果が期待できます。
まずは具体的な効能や効果について解説します。
①リラックス効果
紅茶の香りには心理的ストレスを軽減させる効果があり、睡眠の質を向上させてくれます。
成分内の「テアニン」がリラックス効果を付与しているとのことで、約2時間ほど効果が続くとされています。
②血糖値上昇の抑制
食後はどうしても血糖値が上がるなか、急激に上昇したり高い状態が続いてしまうと肥満や糖尿病を引き起こす恐れがあります。
なので食中や食後に日本酒紅茶割りを取り入れることで、血糖値の急上昇抑制にも期待できます。
③殺菌効果・抗ウイルス作用
紅茶にはインフルエンザウイルスを無力化する効果が期待できるとされ、カフェインレスでも同様の効果が得られるとのこと。
風邪やインフルエンザが流行しがちな今時期に、美味しく日本酒紅茶割りを楽しみながら予防ができたら一石二鳥ですね。
【オススメな紅茶割りレシピ】
ダージリンやアールグレイといった定番から、レモンや桃などのフルーツティーと紅茶には様々なフレーバーがあります。
数ある中から私が試した紅茶割りをいくつかご紹介します。
●無糖紅茶&吟醸系原酒(割り比率=1:1)
吟醸酒の華やかな香りとダージリンやアールグレイの芳香さが同時に堪能でき、後味はスッキリとした大人な味わい。肌寒い時期はホットドリンクとして就寝前に体を温めながら一杯嗜むのがオススメ!
●レモンティー&純米大吟醸酒(割り比率=1:2)
爽やかな香りと全体的に軽快なテイストとなり、程よくお酒の旨味なども味わうならこの比率がベスト。
但しお酒の量が少し多いため、日本酒ビギナーの方は氷をプラスして楽しんでみてください。
●ミルクティー&純米山廃系(割り比率=2:1)
甘いものが好きな人や日本酒ビギナーに推奨したいレシピがこちら。
冷や~ぬる燗状態の山廃仕込み純米酒を温めたミルクティーで割ると、日本酒のコクある旨味に濃厚な甘みがプラスされ飲みやすさ◎
●スパイスティー&にごり酒(割り比率=2:1)
濃厚な甘みや芳醇な香りが際立つにごり酒で紅茶割りを試したいときは、スパイス系を合わせてチャイ風にして楽しんでみてはいかがでしょう。
シナモンの甘さやカルダモンの清涼感ある香り、ジンジャーの爽やかな香り&辛みが付与された紅茶と色々ありますが、それぞれにごり酒と良いマリアージュが生まれますので、気になる人はぜひチャレンジしてみて!
【総評】
今回は日常的に楽しむ日本酒をより飲みやすく、そして香り立ちが魅力的な「紅茶割り」についてご紹介してきました。
紅茶、日本酒ともに相当な種類があるため組み合わせ方は自由自在。自分好みの紅茶割りを見つけて体も心もホッと癒されてみてくださいね。
高知県在住唎酒師 日本酒フォトライター 谷口 廉
14日配信 【今週オススメの一本】松尾酒造のフラッグシップ酒「純米大吟醸 松翁」

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「日本一早い新酒」を醸造することで有名な高知県香美市にある「松尾酒造」。今年の9月下旬より代表銘柄「松翁」のラベルを一新すると共にホームページを新設し、ブランド力向上を図るなど、高知県内でも精力的に活動してる酒蔵である。
そこで今回は松尾酒造のフラッグシップモデルとされる日本酒『純米大吟醸 松翁』についてご紹介。
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【特徴】
①香味
青リンゴを彷彿させるフレッシュな香りが感じられ、爽やかな酸味とほのかな甘さが上手く調和しているため、飲み終わりの余韻まで「美味しい!」が堪能できる。
②高知県産材料の強み
本商品に使われている酒米と酵母には高知県産が採用されている。酒米には華やかな香りと軽快で上品な味わいをもたらしてくれる酒造好適米「吟の夢」。酵母には青リンゴやパイナップルのような香りが感じられる、カプロン酸エチルを多く含んだ「宇宙酵⺟CEL-19」が使われている。
【ペアリング】
冬真っ只中の今時期に美味しいとされるキャベツやゴボウ、牡蠣などを活かしたペアリンググルメをご紹介。さらに紹介メニューのほか、天ぷらといった揚げ物や白身魚のかぶら蒸しなども好相性なので、ぜひ参考にしてみてください。
・豆苗とキャベツのアンチョビオイル炒め
素材を味を引き立てるアンチョビを用いた一品。
シャキシャキとした食感が楽しめ、アンチョビの塩加減が豆苗やキャベツとベストマッチ!
オリーブオイルとニンニク、アンチョビと共に炒めるだけの簡単レシピなので、ご家庭で真似してみてください。
・ゴボウとココナッツのダルカレー
インドの定番である豆カレーを、昆布出汁やゴボウの風味を効かして和風仕立てにしたペアリンググルメ。
優しい甘さと味に深みがあるコチラには、冷酒を合わせて楽しんでみてください。
・牡蠣グラタン
肉厚クリーミーな牡蠣をホワイトソースとチーズで濃厚に仕立てたグラタンは相性良好!
華やかな香りと同調しつつ、余韻も程よく堪能できるペアリングでしょう。
【まとめ】
今回ご紹介した「純米大吟醸 松翁」は甘酸のバランスが良く食前・食中酒として活躍する1本!
本商品は松尾酒造のオンラインショップにて販売されているので、飲食店や酒販店様で気になる方はぜひ取り入れてみてください!
【日本酒情報】
商品名:純米大吟醸 松翁
酒蔵:松尾酒造株式会社(高知県香美市)
種類:純米大吟醸
精米歩合:40%
アルコール度数:16度
高知県在住唎酒師 日本酒フォトライター 谷口 廉
7日配信 Z世代酒匠がおすすめする「今週の注目の一本」は吟香鳥飼/鳥飼酒造(熊本)です。

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日本に4つあるGI指定を受けた蒸留酒のひとつ、「球磨焼酎」。
約500年前に大陸から蒸留技術が伝来したことをきっかけに熊本県・人吉市の周辺で造られてきた、歴史ある米焼酎です。
フルーティー、スッキリ、コク、スモーキーと多様なタイプの球磨焼酎が27蔵で生み出されており、今回ご紹介する「吟香鳥飼」は華やかな香りが特徴のフルーティータイプに当たります。
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・商品名:吟香鳥飼
・酒蔵名:株式会社鳥飼酒造(熊本県人吉市)
・原料:米、米麹
・アルコール度数:25度
・参考価格(税込):2,200円(720ml)
鳥飼酒造
鳥飼酒造の祖である鳥飼家は平安時代に京都から熊本の人吉に移り住み、1800年に醸造酒と焼酎の製造を始めました。
1991年には「吟醸香」をテーマに研究開発を進め、熊本工業大学の上田教授との実験を重ねた結果、「吟香鳥飼」の原型が誕生。そして1994年、本格焼酎で初めて吟醸香を出すことに成功した「吟香鳥飼」が完成します。その秘訣は58%にまで磨いた米で造った吟醸麹にあり、これまでにない華やかな香りは首都圏を中心に支持を集め、全国で販売されるようになりました。
鳥飼酒造では、地域の自然保護にも力を入れており、2000年には蔵の立つ草津川流域の乱開発計画にストップをかけるため山林を取得。それ以降、草津川の清らかな水を守るため、山林の手入れを続けています。
香りと味わいの特徴
外観は無色透明。ゼラニウムやライチのような、瑞々しく華やかな香りで、果実よりも花の香りが主体に感じられます。
テクスチャーはスムーズで、パイナップルのような甘味を思わせる味わいと、軽快でキレの良い苦味があります。含み香も非常に華やかで、バラやゼラニウムを思わせる咲きたての花のような香りです。
香りは華やかで味わいはシンプルかつ軽快な、フルーティータイプの米焼酎です。
おすすめの楽しみ方
<酒器>
白ワイングラスなど、華やかな香りを活かせる湾曲性の高いグラスでの提供が向いています。
<割り方>
蒸留酒の香味特性が最もわかる割り方と言われる、トゥワイスアップ(焼酎に同量の水を入れる割り方)がおすすめです。水は少し冷やしたものを使用すると軽快な香味を損なわずに楽しんでいただけるでしょう。よりアルコール度数を下げて軽めに飲んでいただきたい場合は、ソーダ割も有効です。
<料理>
華やかな香りとシンプルな味わいを持つため、香り豊かなハーブ料理やフルーツを使った前菜、新鮮な魚介を使った料理と好相性です。日本酒サービス研究会(SSI)が提唱する焼酎の4タイプ(フルーティー、スッキリ、コク、スモーキー)の中では「フルーティータイプ」にあたり、比較的和食以外にも合わせやすいお酒です。
Z世代酒匠ライター kanane_sake
| 2025年12月 |
31日配信 Z世代酒匠がおすすめする「今週の注目の一本」はイットキー IT’S THE KEY 純米吟醸/玉川酒造(新潟)です。

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創業1673年と、酒どころ・新潟県でも指折りの歴史を持つ「玉川酒造」。
時には4mにもなる冬場の豪雪を活かした雪室貯蔵に力を入れている酒蔵です。
今回はこの玉川酒造から、軽快な甘味と酸味で洋食とのペアリングにもおすすめの一本をご紹介します。
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・商品名:イットキー IT’S THE KEY 純米吟醸
・酒蔵名:玉川酒造株式会社(新潟県魚沼市)
・原料米:五百万石、こしいぶき
・精米歩合:60%
・アルコール度数:12.5度
・参考価格(税込):1,950円(720ml)
新しい扉を開く日本酒「イットキー」
日本酒の新しい扉を開く『カギ』をイメージして造られた「イットキー」は爽やかで軽快な味わいに加えて、アルコール度数が12.5度と、通常の15~16度より低めに設定されているため、初心者にも飲みやすい日本酒です。
日本酒度は-40と数値だけ見るとかなり甘口。しかし貴醸酒のような濃厚な甘さではなく、はっきりとしているものの後切れがよくしつこさを感じない甘さになっています。
イットキーは2017年に「ワイングラスでおいしい日本酒アワード」のメイン部門で最高金賞を受賞しました。このアワードは日本酒をワイングラスで飲むスタイルを広めることで、世代・国・ジャンルという3つの境界を超えることを目指して設立されたもので、2025年に15回目を迎えました。2017年は324点の出品酒のうち最高金賞を受賞したのはわずか18点、入賞率5.6%の狭き門でした。
香りと味わいの特徴
外観は淡い黄色で、みかんのような甘味と酸味を思わせる香りの奥に、生米や上新粉のような原料米由来の香りも感じます。
テクスチャーは柔らかく、軽やかな甘味に続いて濃密な米の旨味、そして瑞々しい酸味へと続きます。はっきりとした味わいながらどれもしつこくなく、全く重さは感じません。後味にはライムの皮のような爽やかな苦味がわずかに残り、これも全体の軽やかな印象を引き立てています。
おすすめの楽しみ方
<温度帯>
玉川酒造の公式HPでは5℃以下の冷酒または50℃以上の熱燗がおすすめされています。温めると先ほど書いたような香りと味わいの特徴から、さらに旨味の比重が増すとともに苦味が重めに感じられるため、濃厚な料理とのペアリングがおすすめです。
<酒器>
「ワイングラスでおいしい日本酒アワード」の最高金賞を受賞していることもあり、ワイングラスがおすすめ。特に、口径が大きいボルドー型のワイングラスを使用すると、甘味や旨味といった味わいの要素がより鮮やかに感じられるでしょう。
<料理>
軽快な甘味と酸味を持つため、ワイン感覚で洋食やエスニック料理にも合わせやすい一本です。特に新鮮な魚介やトマト、バジルを使用したイタリア料理や、香草や野菜を多用するベトナム料理とのペアリングがおすすめです。
Z世代酒匠ライター kanane_sake
24日配信 【今週オススメの一本】心地良い吟醸香と飲みやすさが魅力的な「大吟醸原酒 天平」

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今回は全国新酒鑑評会においては全国最多50回の金賞受賞を誇る「土佐鶴酒造」より、加水調整を施していない原酒を貯蔵桶から直接手詰めした大吟醸酒「大吟醸原酒 天平」をご紹介。
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【特徴】
①香味
・グラスの立ち香から華やぐ吟醸香が楽しめ、口に含むとコクのある芳醇な味わいが広がります。そこから土佐鶴らしいキレの鋭さで後味は驚くほどサラッと流れるため、飲みやすさは◎
まさに原酒ならではの強みが最大限に活かされています。
②様々な飲み方で楽しめる
アルコール度数が「17度以上18度未満」と高めなので、温度別や様々な割り方で楽しめるのも特徴のひとつ。お客様に提供する際の参考にしてみてください。
・涼冷え(約15℃):華やかな香りが際立ち、旨味やまろやかな味わいが顕著に楽しめる。
・ロック割り:冷酒よりも飲み心地の快適さが向上するため、高アルコールが苦手な人にはオススメな飲み方です。
・紅茶割り:寒い冬時期は温めた紅茶をプラスして、心身ともに暖まる飲み方はいかがでしょう。より香りを堪能するなら「無糖」、少し甘みを足して飲みやすさ重視であれば「レモンティー」でぜひ試してみてください。
【ペアリング】
「大吟醸原酒 天平」を食中酒として合わすなら、天ぷらやお刺身、湯豆腐などがマッチするでしょう。
また、味わい軽めな洋風料理と爽やかな吟醸香とのマリアージュもオススメなので、そこに冬の食材を活かしたペアリンググルメをご提案。
・帆立のカルパッチョ
刺身用として販売されている帆立を食べやすいサイズ感でカットし、オリーブオイルとレモン汁に塩胡椒を合わせたドレッシングをかけるだけで楽しめるお手軽&お洒落レシピ。
・鱈のハーブバターソテー
鱈をオリーブオイルとバター、にんにくと共に香ばしく焼きあげ、仕上げにハーブと醤油をトッピングした一品。
「大吟醸原酒 天平」の華やかな香りとハーブの芳香さが調和し、キレの良さでバターの油分をサラッと流してくれますよ。
【まとめ】
今回ご紹介した「大吟醸原酒 天平」は、アルコール度数の高さを感じさせない軽快なテイストと味わいを邪魔しない吟醸香が特徴強く、土佐鶴酒造の銘柄内でも人気高い1品です。
加えてもう1点、こちらは優雅に羽ばたく鶴の絵が描かれた豪華な化粧箱付きなので、特別な人に向けてやお祝い事などに誂え向き。ぜひ新年会や歓送迎会での贈答用として選んでみてください。
【日本酒情報】
商品名:大吟醸原酒 天平
種類:大吟醸酒
精米歩合:40%以下
アルコール度:17度以上18度未満
日本酒度:+5
酸度:1.4
高知県在住唎酒師 日本酒フォトライター 谷口 廉
17日配信 寒い冬と共に過ごす日本酒の楽しみ方

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本格的な寒さが訪れた今、温かい料理と一緒に燗酒を楽しんだり、冬ラベルの日本酒を買い求めたりと今時期だからできる日本酒の楽しみ方は様々。
そこで今回は冬だからこその日本酒の楽しみ方について色々とご提案していきます。
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【燗酒で楽しむ】
冷えた体を芯から温めるなら燗酒に限りますよね。飲食店でも飲まれる機会が多くなることでしょう。
一概に燗酒といっても温度帯で感じられる香味は幅広く、一番ポピュラーなのが『約50℃の熱燗』とされています。
熱燗にすることで「よりふくよかに香りを感じられる」「味に深みが増す」といった効果が期待でき、冬の味覚と好相性なペアリングが生まれたりと魅力は様々!
そこで今回は燗酒にオススメな日本酒をいくつか推薦させていただきますので、気になる人はぜひ熱燗で試してみてください!
・菊正宗 上撰(菊正宗酒造株式会社):生酛造りでしっかりとした押し味とキレのある喉越しが自慢の本格辛口酒。
・奥の松 金紋本醸造辛口(奥の松酒造株式会社):全体的にスッキリとした飲み心地でありながら、伸びのあるまろやかな口あたりも特徴的な辛口本醸造酒。
・群馬泉超特撰純米(島岡酒造株式会社):蔵付き酵母を用いて山廃酛で仕込まれた純米酒。ナッツや黒蜜のような柔らかい熟成香とまったりとした甘さ。それでいて喉越しは軽めなので綺麗なバランス感も高ポイント。
【冬の料理と共に楽しむ】
冬はカニやカワハギ、ふぐといった旬食材やおでんや鍋料理といった体を温めるグルメが美味しい季節。そこで日本酒と共に楽しみたい冬グルメをご紹介します。
●おでん
家庭でも簡単に楽しめる料理であり、日本酒と共に楽しみたい定番グルメ。
出汁の旨味が染み込んだ大根やちくわなどを食べた後に燗酒を流し込む瞬間は格別でしょう。
もちろんおでんを堪能した後は、日本酒を出汁で割る「出汁割り」もお忘れなく!
日本酒本来の風味と出汁の旨味が融合した一杯は締めに完璧。お好みで七味唐辛子を振って味変するのも良いですね。
●鍋料理
こちらも冬になると必ず家庭で登場する定番グルメのひとつ。
鍋料理といってかなり沢山の種類があると思いますので、個人的に合うなと思う組み合わせをご紹介しておきますので、参考にどうぞ。
・寄せ鍋や水炊き:米の旨味とコクが味わえ、程よく後味軽快な「特別純米酒」
・すき焼き:米由来の濃厚な旨味や甘味、奥深さが凝縮された「純米酒原酒」
・もつなべ:冷酒で合わせるなら芳醇さと余分な脂を流してくれるスッキリした飲み口が特徴的な「純米吟醸酒」。燗酒ならもつ鍋の旨味と同調効果が期待できる「純米酒」
●カワハギの煮付け
独特な旨味が特徴的であり、濃厚なタレが絡んだ煮付けには、繊細な味わいの日本酒が相性抜群!
【景色(視覚)と共に楽しむ】
少し玄人向けにはなりますが、冬景色を眺めながら日本酒を嗜む「雪見酒」はいかがでしょう。
こちらは多くの降雪量が見込める東北地域に偏るかもしれませんが、宿泊先の暖かい部屋で冷酒と共に。または露天風呂に浸かりながら燗酒を片手に、幻想的な景色を鑑賞する非日常なひとときを過ごせるはずですよ
それ以外にも視覚で冬と日本酒を楽しむ方法として、昨今では冬ラベルで彩られたデザイン性あふれる日本酒も多く登場していますので、もし気になるラベルがあれば手に取ってみたり、ラベルを眺めながら飲み楽しんでください。
【まとめ】
今回は寒い冬にピッタリな日本酒の楽しみ方についてご紹介しました。
冬の味覚と共に様々なペアリングを提案したり、冬ラベルの日本酒を集約して特設ブースを展開するなど、消費者の購買意欲を促す方法は多種多彩。飲食店・酒販店様はぜひ冬だからできる提案方法で、日本酒の魅力を発信していってください!
高知県在住唎酒師 日本酒フォトライター 谷口 廉
10日配信 Z世代酒匠がおすすめする「今週の注目の一本」はどぶろく 永蔵/農業組合法人ながくら(新潟)です

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もろみを濾過せず造る、日本酒の原型ともいえる素朴な味わいが魅力のどぶろく。
新潟の誇る飯米・コシヒカリと新之助を使った、シャープな酸味とキレのよい苦味が特徴の辛口どぶろくです。
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商品紹介
・商品名:どぶろく 永蔵
・製造者名:農業組合法人ながくら(新潟県長岡市)
・原料米:コシヒカリ、新之助
・参考価格(税込):1,780円
どぶろく特区とは?
どぶろく特区は、2002年に作られた制度で、一定の条件下で農家や宿泊事業者が合法的にどぶろくを製造・販売できる仕組みです。この制度により、従来は酒税法で厳しく規制されていた小規模な酒造りが可能になりました。
この特区制度の主な目的は、農村地域の活性化と観光振興。自ら栽培した米を使ってどぶろくを製造し、農家レストランや民宿で提供することで、地域の魅力を高め、観光客の誘致につなげることが期待されています。
2024年時点で、全国で130以上の自治体がどぶろく特区の認定を受けており、北海道から沖縄まで幅広い地域で展開されています。今回ご紹介する「どぶろく 永蔵」が作られている新潟県上越市もその一つ。日本全国でそれぞれの土地の米や水を活かした個性的などぶろくが生まれ、地域資源を活用した六次産業化の成功事例として注目を集めています。
香りと味わいの特徴
米の粒感が残る白く濁った外観ですが、口当たりは見た目からすると意外なほどにさらっとしていて、清酒に近い滑らかさです。
ヨーグルトのような乳酸由来の酸味を思わせる香りが広がり、口に含むとシャープな酸味とキレのよい苦味、軽快な旨味が感じられます。
さらりとしたお酒の中にわずかに残る米粒は舌で軽く力を入れると溶けてなくなるほどの柔らかさで、その食感を楽しめるのもどぶろくならでは。
一般的に濃厚・芳醇のイメージが強いどぶろくですが、このどぶろくは淡麗・辛口のため、さらりと飲むことができます。
おすすめの楽しみ方
<温度帯>
軽快な辛口どぶろくのため、程よく冷やした状態でさらりと飲むのがおすすめです。
<酒器>
どぶろくならではの濁りや米の粒感を見た目で楽しみたい場合は、透明のグラスがおすすめ。また、内側が白い酒器もどぶろくの色合いと同調するため、相性の良い組み合わせと言えるでしょう。
<料理>
カマンベールチーズやクリームチーズは、乳酸由来の香りや酸味の同調が楽しめる組み合わせです。キレの良い苦味を持つさっぱりとした辛口のため、グラタンやチーズフォンデュといった濃厚な料理ともくどくなりすぎずに合わせることができるでしょう。
Z世代酒匠ライター kanane_sake
3日配信 Z世代酒匠がおすすめする「今週の注目の一本」は久保田 スパークリング/朝日酒造(新潟)です

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甘味と酸味のメリハリがある日本酒をベースに、上品な泡立ちの炭酸ガスを加えた「久保田 スパークリング」。
まるで甘口の白ワインのような軽やかな甘味と酸味、そしてキレの良さを楽しめる味わいで、前菜やお供や日本酒カクテルにぴったりの一本です。
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商品紹介
・商品名:久保田 スパークリング
・酒蔵名:朝日酒造株式会社(新潟県長岡市)
・原料米:五百万石
・精米歩合:65%
・アルコール度数:12度
・参考価格(税込):1,485円(500ml)
・その他:できあがった日本酒に炭酸ガスを注入する「炭酸ガス充填方式」で造られたスパークリング日本酒です。
「久保田」シリーズについて
全国にその名を知られる日本酒「久保田」は、今年で発売40周年を迎える朝日酒造の代表銘柄です。
初めて「久保田」が発売された1985年は、肉体労働から頭脳労働へと働き方が大きくシフトしていた時代。それまでは汗をたくさんかく肉体労働者が好む、塩分やカロリーの多い食事と合うこってりとした甘口の銘柄が主流でした。
頭脳労働者の増加によって食事の嗜好が変わりつつあった時代の変化を察知した朝日酒造は、新しい時代に合うお酒として「久保田」を開発。すっきりとした飲み口と料理を引き立てる穏やかな香り、そしてキレのある味わいで“淡麗辛口”のスタイルを確立しました。
「百寿」「千寿」の2商品から始まった「久保田」シリーズは、今や17種類にまでラインナップが増加し、華やかな香りで日本酒初心者にもおすすめの「久保田 純米大吟醸」や、アウトドアメーカーと共同開発した「久保田 雪峰」といった人気商品が多く生まれています。今回ご紹介する「久保田 スパークリング」は、「久保田」シリーズで初のスパークリング日本酒になります。
香りと味わいの特徴
外観は無色透明で、シュワシュワとキメ細かい泡が立ちあがる様子がエレガント。
りんごや和梨のような清涼感ある甘味と上新粉のような柔らかな甘味を思わせる香りが穏やかに広がります。滑らかな飲み口に、マスカットを思わせる清涼感あるすっきりとした甘味が広がり、まるで甘口の白ワインのような爽快感です。
はっきりした甘味のあるジューシーな味わいですが後味には「久保田」らしいキレがあり、甘味が口の中に残ることなく、さっぱりした短い余韻で終わります。
おすすめの楽しみ方
<温度帯>
冷蔵庫でよく冷やすことで、炭酸の刺激とシャープな飲み口が際立ちます。甘味には温度が上がると広がる特性があるため、時間が経つにつれて少しずつふくよかになっていく味わいの変化もお楽しみいただけます。
<酒器>
シュワシュワとした炭酸を見た目でも楽しめる、透明のフルートグラスやワイングラスがおすすめです。
<料理>
フルーティーな香りと清涼感ある甘味は、フルーツをハーブを使ったサラダや、マリネのような酸味のある料理、カルパッチョや生ハムなど旨味と塩気のある料理とも好相性。朝日酒造のHPではミックスベリーや飲むヨーグルト、オレンジの炭酸飲料と合わせた日本酒カクテルとしての楽しみ方も紹介されています。
Z世代酒匠ライター kanane_sake
| 2025年11月 |
26日配信 土佐酒のオススメ新酒5選!

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季節は冬を迎えるシーズンとなり、酒販店で新酒を購入する人が増えたりペアリングとして新酒を提供する飲食店様も多いかと思います。
そこで今回は私が在住する高知県より土佐酒のオススメ新酒を厳選紹介させていただきますので、ぜひ参考にしてみてください。
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①酔鯨酒造:酔鯨 特別純米酒 しぼりたて
吟醸酒レベルである55%まで精米され、仕込み水には鏡川の最源流域にある湧水、9号系由来の自社酵母を用いて吟醸酒造りと同様に低温でじっくり醸された1本。
火入れ処理していない生酒を瓶詰めしているので、ピチピチでフレッシュな香味が味わえます。奥深くには純米酒ならではの豊かな旨味も感じることができます。
・種類:特別純米酒
・アルコール度:17度
・精米歩合:55%
・日本酒度:+2
・酸度:2.0
②濱川商店:美丈夫 特別純米酒 しぼりたて生原酒
新酒ならではの瑞々しさに上品さも備わった香味感、柔らかい口あたりと後に残らないキレの良さが特徴的。
加えて原酒ならではの芳醇な旨味もしっかり落とし込まれており、美丈夫だからこそ再現できる絶妙な香味加減をぜひ体感して欲しいです。
・種類:特別純米酒
・アルコール度:16度
・精米歩合:60%
・日本酒度:+4
・酸度:1.3
③土佐酒造:桂月CEL24 純米大吟醸50 しぼりたて生酒
高知県産酵母「CEL-24」の特性であるフルーティで華やかな香りに、生酒ならではのジューシーな味わいが共存した1本。
ラベルには可愛い衣装をまとった雪だるまがイラストされており、つい手に取ってしまうようなモダンなデザインも魅力のひとつ。
こちらは白身魚のお刺身やハーブやニンニクを使った香り高いイタリア料理とのペアリングがオススメ!
・種類:純米大吟醸
・アルコール度:15度
・精米歩合:50%
・日本酒度:-4
・酸度:1.4
④土佐鶴酒造:蔵出ししぼりたて新酒
沸き立つ醪が醸してくれる華やかな新酒の香りと蔵出しならではの風味が印象的なのが土佐鶴の新酒です。
冷酒で華やかな香りとキリッとした喉越しを楽しむ一方で、燗酒で一層ふくよかになった香りと柔らかい旨味を堪能したりと幅広い温度帯で楽しめるのも魅力のひとつ。
土佐鶴らしい淡麗辛口も顕著に感じられるので、温かい鍋料理や魚介料理と共に楽しんでみてください。
・種類:普通酒
・アルコール度:15度以上16度未満
・精米歩合:70%
・日本酒度:+5
・酸度:1.2
⑤無手無冠酒造:酒槽一番汲み
看板商品である栗焼酎「ダバダ火振り」を醸す無手無冠酒造が、厳寒の酒造期のみに醸造する純米生酒。
酒槽から滴り落ちる生原酒の一番汲みであり、味わいは少し甘口で口あたりはソフトでありながら、アルコール度数は18.5度と高めなので力強く芳醇な喉越しも特徴的。
瓶底には少し白濁した澱があるので、よく振ってから呑み楽しんでみてください。
・種類:純米酒
・アルコール度:18.5度
・精米歩合:70%
・日本酒度:-8.3
・酸度:2.9
【まとめ】
今回は高知県のオススメ新酒をご紹介しました。
全体的に新酒のフレッシュな香味を含みつつも、土佐酒らしい淡麗辛口テイストがあれば華やかな香りが楽しめるものまで様々。
今回紹介した以外にもまだまだ高知の美味しい新酒はありますので是非注目してみてください!
高知県在住唎酒師 日本酒フォトライター 谷口 廉
19日配信 【今週オススメの一本】従来のおり酒とは違う!? 華やかジューシーな白麹仕立て「NEOおり酒」

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新酒の季節となり色々と美味しい日本酒が登場するなか、今回は高知県の酒蔵「高木酒造」からリリースされている一風変わったおり酒「豊能梅 NEOおり酒」をご紹介します。
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【特徴】
1.白麹&高知酵母
通常、おり酒を含む日本酒造りには「黄麹」が使われておりますが、今回紹介する「NEOおり酒」には焼酎醸造で用いられている「白麹」を使って甘酒を造り、仕上がり直前に添加することで甘酸っぱい香味が表現されています。
加えて高知酵母として比較的新しい「AT10」を採用。こちらはお酒にフルーティーな香りを与えてくれるため、通常のおり酒と比べて口あたりは軽快で柑橘のような甘酸っぱい香味感に仕上がっています。
2.香味
グラスに注いでみれば華やかな香りがふわっと立ち上がってきます。味わいはヨーグルトのような甘酸っぱさが楽しめ、後味も軽やか。おり酒に感られる癖も比較的少なめなので、日本酒への馴染みが薄い人でもスイスイ飲めるのが魅力的。
【オススメの飲み方】
しっかりと冷やして飲むことで、白麹と高知酵母で際立った甘酸っぱい香味を堪能することができます。
他にはオンザロックやハイボールにして楽しむ通な嗜みも。
さらにアレンジして楽しみたい場合は山椒をひとつまみ程度、加えてみてください。爽やかな香りがアクセントとなり、相乗するかのように飲みやすさも向上するのでオススメですよ。
【ペアリング】
甘酸っぱいテイストで後味の軽いおり酒には、ガパオやパッタイなどのエスニック料理やヨーグルトをベースにディルやきゅうり、胡桃にオリーブオイルで仕立てた冷製ヨーグルトスープ。スイーツではチーズケーキなどがペアリング向き。
11月下旬から12月にかけては大根や白菜、長ネギなどが旬を迎えますので、季節食材を合わせたペアリンググルメをご紹介。
・豚肉と大根のスパイスカレー
ココナッツパウダーや酢で漬け込んだ肩ロースと下茹でした大根を主役に、香りの立つスパイスとカシューナッツペーストで仕込んだカレーとの相性は◎
山椒を加えたNEOおり酒であれば、面白いペアリングが楽しめますので試してみてください。
・ネギと白菜の味噌グラタン
市販のホワイトソースに白味噌と具材を合わせて楽しめる簡単レシピ。
クリーミーな味わいをまとったネギや白菜と合わせることで相乗効果に期待できるので、冬のペアリングとしてオススメ。
【まとめ】
今回の紹介酒「豊能梅 NEOおり酒」は従来のおり酒と比べ、軽やかな酸味と飲み応えがあり、飲み方のアレンジも色々と楽しめる1本となっています。
提供する機会があった際はぜひオススメしてあげてください。
【日本酒情報】
商品名:豊能梅 NEOおり酒(新酒)
酒蔵:高木酒造株式会社(高知県)
種類:濁り酒
精米歩合:70%
アルコール度数:18度
高知県在住唎酒師 日本酒フォトライター 谷口 廉
12日配信 Z世代酒匠がおすすめする「今週の注目の一本」は島有泉/有村酒造(鹿児島)です。

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黒糖焼酎を使ったおもてなしの儀式「与論献奉(よろんけんぽう)」が残る、奄美群島の最南端・与論島。
「与論献奉」の主役として島の人々に愛されてきた本格焼酎「島有泉」は、黒糖焼酎ならではの華やかな香りとアルコール度数を抑えた軽快な飲み口が特徴です。
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・商品名:島有泉(しまゆうせん)
・酒蔵名:奄美大島にしかわ酒造(鹿児島県大島郡与論町)
・原料:黒糖、米麹
・アルコール度数:20%
・参考価格(税込):2,178円(1800ml)
有村酒造と与論島
鹿児島から沖縄にかけて広がる奄美群島の最南端に浮かぶ、周囲約23kmの小さな島が与論島です。
与論島の特徴は、なんといっても真っ青な海。その色は他のどことも違う、まるでガラス細工のような透明度の高い青色です。干潮のときにしか現れない幻のビーチ「百合ヶ浜」は、その真っ白な砂浜と海の青色のコントラストが美しく、与論島の一大観光スポットになっています。
そんな与論島の中心地・茶花という街にある島唯一の焼酎蔵が有村酒造です。有村酒造では創業当時から50年以上続く、甕を使った仕込みが特徴です。甕はタンクに比べると容量が小さく、当初は発酵中に出る泡があふれる苦労もあったそうですが、昔ながらのやり方を丁寧に守り続けているそうです。
香りと味わいの特徴
外観は無色透明。黒糖やローストナッツ、カラメルを思わせる華やかな香りが特徴的です。
スムーズなテクスチャーに加えて、まろやかな甘味とコクが広がり、鼻の奥から黒糖の香りがふわっと広がっていきます。
軽快な味わいの奥に、キレの良い苦味が感じられ、余韻は短め。コクは感じられますがライトなタイプの焼酎です。
おすすめの楽しみ方
<割り方>
黒糖焼酎ならではのすっきりとした味わいと柔らかなコクが楽しめる、水割りがおすすめ。島有泉は20度と、一般的な焼酎よりも少し度数が低いため、ロックでも無理なくお楽しみいただけます。
<料理>
黒糖の甘い香りとまろやかなコクは、油を使った濃厚な料理やスパイスを効かせた料理もうまく包み込んでくれるため、豚骨や油ゾーメンといった鹿児島の郷土料理と好相性です。与論島では、黒糖をつまみに黒糖焼酎を飲む「親子飲み」も人気だそうです。
Z世代酒匠ライター kanane_sake
5日配信 今回は今までと少し毛色が変わって、「気になる日本酒のサービスを試してみた」回です。

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サービス紹介
・サービス名:ポストに届く日本酒定期便「SAKE POST」
・会社名: 株式会社 FERMENT8(新潟県長岡市)
・概要:「酒蔵のある暮らしを守る」をミッションに、2019年に設立したスタートアップ。「SAKE POST」のほかに、日本酒カクテルの素「ぽんしゅグリア」、アウトドア日本酒「GO」、遊べる日本酒カクテル「ぽんちゅ!」などユニークな商品を続々と開発。酒蔵の再生や、海外クリエイターを招いて長岡の日本酒をデザインしてもらう事業なども行っています。
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日本酒の定期便「SAKE POST」について
もともとはサブスクリプション型のサービスで、契約すると毎月自宅のポストに日本酒が届く仕組みです。今回はそのお試し版として、お店で1か月分のセットを購入しました。パッケージは、ポストに投函できるような平べったい封筒型。中を開けると、100mlサイズのパウチに入った日本酒が3種類入っていました。
特徴的なのは、パウチ自体には銘柄名や精米歩合、酒米の品種といったスペックに関する情報が一切記載されていないこと。代わりに、裏面に貼られたQRコードを読み込むことで詳細が確認できる仕組みです。
QRコードを読み込むと、どの酒蔵が造ったどんな銘柄なのかに加えて、酒蔵の歴史や銘柄名の由来などを知ることができました。さらに、精米歩合やアルコール度数、日本酒度といった細かなスペックもここで確認できるようになっていました。
利用してみた感想
今回の体験で面白かったのは、QRコードから飛んだサイトには、銘柄情報だけでなく「みんなで作る味わいデータ」というコーナーがあることです。香りの印象や一口目の味わい、合わせたい料理などを4択で答えられる仕組みで、他の人の回答も見ることができます。
お酒を飲んでいるときに、「他の人にはどんな香りや味わいに感じられるんだろう?」と思うことはよくあります。外で誰かと一緒に飲んでいるときなら気軽に感想を言い合えますが、家飲みのときはそうもいきません。そんなときにこのツールがあれば、気軽に他の人の感想を知ることができ、さらに自分の感じたことを反映させられるのが嬉しいポイントでした。
4択で選べるようになっている「合わせたい料理」は、お酒によって異なった選択肢が表示されていて、そのバリエーションを知ることも楽しさのひとつでした。例えば、お酒によって、「肉や揚げ物などのガッツリ料理」「豆腐や漬物などのあっさり料理」といった広いカテゴリーの選択肢がもあれば、「おでん」「焼き鯖寿司」といった特定の料理名の選択肢もあり、次のお酒はどんな選択肢が出てくるんだろう?というちょっとしたワクワク感がありました。
まとめ
自分の感想を投稿できるだけでなく、他の人の感じ方にも触れられるのは新鮮な体験でした。日本酒をただ飲むだけでなく、共有し合う体験までセットになっているのが「SAKE POST」の魅力だと感じました。
Z世代酒匠ライター kanane_sake
| 2025年10月 |
29日配信 大人スイーツ酒「貴醸酒」の奥深い魅力を再確認!

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皆さまは「貴醸酒」の魅力や美味しい楽しみ方をご存知でしょうか?
今回は香味やアイデア性に富んだ楽しみ方ができたりと、奥深い魅力を持つ「貴醸酒」を様々な角度から解説していきますので、ぜひ参考にしてみてください!
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【改めて貴醸酒とは】
1.貴醸酒が甘い理由
貴醸酒の製法として、醪を三段階に分けて仕込む「三段仕込み」のうち、最後の「留添」で日本酒が加えられます。
通常の醸造方法であれば糖は酵母に食べられますが、日本酒を使うことで醪のアルコール濃度が高まり、そのおかげで糖もしっかり醪の中に留まるため甘口となります。
2.特徴
全体的な特徴としては梅酒と同様な甘みを保持しており、ブランデーやシェリー酒に近しい色味や酒質があります。
全国各地で醸造されている貴醸酒は多種多彩で、
・吟醸酒仕込み
・生にごり酒の貴醸酒
・貴醸酒の古酒で仕込んだ貴醸酒
・シェリー樽で熟成された貴醸酒
など色々あるのも特徴のひとつです。
3.香味
メロンや白桃、蜂蜜にナッツなど種類で異なりますが甘美で芳醇な香りがあります。味わいは冒頭から何度も記述した「上品な甘さ」が根底にありつつ、軽快な酸味があり口あたりはなめらか、そして複雑性のある旨味が楽しめます。
【貴醸酒を美味しく呑む秘訣】
・温度帯
新酒の貴醸酒であれば、冷酒やロックで食前~食中。
熟成させた場合は常温や燗酒にして食中~食後、さらには寝酒としてもオススメです。
・ペアリング
チーズをたっぷり使った味わい濃厚系やローストした肉料理、麻婆豆腐やスパイスカレーといった香辛料が効いたグルメなどが好相性。
チーズケーキやチョコレートケーキなどしっかりした甘みがあるスイーツと合わせるのも◎
また、バニラアイスにシロップ代わりでかけて、ほろ苦い甘みを味わう通な楽しみ方もありますよ。
【厳選!オススメ貴醸酒3選】
実際に呑み楽しんだ貴醸酒のラインナップから、個人的オススメをご紹介します!
①笑四季「MONSOON 山田錦」:笑四季酒造株式会社
貴醸酒ブームの先駆けと謳われるほど、発売当初から人気高い貴醸酒。
メープルシロップのような濃い甘さの香りがあり、濃密な甘味と綺麗な酸味が効いた極甘口系です。
②新政「陽乃鳥」:新政酒造株式会社
こちらは生酛造りでアル添無しの純米酒で仕込まれた貴醸酒。
マンゴーを彷彿させる濃密な甘みとパイナップルのような甘酸っぱさを
掛け合わせた味わいが特徴的で、食中から食後にかけて楽しめます。
③出羽桜「貴醸酒SWeeeeeT」:出羽桜酒造株式会社
蜂蜜のようなトロッとした甘みを帯びながら、
高リンゴ酸生成酵素「YK-2408」を使ったことで、
甘酸のバランスが綺麗に整っており、呑み心地は申し分無し!
冷酒やロックで楽しめるほか、炭酸割りや果実酒をブレンドした
日本酒カクテルなど、様々なアレンジをしながら楽しむことができます。
【濃密な甘さに酔える貴醸酒】
今回はお酒で仕込んだ贅沢な日本酒「貴醸酒」についてご紹介してきました。
濃密な甘さから始まり、軽快な酸味やほろ苦さを含んだ複雑な味わいが印象強い大人スイーツ酒「貴醸酒」を、様々な発信方法で消費者に伝えていきましょう!
高知県在住唎酒師 日本酒フォトライター 谷口 廉
22日配信 【今週オススメの一本】深みある味と土佐酒らしさが共存した秋酒「安芸虎 雄町ひやおろし 純米吟醸」

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外の空気も肌寒くなり、本格的な秋を迎えたことにより「ひやおろし」「秋上がり」といった季節酒を様々な形で提供されているかと思います。
そんななかで今回は、前回配信でご紹介しきれなかった高知県産のオススメ秋酒「安芸虎 雄町ひやおろし 純米吟醸 」をご紹介します!
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【特徴】
1.雄町米×土佐酒×秋酒のマリアージュ
こちらの紹介酒は岡山県備前地区で育てられた酒造好適米「雄町米」を使用。旨味を感じられる芯の強さがありつつ、熟成させたことで適度な落ち着きもあり、後口はサラッとキレる土佐酒らしさも共存しております。
2.香味
グラスに注いだ際はバナナ系の香りが感じられ、口に含むと白ぶどうを彷彿させる甘い香りがあります。味わいはまろやかな口あたりを皮切りに程よい酸味と柔らかな甘みがジワっと広がる酒質となっています。
【オススメの飲み方】
しっかりと冷やして呑むことで、白ぶどうのようなフルーティーな香りと爽やかな酸感が堪能できます。
ぬる燗(40℃)や上燗(45℃)であれば旨味や香りにボリュームが出て、飲み応え十分な食中酒として楽しむことができます。
【ペアリング】
鶏の照り焼きや豚の生姜焼きといった味わい濃厚な料理が好相性!
秋の味覚ともベストマッチしやすいので、10月~11月の旬食材を用いたペアリンググルメをご提案します。
・ほうれん草とサーモンのキッシュ
ほうれん草の食感が程よく残りつつ、スモークサーモンの旨味と濃厚なクリームソースのマリアージュが堪らない一品。
こちらは冷酒と燗酒どちらでも美味しく楽しめるので是非!
・さつま芋とベーコンのスイートポテトサラダ
こちらはさつま芋、ブルーチーズ、ベーコン、くるみを使ったポテトサラダとなります。
ブルーチーズとベーコンの塩味にさつま芋の甘味が相乗効果を生み、味わい濃厚なのがポイント!さらにサワークリームソースでさっぱりとした後味もプラスしたお洒落系おつまみは燗酒と合わせて楽しんでみてください。
・秋刀魚の蒲焼き
お店でもご家庭でも気軽に楽しめる一品料理。
甘辛いタレの旨味が秋刀魚の身にまで染み込んでおり、香ばしい風味も相まって秋酒と相性抜群ですよ!
【まとめ】
今回の紹介酒「安芸虎 雄町ひやおろし 純米吟醸」は、雄町米の強みを活かした味わい深さに熟成によるまろやかさ、土佐酒らしいキレの良さが詰め込まれた秋酒でした。
ぜひ秋の幸を取り入れた料理と共に、今時期でしか味わえない魅力的なペアリングを提供してみてください。
【日本酒情報】
・商品名:安芸虎 雄町ひやおろし 純米吟醸
・種類:純米吟醸酒
・酒蔵:有光酒造場(高知県)
・アルコール度:15.5%
・日本酒度:±0
高知県在住唎酒師 日本酒フォトライター 谷口 廉
15日配信 Z世代酒匠がおすすめする「今週の注目の一本」は島のナポレオン/奄美大島にしかわ酒造(鹿児島)です

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鹿児島と沖縄の間に浮かぶ南国の島々、奄美群島でのみ造られる黒糖焼酎。
サトウキビを原料とするこの焼酎は、独特の甘い香りと米麹由来のコク、そしてすっきりと軽い飲み口が特徴。九州の甘口醤油を使った料理との相性は抜群です。
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商品名:島のナポレオン
酒蔵名:奄美大島にしかわ酒造(鹿児島県大島郡徳之島町)
原料:黒糖、米麹
アルコール度数:25%
参考価格(税込):1,176円(900ml)
奄美大島にしかわ酒造と徳之島
「島のナポレオン」の製造元、奄美大島にしかわ酒造は奄美群島のひとつ、徳之島にあります。
世界自然遺産に登録された徳之島は、島の中央部にそびえる天城岳を中心に深い森が広がり、アマミノクロウサギやリュウキュウイノシシなどの貴重な動物が生息しています。
ギネスブックで長寿世界一と認定された泉重千代さん(享年120歳)の故郷であるとともに、島内の3町すべてが全国の市町村出生率ランキングでトップ10に入りしたこともある徳之島は「長寿の島」「子宝の島」とも呼ばれています。島内には6つの焼酎蔵があり、中でも奄美大島にしかわ酒造は最大規模の製造量を誇ります。
香りと味わいの特徴
外観は無色透明。芋や麦、米などの焼酎にはない、特徴的な甘く濃い黒糖の香りがあります。
口に含むとアルコール由来の厚みのある苦味とともに、黒糖のふんわりとした甘味や米麹由来のコクが感じられます。水割りにすると苦味が薄まる分、まろやかな甘味がよりわかりやすくなり、蒸留酒のアルコール感が苦手な人にもおすすめ。
軽快な味わいかつ余韻が短いので、すっきりと飲みやすい焼酎です。
おすすめの楽しみ方
<割り方>
氷を落としたグラスに、水:黒糖焼酎を1:1の割合で入れた水割りがおすすめ。すっきりとした味わいはカクテルベースにもおすすめで、蔵ではパイン果汁やコーラ、コーヒー、アイスボックスなどと割ったカクテルでの楽しみ方も紹介されています。
<料理>
黒糖焼酎ならではの甘い香りとコクは、醤油や砂糖をベースとした、魚の煮つけや豚の角煮などの料理と好相性。また、九州の甘口醤油と合わせたお刺身とも、お酒の甘い香りとすっきりとした飲み口が同調し、ぴったりの組み合わせです。
Z世代酒匠ライター kanane_sake
8日配信 Z世代酒匠がおすすめする「今週の注目の一本」はSkey Skey Honey!/haccoba(福島)です

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これまでに様々な業種とコラボし、特徴ある副原料を用いて米からできるお酒の可能性を広げてきたhaccoba。
2回目となる滋賀のミード醸造所「ANTELOPE」とのコラボでできたお酒は、1回目のコラボとは違った個性を持つ、ユニークな一本になっています。
ミード好きにも、ウイスキー好きにも、もちろん日本酒好きにもおすすめの新感覚のクラフトサケです。
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商品名:Skey Skey Honey!
酒蔵名:haccoba(福島県南相馬市)
原料:米、米麹、はちみつ、緑茶、唐花草
精米歩合:88%
アルコール度数:12%
参考価格(税込):2,860円(500ml)
ミード醸造所とのコラボから生まれたお酒
これまでにクラフトビール醸造所やコーヒースタンド、味噌屋、レストランなど様々な相手とコラボし、ユニークなお酒を生み出してきたhaccoba。今回の相手である滋賀のミード醸造所「ANTELOPE」とのコラボは、実は2回目。
筆者は毎年六本木で行われるCraft Sake Weekで昨年、1回目のコラボで誕生した「Pink(洋)」を飲んだのですが、その際は副原料に和のハーブであるアブラチャンと花わさびが使われ、清涼感あるさっぱりとした味わいでした。今回ご紹介する「Skey Skey Honey!」はウイスキー樽での熟成によって複雑味ある香りが加わるとともに、よりはちみつの甘味が感じられる濃厚な印象へと変化しました。同じコラボ相手であっても、全く違う個性のお酒ができあがるところに、いちファンとして毎回わくわくさせられます。
香りと味わいの特徴
外観は淡い琥珀色。ほのかなウッドの香りが鼻をくすぐります。
はちみつの濃厚な甘味が口一杯に広がり、かなり甘口に感じますが、続いてあらわれるマイルドな渋味が味の印象をうまく引き締め、甘ったるくなり過ぎるのを防いでいます。渋味にはウイスキー樽由来のほかに緑茶由来のものも感じられ、重層的な印象を与えます。
後味には米の旨味とともに、和製ホップとも呼ばれる唐花草の軽やかな酸味が残り、甘味・渋味・酸味の調和が取れた味わいです。
おすすめの楽しみ方
<温度帯>
冷、常温、少し温めてなど幅広い温度で提供可能です。
<酒器>
琥珀の色合いが楽しめるとともに、ウイスキー樽熟成の香りがよく感じられる、透明のワイングラスがおすすめです。
<料理>
デザート酒として単体で、またはちょっとしたおつまみと一緒にお酒を主役にしたスタイルでの提供がおすすめ。
はちみつと合う食材である、チーズやフルーツと好相性です。濃厚な甘味と樽由来のウッド香があるため、ドライフルーツや燻製ナッツなどの凝縮感のある甘味を持つ食材やスモークした食材は、同調効果が期待できます。
Z世代酒匠ライター kanane_sake
1日配信 秋の季節酒について徹底解説!

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四季それぞれで季節酒があるなか、9月頃から「ひやおろし・秋上がり」といった秋の季節酒が続々と登場していますね。
そこで今回は改めて「秋酒」の特徴や魅力などを紐解きながら解説していきますので、酒販店や居酒屋に従事する提供者の方々は参考にしてみてください。
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【秋酒の特徴】
秋酒の由来には「秋の風物詩として江戸時代から庶民に愛されてきた『暑い夏を越えて程よく熟成された日本酒』」と言われています。
その言葉のとおり、涼しい蔵内でじっくり寝かすことで、新酒で感じられる粗っぽい角が取れ、穏やかな香りとまろやかで味わい深い味わいが特徴的です。
【「ひやおろし」と「秋上がり」の違い】
・ひやおろし
春先に搾った新酒を一度火入れした後に秋頃まで貯蔵。その後、外気温が下がってくる秋口に「冷や(常温)」のままで「卸す」ことから「ひやおろし(冷や卸し)」と呼称されています。
・秋上がり
秋を迎えることで程よく熟成されて旨味も増し、新酒の状態より酒質が向上した日本酒を指します。
要約すると、根本的な意味合いはほぼ同一でひやおろしを秋上がりと呼ぶこともあります。なので「秋上がり」は「冷やおろし」の『別称』として捉えておくと良いでしょう。
【実は3種類ある秋酒】
秋酒は出荷時期で味わいが異なるという特徴を持っています。そこで起点となる3種類をお伝えします。
・9月出荷「夏越し(なごし)酒」
まろやかな旨味はありつつも、夏酒のようなフレッシュさも残っているのが特徴。
・10月出荷「秋出し一番酒」
より熟成感が際立ち、芳醇な味わいが楽しめるお酒に仕上がっている。また香味バランスや旨味のノリ方は3種類のなかで一番優れているのも特徴です。
・11月出荷「晩秋旨酒(ばんしゅううまざけ)」
味わいは完熟系となり、種類によってはやや黄金色を帯びているものもあります。
楽しみ方としては燗酒にして、鍋料理や濃厚なチーズ系と合わせる方法があります。
【秋酒の美味しい飲み方】
・冷酒
スッキリとした口あたりで繊細な香味が際立ちますので、生酒ならではのフレッシュな味わいを楽しみたいときにオススメです。
辛口タイプであればオン・ザ・ロックでの楽しみ方もできますよ。
・ぬる燗
熟成されたコク深い味わいを明確に堪能するなら、約40℃のぬる燗がベストな温度帯です。
・ペアリング
秋刀魚や秋鮭の焼き物や椎茸や舞茸などを使った「きのこのマリネ」、秋野菜の天ぷらなど秋の味覚とは好相性。
秋酒は熟成味ある酒質なので、同じテイストの料理と合わせるペアリング方法もあります。
例として里芋の煮物や秋茄子の肉詰めなどがベストマッチするでしょう。
h2:土佐酒のオススメ秋酒
全国各蔵から美味しい秋酒が登場しておりますが、今回は私が在住する高知県の日本酒からオススメの秋酒をご紹介します。
・美丈夫 純米吟醸 秋酒(浜川商店)
満月をバックに躍動する猫がデザインされた「たまラベル」がモチーフとなった1本。
口あたりはきめ細かく爽やかな柑橘系のような吟醸香が感じられます。口に含むとしっかりとしたお米の旨味と柔らかな酸味がゆっくり広がるようなお酒に仕上がっています。
・文佳人リズール 純米吟醸秋あがり(アリサワ酒造)
無濾過・氷温貯蔵というこだわりが詰まったアリサワ酒造の秋あがりは絶品。
精米50%に仕上げ、槽搾りで丹精込めて造られたお酒は品のあるフルーティーな香りと落ち着きのある熟成感が楽しめます。
秋刀魚や山菜の炒め料理と共に冷酒で合わせるのが◎
【秋酒の魅力を伝える重要性】
今回は「ひやおろし・秋あがり」の魅力からオススメの飲み方などについて解説してきました。
夏の余韻が残る初秋には冷酒で涼を感じ、秋めかしい空気が流れてきたらぬる燗を仕込んだりと温度帯で楽しむ。秋の味覚と共にペアリングを堪能する。秋らしさを取り入れたラベルから季節感を感じ取るなど、秋酒の楽しみ方は様々です!
ぜひ秋酒の魅力をひとりでも多くの消費者に発信していきましょう!
高知県在住唎酒師 日本酒フォトライター 谷口 廉
| 2025年9月 |
24日配信 【今週オススメの一本】熟成された味わいと良質なキレが心地よい「酔鯨 高育 純米大吟醸秋あがり」

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今回は秋の味覚をより美味しく楽しめる日本酒として、土佐酒の秋酒ラインナップでも人気が強い酔鯨酒造の「酔鯨 高育 純米大吟醸秋あがり」についてご紹介していきます。
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【特徴】
1.「高育」について
酔鯨酒造では主力商品のひとつとして、高知県産の酒造好適米「吟の夢」で醸し、柑橘系のような爽やかな酸感と柔らかい吟醸香が特徴的な純米吟醸酒「高育54号」があります。
今回の紹介酒に関しては「高育54号」の特徴を残しつつ、県産酵母「A-41」と仕込み方法に「大吟醸造り」を用いたことで、味に深みを帯びた上品な風味に仕上がっています。
2.香味
・香り:バナナのような甘めな吟醸香を含んでいながらも、口に入るときは少し落ち着きを帯び、味わいの妨げにはならない香り立ちの良さがあります。
・味:なめらかなテクスチャーから酔鯨らしいシャープな酸味が感じられ、中盤から口の中でまろやかな旨味がジワーっと広がります。
終盤はスッキリと軽快なキレで締めてくれるので、食中酒として重宝したくなる1本です。
【ペアリング】
10月はあさりや鮭、蓮根に柿などが旬食材として登場してきますので、これらを活かしたペアリンググルメをご提案します。
・あさりの酒蒸し
簡単な調理方法で日本酒の肴としても大活躍な一品。
あさりの風味を感じながら飲む「酔鯨 高育 純米大吟醸 秋あがり」は格別です。
また、余った煮汁で調理したパスタや炊き込みご飯もペアリンググルメとして楽しめますよ。
・柿と牛肉の昆布出汁炒め
秋の果物としてそのまま食べるのが一般的な柿ですが、炒め物にしても美味しいです!
柿の甘味と牛肉の旨味が相性良く、塩昆布を用いることで味にアクセントもプラスされます。
下処理などは無く、醤油や料理酒など調味料を入れて炒めるだけなので、料理が苦手な人でも挑戦しやすい一品です。
・筑前煮
蓮根や椎茸、ごぼうなど秋の味覚をたっぷり味わえる煮物料理はペアリンググルメとして◎
コクのある醤油出汁との味のハーモニーを堪能するなら、冷酒やぬる燗で合わせるのがオススメです!
【まとめ】
本記事でご紹介した「酔鯨 高育 純米大吟醸 秋あがり」の発売時期は例年9月下旬~となっております。
酸味と旨味のバランスが優れた食中酒ですので、様々な秋の味覚と合わせながらお客様にペアリングを提案してみてはいかがでしょう。
特徴は香味だけに留まらず、紅葉と鯨の尾で彩られた秋限定ラベルも魅力のひとつなので、酒販店などに並んでいればお客様の目を惹くきっかけになるはずなので是非!
日本酒情報
・商品名:酔鯨 高育 純米大吟醸秋あがり
・種類:純米大吟醸
・酒蔵:酔鯨酒造
・アルコール度:16度
・日本酒度:+6
高知県在住唎酒師 日本酒フォトライター 谷口 廉
17日配信 今週おすすめの1本は、「秋鹿 生もと 上村大町 雄町 無濾過生原酒」。

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こちらの秋鹿酒造は土造り・米造りから酒造りまで一貫して手掛け、純米酒にこだわる酒造。
その中でも「へのへのもへじ」ラベルは、自営田で無農薬栽培された特別限定酒。
今回はそんなシリーズから、雄町を使用した5年熟成酒をご紹介する。
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<テイスティングコメント>
外観:やや黄色がかっている。
香り:干ししいたけ、ナッツ、オーク、カカオのような香りが広がる。
米の香りもほんのりと感じることが出来る。
味わい:やわらかい口当たりで、カラメルのような苦味、カカオのような深みのある味、杏のようなシャープな酸味を感じる。
非常に多彩で複雑だが、上品で落ち着いた味わい。
余韻も長く楽しめる。
熟酒(熟成タイプ)に該当。
提供温度は10℃前後の花冷えが適している。
<ペアリングについて>
しっかりとした味わいでありながらバランスが良く飲みやすさもあるので主張の強い料理と合わせても相乗効果を生むことが出来る。
ただし、場合によっては食材の臭みが強調されてしまう時があるので注意する。
<具体的なペアリング>
・きのこ餃子
…シメジ、シイタケ、マイタケなどお好みのきのこと豚ひき肉、キャベツで作る餃子。
味付けにはオイスターソースを使用すると良い。
きのこの香りと日本酒の多彩な香りがマッチし、口いっぱいに秋を感じることが出来るペアリング。
・さんまの蒲焼
…大名おろしにしたさんまを醤油、酒、みりん、上白糖で蒲焼にする。
アクセントに山椒の粉を振って食べるとより良い。
旬の脂がのったさんまと蒲焼の優しい甘さが、この日本酒の複雑な味わいと合わせることでより一層引き立つペアリング。
・大学芋
…サツマイモを常温の油からじっくりと揚げ、グラニュー糖にみりんと水を入れたカラメルと合わせる。
仕上げに黒ゴマを振って完成。
さつまいものホクホク感とカラメルの香りが日本酒と良く合い、後引く味わい。
・胡麻団子
…作り方は意外と簡単で、白玉粉をやや水分を多めに生地を作り、餡を包んで表面に白ごまをまとわせる。
130度ほどの油で揚げれば完成。
餡は甘さ控えめのものを使用すると、より日本酒と合うペアリングになる。
胡麻の香りが引き立ち、日本酒の余韻をより楽しめる組み合わせ。
他の日本酒では合わせることが難しい料理とも相性の良い、今回の日本酒。
様々な料理とのペアリングにもチャレンジしてみてほしい。
また、使用されているお米の栽培方法や「へのへのもへじ」シリーズについても是非調べてみていただきたい。
<商品説明>
商品名:秋鹿 生もと 上村大町 雄町 無濾過生原酒
製造者:秋鹿酒造有限会社(大阪)
分類:生もと無濾過生原酒 5年熟成酒
原材料名:米、米こうじ
原料米:自営田雄町100%
精米歩合:60%
アルコール度数:18度
日本酒度:+9
酸度:2.7
アミノ酸度:2.7
参考価格:720㎖ 4,400円(税込)
料理人/唎酒師ライター おえの ゆかり
10日配信 Z世代酒匠がおすすめする「今週の注目の一本」はヒメノイSoa/石塚酒造(新潟)です。

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石塚酒造の中心銘柄「姫の井」を現代風にアレンジした「ヒメノイ」シリーズから誕生した”ヒメノイSoa”。
白麹由来のレモンのような酸味と、もち米四段仕込みによるコクのある甘味が特徴の、冷やしても温めても美味しい万能型の一本です。
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・商品名:ヒメノイSoa ソアおりがらみ生
・酒蔵名:石塚酒造株式会社(新潟県柏崎市)
・原料米:五百万石、もち米
・精米歩合:65%
・アルコール度数:15.5度
・参考価格(税込):1,870円(720ml)
・その他:石塚酒造の代表銘柄「姫の井」を現代に合わせてアレンジした「ヒメノイ」シリーズのお酒です。
石塚酒造について
石塚酒造は新潟県柏崎市の山間部、高柳という場所に位置する酒蔵です。特徴は、1912年(大正元年)の創業以来、もち米を使った四段仕込みの製法を守り続けていること。もち米を使うことで、コクや旨味が増した味わいになるそうです。
石塚酒造では、地元に愛される晩酌酒「姫の井」、高柳産米のみを使った「越後高柳」、氷温貯蔵庫で熟成させた「雪眠洞貯蔵」、そして中心銘柄である「姫の井」の味わいを現代に合うようアレンジした「ヒメノイ」などのシリーズを揃えています。
「ヒメノイ」は、しっかりとした味わいを持ちながらもキレのある後味を持つ「姫の井」の酒質を受けつぎつつ、19.5%と高めだったアルコール度数を16%前後まで落とすことで飲みやすく仕上げています。
レモンのような酸味を意識した「Sour」(「Soa」の前身)のほか、穏やか気分をイメージした「Calm」、香りにこだわった「Scent」、食事と一緒に楽しめる「Ishoni」といったラインナップがあります。
香りと味わいの特徴
外観は、うっすらと滓がかかったごく淡い黄色。
ライチのような上品な甘味を思わせるフルーティーな香りが立ち、口に含むと蜂蜜レモンのような優しい酸味と甘味が広がります。白麹を前面に打ち出したお酒に多い、しっかりした酸味に比べるとかなり穏やかで、白麹が初めての方にも飲みやすい印象です。
後半にはわずかな苦味を伴った芳醇な旨味が続き、飲み口は軽快ながらも全体的な印象ではボディ感のある不思議なお酒です。
「温めてホットレモネードのような味わいになるお酒を目指して造りました」とラベルにある通り、通常は冷やした方が清涼に感じられるクエン酸ですが、軽く温めることでよりレモン感が増すように感じられます。それと同時に米の旨味もさらにふくよかになり、芳醇な味わいが楽しめます。
おすすめの楽しみ方
<温度帯>
優しい甘味と酸味を引き出したい時は冷やして、しっかりとレモン感を引き出したい時は軽く温めての提供がおすすめです。
<酒器>
フルーティーな香りを引き出しつつ、うっすらと滓がかかった見た目を楽しめるワイングラスがおすすめ。
<料理>
白麹由来の柑橘系の酸味を活かすには、同じく柑橘やハーブを使ったサラダやカルパッチョがおすすめ。トマトを使った煮込み料理やパスタも酸味が同調し、好相性です。
柚子シャーベットやレモンタルトなど柑橘を使ったデザートと合わせると、軽やかな酸味と甘味がよく調和し、食後酒としても活躍できそうです。
Z世代酒匠ライター kanane_sake
3日配信 【今週オススメの一本】上品な甘さと力強い旨味が共存した1本「土佐しらぎく 美潮 純米吟醸 雄町」

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高知県芸西村にて「いつもの食卓をもっと楽しく」をコンセプトに代表銘柄「しらぎく」を醸造されている「仙頭酒造」。
今回は2014年に誕生させた第2ブランド「美潮」シリーズより、雄町米を使った純米吟醸酒についてご紹介します。
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【特徴】
1.香味
口に含むと白桃のような熟れた果実香が広がり、上品な甘さが味わえます。
味わいとしては「雄町米」ならではの力強い旨味が楽しめ、飲み終わりにかけては土佐酒特有の鋭いキレ感で締めてくれます。
2.ラベル
まるでトランプのような、ピンク色をベースカラーとした幾何学模様がデザインされた印象派なデザイン。
このような個性的デザインが仙頭酒造のお酒で施されているのは「美潮シリーズ」の3種類のみ。酒販店や居酒屋の陳列棚に並んでいれば、話題性を自ずと惹くことは間違い無いでしょう。
3. 第2ブランド「美潮」への想い
仙頭酒造が醸造する第2ブランド「美潮」にはお酒を『育てる』という表現をされており、「造る」「仕込む」「醸す」という一方的なのものではなく、高みを目指して互いに成長するという意味合いが込められているとのことです。
【ペアリング】
品のある甘さと呑み応えのある旨味、スッとキレる淡麗さを備えた「美潮 純米吟醸 雄町」には、味わい濃厚なチーズ系の料理や茶碗蒸しが合うほか、個人的にはスペイン料理などもオススメ。
また、9月には鮭や椎茸、かぼちゃなどが美味しくなる頃合いですので、旬食材を使ったペアリンググルメをご提案します。
・生ハムとクリームチーズのかぼちゃコロッケ
マッシュしたかぼちゃにクリームチーズと加えて、
濃厚な旨味をプラスした一品。
生ハムも具材として加えるので塩味がアクセントとなり、紹介酒との相性も◎
・椎茸のチーズ&肉詰め
椎茸の香ばしい風味と照り焼きダレのコク旨な味わいが
堪能できる酒の肴的レシピ。紹介酒とは風味の同調効果、口の中に残った油分を流してくれるウォッシュ効果が期待できるでしょう。
・桃のパンナコッタ
桃を程よく食感が残る程度に刻んで入れたパンナコッタは
上品な甘さが楽しめます。
紹介酒も桃を彷彿させるフレッシュな果実香が感じられるので、
品のあるペアリングが堪能できるでしょう。
※桃は変色する恐れがあるため、レモン汁を加えることで変色劣化を防げます。
【まとめ】
今回は仙頭酒造より「美潮 純米吟醸 雄町」についてご紹介しました。
雄町米が持つ力強い旨味感に高知県産の水&酵母が加わったことで、蜜のような甘さと後味キレる淡麗辛口テイストが特徴的な一本でした。
仙頭酒造の特徴的な酒質「フレッシュ&ジューシー」が十二分に体感することもできますので、取り入れる機会がありましたらお客様にご提案してみてください。
・日本酒情報
・商品名:美潮 純米吟醸 雄町
・種類:純米吟醸酒
・酒蔵:仙頭酒造
・アルコール度:15~16度
・精米歩合:50%
高知県在住唎酒師 日本酒フォトライター 谷口 廉
| 2025年8月 |
27日配信 酒器で変わる日本酒の楽しみ方

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日本酒を楽しむために必要不可欠とされるのが「酒器」。
形状や材質など種類は様々にあり、選ぶ酒器によって香りや味わい、口あたりの感じ方が異なるという魅力を持っています。
そこで今回は酒器の種類から特徴、楽しむ日本酒に合わせた酒器の選び方などについて解説していきます。
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【酒器の種類】
まずは酒器の種類と特徴について解説していきます。
① お猪口:一般的な酒器
一度に入る量が少ないので、時間経過による温度や味わいの変化が起こる前に飲み切れるため、冷酒や燗酒を飲む際に良く使われています。
② ワイングラス:香りを楽しむ
ストレート型や口が広いタイプなど形状は様々ですが、底が少し広く飲み口に向かってすぼまっていく「万能型」と称されるグラスが一般的です。
特徴として注ぐことで香りは上に向かって循環するため、華やかな香りを感じることができ、「うすはり」と呼ばれる材質が極めて薄いグラスであれば、より繊細に香味を堪能することができます。
③ ぐい呑み:温度変化を楽しむ
お猪口よりも深さがある酒器。
温度変化で異なる口あたりや味わいをゆっくり時間をかけて楽しむ燗酒向きです。
【酒器の選び方】
続いては提供する日本酒に合わせた適切な酒器の選び方について解説します。
①ガラス製
・適切な温度帯:冷酒
・推奨の日本酒タイプ:スッキリと喉越しを楽しむ爽酒や香り華やかな薫酒、スパークリング酒など。
・特徴:日本酒特有の香りを鮮明に楽しむことができ、唎酒にも多用されるワイングラスが最適とされる。夏時期は江戸切子や津軽びいどろ製の酒器を用いれば、視覚から涼しさを感じることもできる。
②陶磁器
・適切な温度帯:常温~燗酒
・推奨の日本酒タイプ:醇酒や熟酒系
・特徴:陶磁器製の酒器は厚みがあるため、口あたりをまろやかに感じさせる効果があります。
そのため、コクのある旨味や甘味を兼ね備えた日本酒が相性良いです。また、熱伝導率も他の酒器に比べ低いため、燗酒での提供時は陶磁器が好ましいでしょう。
③木製
・適切な温度帯:冷酒~常温
・推奨の日本酒タイプ:爽酒系
・特徴:主に「升」が該当され、言葉の響きとして「増す」「益す」と同じことから縁起が良いとされ、お祝い事や振る舞い酒に用いられることが多いです。
スギやヒノキで作られた升で日本酒を飲むと、木の香りがほのかに感じられ、日本酒の旨味も引き立つといった特徴があります。
提供方法は、升より少し高さのあるガラス製の酒器を枡の中に入れ、升すり切れまで日本酒を注ぐ。そうするとたっぷりと日本酒が飲めるのでお客様も非常に喜ぶことでしょう。
【まとめ】
今回は酒器について解説しました。
爽酒や熟酒といったタイプ別や温度帯など日本酒の提供方法に合わせて、最良な酒器を提案することは、消費者に日本酒を美味しく楽しんでもらうためには大切なことです。
また、鮮やかなデザインや柄が施された酒器を用いて季節感を取り入れるのも、日本酒を提供するセールスプロモーションとしては有力でしょう。
ぜひ日本酒を一番美味しい状態で提案してあげてください。
高知県在住唎酒師 日本酒フォトライター 谷口 廉
20日配信 Z世代酒匠がおすすめする「今週の注目の一本」はゆきのまゆ 純米大吟醸 山田錦 生酒/苗場酒造(新潟)です

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日本有数の豪雪地帯、新潟県津南町に位置する苗場酒造。
酒蔵を代表する人気銘柄「醸す森」をリブランディングした「ゆきのまゆ」は、フレッシュで濃密な甘味を持ち、日本酒ビギナー層への提供におすすめ。
“一段仕込み”という珍しい製法で造られているため、日本酒愛好家層の関心も惹くことができる一本です。
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・商品名:ゆきのまゆ 純米大吟醸 山田錦 生酒
・酒蔵名:苗場酒造株式会社(新潟県津南町)
・原料米:山田錦
・精米歩合:40%
・アルコール度数:14度
・参考価格(税込):3,300円(720ml)
・その他:苗場酒造の人気ブランド「醸す森」が2024年10月にリブランディングし、新たな名前とラベルデザインで発売されたのが「ゆきのまゆ」です。
酒蔵について
苗場酒造は日本百名山の一つでもある苗場山の麓、新潟県津南町にあります。
津南町は日本有数の豪雪地帯として知られており、多い時には3m以上の雪が積もることも。人気銘柄「醸す森」をリブランディングした「ゆきのまゆ」は、川の中の石に雪が降り積もり繭のように見える「雪繭」という現象に着想を得て名付けられたそうです。
苗場酒造では、一段仕込みで造られた濃密な甘味が特徴の「ゆきのまゆ」の他、地元で長く愛されている「苗場山」、一段仕込みと三段仕込みのいいとこ取りをした「深然(みぜん)」、さらには“苗”の漢字が似ていることから“猫”をボトルにあしらった「猫場山(ニャエバサン)」という遊び心溢れるものまで、様々な銘柄が販売されています。
香りと味わいの特徴
外観はほんのり淡い黄色。
白桃やライチを思わせる濃厚でフルーティーな香りが広がり、強い印象を残します。
口に含むと、まずは蜂蜜のような濃密な甘味が広がり、青りんごのようなジューシーな酸味が続きます。最後に、レモンやライムの皮を思わせる軽快な苦味が余韻を残します。
しっかりとした濃密な甘味が最大の特徴で、貴醸酒にも近い印象を受けます。ただ、黒蜜やドライフルーツのような熟成した凝縮感のある甘味ではなく、蜂蜜や生のフルーツのようなフレッシュでジューシーな甘味です。
おすすめの楽しみ方
<温度帯>
甘味は冷たい温度では軽やかに、温かい温度ではふくよかに感じられる特徴があります。一方で、行き過ぎると、甘味そのものを感じにくくなったり(冷)くどく感じられたり(温)するため、注意が必要です。「ゆきのまゆ」の特徴であるフレッシュかつ濃密な甘味を嫌味なく感じていただくため、15℃程度のやや冷たい温度帯での提供がおすすめです。
<酒器>
口のすぼまったワイングラスを使うことで、華やかでフルーティーな香りがダイレクトに鼻に届きます。
<料理>
香りと甘味の主張が強いため、メイン料理に合わせるよりは、食前酒として単体での提供や、食後酒としてデザートと合わせての提供がおすすめです。チョコレートとのペアリングも相性が良く、ミルキーなチョコレートとは華やかな香りが、ビターなチョコレートとは濃密な甘味が引き立つ組み合わせとなります。
Z世代酒匠ライター kanane_sake
13日配信 Z世代酒匠がおすすめする「今週の注目の一本」はCHILL GREEN SPICY&CITRUS FLAVOR/濱田酒造(鹿児島)です

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「リラックスして自分らしく楽しむ時間」をテーマにした、新感覚の爽やかハーブ系焼酎!
台湾の伝統的なスパイス「マーガオ」を加えた麦焼酎は、清涼な香りと爽やかな酸味、キレの良い苦味が特徴的。
割り方によって大きく変わる香味の印象と、揚げ物からエスニック料理まで幅広い守備範囲が魅力的な一本です
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・商品名:CHILL GREEN SPICY&CITRUS FLAVOR
・酒蔵名:濱田酒造株式会社(鹿児島県いちき串木野市)
・原料:麦、麦麹、マーガオ
・アルコール度数:25度
・参考価格(税込):1,419円(720ml)
・その他:「CHILL GREEN SPICY&CITRUS FLAVOR」は発酵中の醪にスパイスの一種であるマーガオを加えた麦焼酎です。濱田酒造ではホップを加えた「BITTER&TROPICAL」とともに、“ボタニカル系麦焼酎”としてCHILL GREENシリーズを展開しています。
濱田酒造の3つの蔵について
濱田酒造は鹿児島県西部、東シナ海に面したいちき串木野市で1868年(明治元年)に創業した焼酎蔵です。濱田酒造には、それぞれに理念を持つ3つの蔵があります。
一つめは「伝統の伝兵衛蔵」。昔ながらの手づくりの焼酎蔵として、木桶蒸留器や甕仕込みといった伝統的な手法を守り続けています。見学コースでは昔の焼酎づくりの道具を集めたミュージアムを見ることができます。
二つめは「革新の傳藏院蔵」。最新鋭の設備を導入し、杜氏の経験値を数値化してコンピューターで管理しています。以前のコラムで紹介した「DAIYAME」や今回取り上げる「CHILL GREEN」はこの蔵で製造されています。
そして三つめは「継承の金山蔵」です。かつて薩摩藩の繁栄に貢献した串木野金山の中にあり、年間を通して気温が一定という坑道の強みを生かして仕込み・貯蔵を行っています。また3つの蔵の中で唯一、清酒「薩州正宗」を製造しています。
香りと味わいの特徴
外観は無色透明。
レモングラス、ライムの皮、ペパーミントの爽やかな苦味やぴりっとした山椒の辛味を連想させる、清涼な香りが特徴的です。
味わいは麦焼酎らしくすっきりと軽快で、わずかにライムの酸味を思わせます。余韻はシンプルで、キレの良いアルコールの苦味が感じられます。
おすすめの楽しみ方
<割り方>
氷をたっぷり入れたオンザロックまたは、焼酎1:炭酸水2の割合のソーダ割がおすすめです。オンザロックでは柑橘類やハーブを思わせる香りで、余韻には軽やかな苦味が感じられます。ソーダ割にすると苦味がほとんど感じられず、まるでラムネのような香味へと大きく印象が変わります。割り方による焼酎の香味の変化をお客様に実感してもらうデモンストレーションにも最適な一本です。
<料理>
ソーダ割にした時の、清涼感ある香りと炭酸の刺激は、揚げ物や味の濃い料理の油分を爽やかに洗い流す「ウォッシュ&リセット効果」が期待でき、唐揚げや焼き鳥とぴったり。ハーブや香辛料を多用したエスニック料理とも香味が近いため、好相性が期待できます。
Z世代酒匠ライター kanane_sake
6日配信 Z世代酒匠がおすすめする「今週の注目の一本」は蔵の師魂 The Green/小正醸造(鹿児島)です
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ソーヴィニョン・ブランから分離したワイン酵母を使った芋焼酎は、まさに白ワインのような軽やかな酸味とハーバル感が特徴。
まだまだ蒸し暑さが続く時期に、氷をひとつ落として、または炭酸で割ってすっきり爽やかな味わいが楽しめる一本です。
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商品紹介
・商品名:蔵の師魂 The Green
・酒蔵名:小正醸造株式会社(鹿児島県日置市)
・原料:さつま芋(黄金千貫)、米麹(鹿児島産米)
・参考価格(税込):1,705円(720ml)
「蔵の師魂」シリーズについて
大型仕込みの本蔵とは別に、手作りにこだわった「師魂蔵」で造られる焼酎のシリーズです。「薩摩に伝わる伝統的な焼酎造りを後世に」という想いから1999年に始まった師魂蔵。
極力、機械やタンクに頼らない仕込みを目指しており、麹づくりやもろみの攪拌は手作業で行っているそう。また、鹿児島でも数蔵しか使用していない木樽による蒸留や、素焼きのかめ壺での貯蔵も行っています。
数種類の芋焼酎をブレンドした「蔵の師魂 翔-はばたき-」、原料・麹ともに芋でそろえた「蔵の師魂いもいも」、そしてワイン酵母を使用した「蔵の師魂 The Green/ The Pink」などのラインナップがあります。
The Pinkが赤ワイン仕込みの酵母を使っているのに対して、The Greenは白ワインに使われるぶどう品種「ソーヴィニョン・ブラン」から分離した酵母が使われています。
香りと味わいの特徴
外観は無色透明。バナナのような甘く芳醇な香りが広がります。
口に含むとまさに白ワインのような軽やかで、柑橘を思わせる酸味が印象的です。なめらかな口当たりで喉を通ったあとにはレモングラスやグレープフルーツの皮のようなすっきりとした苦味と、青々とした植物を思わせる爽やかな風味が舌に残ります。
おすすめの楽しみ方
<割り方>
大きめの氷をひとつ落としたロック、または焼酎1:炭酸水2の割合のソーダ割がおすすめ。ロックの場合は余韻に残る爽やかな苦味が、ソーダ割の場合は口に含んですぐに表れる軽やかな酸味がよく感じられるようになります。
<合わせる料理>
柑橘を思わせる軽やかな風味があるため、ハーブや果実を使用したサラダの他、シーフードマリネ、ヒラメの白ワイン蒸しなどの淡泊な味付けの魚料理がおすすめです。
Z世代酒匠ライター kanane_sake
| 2025年7月 |
30日配信 【今週オススメの1本】土佐鶴から誕生したニュースタイルの普通酒!「香りレギュラー」

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高知県内で創業250年を超える酒蔵「土佐鶴酒造」より、2025年4月18日に新商品「香りレギュラー」が誕生しました!
今回は商品誕生の背景や香味に関する特徴、オススメペアリングなどを解説しながら、「香りレギュラー」の魅力をご紹介していきます。
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【誕生の背景】
本商品「香りレギュラー」のコンセプトは「毎日がハレの日」。
『良い日があれば、そうでなかった日もあるかと思います。そんな日常の中で少しだけ幸せをそばで感じられる瞬間を提供したい』
そんな小さな喜びを大切にする気持ちが込められているそうです。
【特徴】
1.香り
土佐鶴のお酒といえば鮮魚料理とマッチする「淡麗辛口」が特徴的でしたが、今作の「香りレギュラー」は従来の普通酒には無かった、
グラスに注ぐと感じられる華やかな香りが最大のポイントです。
ワイングラスに注ぐことで、リンゴや洋梨のような瑞々しく華やかな香り高さを体感することができます。口に含むと柔らかい旨味が広がり、飲み終わりにかけては軽やかな酸味でスッと流れていくため、飲み疲れもしない。
結果的に毎日の食卓に華をそえる存在として、
女性好みなテイストに仕上がっています。
2.ラベル
従来の「土佐鶴」と印字されたクラシックデザインのラベルとは違い、
個性あふれるモダン的デザインとなっています。
大きくイラストされたシンボルは「香」を表しているそうで、
見方によっては花やお猪口の蛇の目柄にも見えたりします。
また、色合いは白背景に深い青を基調としており、上質で落ち着いた雰囲気を醸し出していますので、お店での提供時にお客様にラベルを見せてあげると
目を惹くこと間違いなしでしょう。
【ペアリング】
今回は夏の旬食材を使った、暑さを払拭できるペアリンググルメを
提案させていただきます。
・オクラ餡のせ冷やし茶碗蒸し
オクラとほぐした蟹の身を加えることで旨味たっぷり。冷製なので暑い日でもサッパリと楽しむことができ、「香りレギュラー」の華やかな香りを足すことで素敵なペアリングが完成するでしょう。
・タコとトマトのマリネ
食べ応え良いタコにお酢とトマトの酸味が合わさった一品はおつまみとして最適。大葉を加えることで爽やかな香りがプラスされ、
「香りレギュラー」が持つ華やかな香りとの同調効果も見込めます。
そのほかハーブや柑橘系を用いた前菜や優しい味わいの和食が
合わせやすいでしょう。また「香りレギュラー」は食前酒としても
楽しめるので、スイーツとも相性良好。ぜひ試してみてください。
・夏野菜のカポナータ
トマトやナス、ズッキーニなどたっぷりの夏野菜を炒め煮した一品。味付けはオリーブオイル、赤ワインビネガー、砂糖を用いて甘酸っぱい味わいに
仕上がり、紹介酒とのバランスも良好です。
【まとめ】
今回は土佐鶴酒造の新商品「香りレギュラー」についてご紹介しました。
香り高さと軽快な後味が心地よく、パッケージは洗練された上質なデザインが特徴的でした。
販売サイズは300ml、720ml、900ml、1.8Lの4種類あり、900mlと1.8Lは紙パックなので長期保存も可能。
「香りレギュラー」を食卓に添えて、香りで彩る特別な毎日を過ごしてみてはいかがでしょう。
【日本酒情報】
商品名:香りレギュラー
種類:普通酒
酒蔵:土佐鶴酒造
アルコール度:12度
精米歩合:70%
日本酒度:+4
高知県在住唎酒師 日本酒フォトライター 谷口 廉
23日配信 美味しい夏酒で納涼を楽しもう!

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毎年、本格的な夏の訪れに合わせて発売されている「夏酒」。
そこで今回は夏酒の特徴や相性の良いペアリンググルメを解説。
さらに私が在住する高知県の日本酒からオススメの夏酒も合わせてご紹介していきます。
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【夏酒の特徴】
毎年5月後半から「夏酒」と称される日本酒が続々と登場しております。
まずは夏酒の特徴について解説していきます。
1.清涼感あるラベルやボトルデザイン
夏をイメージした目を惹くビジュアルで彩られており、ラベルデザインには海や花火、金魚といった夏の風物詩から、ペンギンや白熊、イルカといった夏の生物が描かれていたりと様々です。
ボトルにも夏らしさがあり青や水色、緑色といった寒色系が多いほか、透き通った透明ボトルも採用されています。
2.フレッシュで爽やかな香味が楽しめる
夏酒のテイストは軽快なテクスチャーで爽やかな酸味が効き、サラッと流れる後味が楽しめる。まるで暑い夏を吹き飛ばすような、清々しい香味感を含んだ日本酒が多い傾向にあります。
細分化すると以下のような種類があります。
・フレッシュな味わいが堪能できる「生酒」
暑い夏に楽しむ生酒は別格!瑞々しく、柑橘系の爽やかな香味感が楽しめるものが多い傾向にあります。
・力強い旨味が魅力的な「原酒」
アルコール度数が高い原酒の夏らしい飲み方として推奨されているのが「オン・ザ・ロック」です。
氷の溶け具合で徐々にアルコール感は柔らかくなり、時間経過で感じられる旨味や口あたりの変化を楽しむことができます。
・喉越しの爽快感が心地よい「にごり酒」
夏のにごり酒はシュワっと感が楽しめる微発泡テイストで、日本酒ビギナーでも気軽に呑めてしまう後味のスッキリさが特徴的。
【夏酒に合うペアリンググルメ】
猛暑が続く夏時期だからこそサッパリ系やパンチの効いたスタミナ系料理、夏野菜を取り入れた料理は相性良好!
いくつか料理案をまとめましたので、参考にしてみてください。
・サーモンのマリネ
・白身魚のカルパッチョ
・夏野菜のペペロンチーノ炒め
・ナスと豚バラの辛味噌炒め
・夏野菜カレー
・ズッキーニととうもろこしのピリ辛バター炒め
【今夏オススメの土佐酒】
土佐酒といえば特出した淡麗辛口テイスト!夏酒となればより土佐酒の個性が際立つものとなり、抜群な爽快感が魅力的です!
オススメの夏酒をピックアップしましたので、ぜひ楽しんでみてください。
・文佳人 夏純吟 生酒
ラベルには夏を盛り上げる可愛いオバケがプリントされています。
口あたり優しく、呑まれた人のほとんどが「ラムネみたい!」と思うほど爽やかな吟醸香とスッキリテイストが魅力!
同銘柄の造り違いで販売されている「うすにごり」は少量生産で即完の人気商品なので、巡り合う機会があればお試しあれ。
・美丈夫 純米吟醸 夏酒
ラベルは鮮やかな金魚が描かれた和テイストなデザインが施されています。
香りはパイナップルを彷彿させるトロピカル系で、米の旨味と酸味が綺麗に調和しており飲み心地◎
温度帯として、香味の幅がふくよかに広がる約10℃の冷やがオススメです。
・安芸虎 純米吟醸 夏純吟(生酒)
ラベルは夏の風物詩である花火が虹色で描かれており、中心には銘柄名にも入っている「虎」が彩られた鮮やかなデザイン。
こちらは高知県酒造好適米「土佐麗」が使われており、バナナやグレープフルーツのようなフルーティーな吟醸香としっかりとした旨味が楽しめます。
飲み終わりにかけては綺麗な酸感でスッとキレるので、食中酒としても合わせやすい1本です。
【夏酒をより楽しんでもらうための工夫】
消費者に対して、清涼感のある日本酒や夏食材を活かした料理で納涼を楽しんでもらうのはもちろんのこと、ひと工夫として涼しげある雰囲気を演出することもセールスプロモーションをとして重要です。
・店内装飾に新緑の葉物や竹すだれ、風鈴などを用いる
・涼しげな器や酒器などで提供
・店頭に打ち水をしておく
・商品POPに青や緑、夏の風物詩を描いたイラストを施す
夏酒を消費者に楽しんでもらうアイデアは色々とあるはずなので、ぜひ実践してみてください。
【まとめ】
今回は夏酒について解説してきました。
明確な定義自体はありませんが、爽やかでフレッシュな香味感が特徴にあり、種類によってはロックや炭酸割り、ビール割りとして楽しめる。さらに夏らしいラベルやボトルデザインで視覚的に楽しんだりと「夏酒」の特徴は様々です。
まだまだ今夏は暑い日が続きますので、消費者に納涼を楽しんでもらうために夏酒を色んな方法で提案してみてください。
高知県在住唎酒師 日本酒フォトライター 谷口 廉
16日配信 Z世代酒匠がおすすめする「今週の注目の一本」はじゃがいも焼酎ぽてちゅう・沖縄北大東/久米仙酒造(沖縄)です。

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沖縄最東端に位置する小さな島、北大東島。
規格外となった特産品のじゃがいもを活かすために作られたのは、2種類のじゃがいも焼酎でした。
花のような柔らかな香りとさらりとした飲み口の「ぽてちゅう」。スモーキーで厚みある味わいの「沖縄北大東」。
飲み比べでの提供は島旅気分を盛り上げてくれることでしょう。
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・酒蔵名:久米仙酒造株式会社(沖縄県那覇市)
・原料:じゃがいも(北大東島産)、米麹(タイ産米)
・参考価格(税込):1,408円(900ml)
・その他:北大東島産のニシユタカというじゃがいもを原料に使用しています。「沖縄北大東」は「ぽてちゅう」の樽仕込みバージョンです。
北大東島について
北大東島は、沖縄本島から東に約360km離れた場所に位置する、人口約600人の小さな島です。周囲を断崖絶壁に囲まれたこの島は、「うふあがり島(はるか東にある島)」として古くから琉球王国の人々の間で知られていました。明治36年(1903年)に開拓が始まり、燐鉱の採掘やサトウキビの栽培が行われてきたそうです。
北大東島では、台風や干ばつの被害に左右されやすいサトウキビ以外の収入を確保することを目的として、サトウキビの輪作(同一耕地で異なる作物を育てること)にじゃがいもが組み込まれています。10~12月にかけて植え付けがされ、2~3月に収穫を迎えます。北大東島の特産品であるじゃがいもを使って作られたのが、今回ご紹介するじゃがいも焼酎です。
香りと味わいの特徴
ぽてちゅう
外観は無色透明。レンゲやすみれの花のような柔らかな香りがあります。口に含むと、米麹由来のふくよかな旨味が広がり、その奥にじゃがいもならではのでんぷん質を想起する味わいが感じられます。続いて、なめらかで角のない苦味が表れますが余韻は短く、さらりとした印象です。
沖縄北大東
外観はやや淡い黄色。ぽてちゅうよりも香りが濃く、ウイスキーのような木樽由来の渋みを思わせる香りに、わずかに黒糖のような甘い香りも混ざります。
口に含んだ時の印象も、黒糖や黒蜜、ざらめのような濃密で少し焦がした甘味を思わせます。アルコール由来の厚みのある苦味が余韻に残り、ボディ感のある味わいです。
おすすめの楽しみ方
<酒器>
琉球王国時代から続く泡盛文化がある沖縄では、カラカラやちぶぐゎー、嘉瓶(ゆしびん)、抱瓶(だちびん)など、泡盛用の伝統的な酒器が多くあります。今回ご紹介するのは泡盛ではなく本格焼酎ですが、こういった古来から大切に受け継がれた酒器が楽しめる場合は、是非試していただきたいです。
<合わせる料理>
すっきりしたタイプの「ぽてちゅう」は天ぷらや冷奴、刺身などの素材の味を活かしたシンプルな調理法の料理がおすすめです。
スモーキーなタイプの「北大東島」は熟成チーズやドライフルーツ、いぶりがっこなど凝縮感のある素材と高相性でしょう。また、濃密な甘味を思わせる要素があるので、ビターチョコレートのようなコクのある苦味を持った食品もおすすめです。
Z世代酒匠ライター kanane_sake
9日配信 【今週のコラム】アメリカの日本酒販売状況@現地系・日系小売店

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先日、アメリカのサンフランシスコとロサンゼルスに行く機会があり、現地の小売店で日本酒の取り扱い状況を視察しました。
アメリカの日本酒販売状況のレポートの第三回として、日本酒専門店を取り上げた第一・第二回とは変わって、現地のスーパーマーケットやワインショップを取り上げます。尚、本レポートはトランプ関税が発動する以前のものになります。
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サンフランシスコで初めに訪れたのは「Whole Foods Market(ホールフーズ・マーケット)」。オーガニック食品を中心に販売する、高級路線の現地系大手スーパーマーケットです。
日本酒として統一されたカテゴリの棚はなく、ワインの品揃えの延長に、梅酒やその他のリキュールと一緒に約10銘柄が常温で陳列されていました。
この中で気になったのは塩川酒造(新潟)のCOWBOY YAMAHAI。実は第一回・第二回のレポートで取り上げたUmami MartとTrue Sakeのどちらでも取り扱われていました。今回、白鶴酒造や米国宝酒造など、大手酒蔵の商品に混じって現地系スーパーマーケットでも販売されていたのを目にして、アメリカ市場へしっかりと浸透していることが伺われました。
それもそのはず、COWBOY YAMAHAIはアメリカで人気のステーキに合う日本酒として開発され、第二回で取り上げたサンフランシスコの日本酒専門店True Sakeのオーナーが名付け親になったそうです。こってりした肉料理に合うように設計された酒質だけでなく、消費者が一目見てペアリングが理解できるよう牛のシルエットが大きく描かれたボトルデザインにも、現地の市場ニーズに合わせて商品開発がされたということがよく表れているように感じました。
COWBOY YAMAHAIのようにアメリカ市場にうまく入り込んだ商品がある一方で、日本酒全体で見ると、ワインに比べて割かれている棚のスペースはごく僅か。他の現地系スーパーマーケット「Trader Joe’s(トレーダー・ジョーズ)」では一本も日本酒の取り扱いがなかったこともあり、アメリカの現地系スーパーマーケットでは日本酒はまだまだ馴染みが薄い飲料であることを痛感しました。
次に訪れたのはロサンゼルスの日系スーパーマーケット「NIJIYA MARKET(ニジヤ・マーケット)」です。
日本の食品や雑貨を専門的に扱っているお店だけあり、ざっと数えただけでも販売されている銘柄は80以上。日本食好きや現地の駐在員がよく利用するスーパーマーケットということで、現地系スーパーマーケットとは違って様々な酒質、価格帯の日本酒の需要がある印象でした。
最後に訪れたのはロサンゼルスのワインショップ「FLASK&FIELD(フラスク・アンド・フィールド)」です。
ワインや雑貨がメインの商品ですが、スピリッツが並べられた常温の棚の一角で約10銘柄が販売されていました。各銘柄には、手書きのテイスティングノートのタグが付けられており、香りや味わいの特徴の他にペアリングのおすすめが記載されています。数は少ないものの1本1本を丁寧に売ろうとしている姿勢が感じられた一方で、蒸留酒と同じ常温の棚の一角で販売されることにより、日本酒をよく知らない消費者には蒸留酒の一種として捉えられてしまうのではないかといった懸念も抱きました。
現地系スーパーマーケット、日系スーパーマーケット、そしてワインショップと三者三様の取り扱い状況を見ることができたとともに、消費者が「日本酒を買おう」と思って足を運ぶ日本酒専門店以外の小売店でも日本酒の販売が広がることが、市場を広げる鍵になるのではないかと感じました。
Z世代酒匠ライター kanane_sake
2日配信 【今週オススメの1本】甘さと酸味が高バランスな今夏オススメ夏酒!「琥泉 純米吟醸夏の原酒・一火」

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梅雨が明け、本格的な夏を迎えるにあたって、より夏酒を飲みたくなるのでは無いでしょうか?
そこで今回は個人的に感動した夏酒として泉酒造(兵庫県)の「琥泉 純米吟醸夏の原酒・一火」をご紹介します。
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【特徴】
1:醸造
兵庫県産米と夏酒系の自社酵母を使い、生酒の状態で一回火入れをしております。火入れすることで吟醸酵母がしっかりと生かされ、華やかな香りと爽やかな味わいが表現されています。
2:香味
香りは青リンゴを彷彿させるフレッシュな甘さがあり、口あたりも同調するかのように軽快。
口に含んでみれば優しく広がる甘味と旨味が感じられ、後味は爽快にサラッと流れる、「これぞ夏酒!」というような香味です。
【オススメポイント】
こちらはズバリ『飲み応え』にあります。
原酒ということもありアルコール度数は16度。そのためアレンジを加えても本質にあるコクある旨味と爽やかな酸味を損なわずに楽しむことができます。
飲み方として爽やかな香味感を楽しめる冷酒も良しですが、ロック氷をグラスに1つ入れてみたり、トニックウォーターや果実酒などをブレンドしてみれば、また更なる美味しさが体感できます。その点も踏まえて何杯でも楽しめる『飲み応え』がオススメポイントです。
【ペアリング】
私自身、白身魚の刺身や夏野菜の煮浸しなど食材の良さを活かしたものや、軽快な味わいが特徴的な香味野菜の冷奴がペアリングとしてオススメ!
折角なので、夏時期の旬食材を使ったペアリンググルメをいくつかご提案します。
・スナップえんどうとアスパラガスのタルタルサラダ
焼きで調理した野菜の甘味と食感にまろやかなタルタルソースをトッピングした一品。ソースにレモン汁を足せば夏酒と合わせてよりさっぱり楽しむことができるでしょう。
・豚とナスのピリ辛中華炒め
香ばしく炒めた食材に豆板醤の辛さを効かせた一品。
濃厚な料理と旨味×爽快な香味感は相性◎
・ゴーヤのナムル
おつまみ系として、ごま油やニンニクの香り高い風味とゴーヤの爽やかな苦味が合わさったナムルもオススメです。
お酒と料理、両方の良さが活きる相乗効果が期待できます。
【まとめ】
今回はオススメな夏酒「琥泉 純米吟醸夏の原酒・一火」をご紹介させていただきました。
ふわっとフルーティーな香りが広がり、旨味と酸味のバランスが絶妙ながら後味はスッと流れる、飲み応え抜群な夏酒でした。
冷酒はもちろんのこと「アレンジ」による様々な楽しみ方や夏野菜を使った料理とのペアリング度の高さを、ぜひ消費者に提供してみてください。
【日本酒情報】
・日本酒名:琥泉 純米吟醸夏の原酒・一火
・種類:純米吟醸酒
・酒蔵:泉酒造株式会社(兵庫県)
・アルコール度:16度
・精米歩合:60%
・日本酒度:-1~+1
・価格:税込1,760円(720ml)
高知県在住唎酒師 日本酒フォトライター 谷口 廉
| 2025年6月 |
25日配信 日本酒の新指標「モダン系」「クラシック系」について

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近年の日本酒業界で新しい分類として登場した「クラシック」と「モダン」。
提供者は既に把握済みかもしれませんが今回は改めてこの業界用語を聞いたことはあるけど、明確な分類の違いが分からないという消費者へ丁寧に説明できるように、細分化しながら解説していきます。
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【クラシック・モダンに分類される日本酒の特徴】
まずはクラシック・モダンに分類される日本酒について解説します。
●クラシック(語源:昔ながら、古典的)
・醸造方法:伝統的製法(生酛・山廃造り)が多い傾向。
・香味:香りは控えめで、キレの鋭さが特徴的な「淡麗辛口」や芯のある旨味があり、燗酒や常温でも美味しく楽しめる「濃醇旨口」のお酒。
・種類:本醸造系・純米酒系
●モダン(語源:現代的、近代的)
・醸造方法:伝統的製法を踏襲しつつ、現代的製法(速醸酛など)を用いられてる。
・香味:フルーティーで華やかな香りが感じられ、雑味は少なくフレッシュな味わい。低アルコールやスパークリングタイプなどもあてはまる。
・種類:吟醸系・大吟醸系
大まかには上記のように分類されますが、クラシックとモダンのなかでも「ライト・リッチ」と細分化されることもあります。
・クラシックライト:香りは控えめでキレのある淡麗辛口系
・クラシックリッチ:熟成感があり、お酒の色合いはやや琥珀色。どっしりとした旨味や酸感がある濃醇旨口系。
・モダンライト:スッキリとしたテクスチャーがあり、瑞々しい美味しさがある。
・モダンリッチ:華やかさが際立ち、ジューシーな美味しさが感じられる。
【各タイプに適した飲み方やオススメなペアリンググルメ】
続いては各タイプごとで美味しく楽しめる飲み方やペアリングについて紹介していきます。
●クラシック
・飲み方:冷酒~燗酒まで温度変化を幅広く楽しむことができる。種類にもよりますが、旨味のふくよかさを堪能したいときは燗酒がオススメ。
・ペアリングメニュー:主に和食や中華が合う傾向。お刺身やサバの味噌煮、おでんなど。
●モダン
飲み方:主に冷酒がオススメだが、果実感やジューシーさが際立つ日本酒の場合、ロックやソーダ割りでも楽しむことができる。
ペアリングメニュー主に洋食と合う傾向。タコのカルパッチョやグラタン、フルーツのカプレーゼにステーキなど。
【クラシック系が向いている人・モダン系が向いている人】
最後は2つのタイプ別で向いている人の特徴を解説します。
●クラシック:温度変化で様変わりする味わいを楽しみたい日本酒嗜好者。和食と日本酒のペアリングを堪能したい人。そして、華やかな香りやフレッシュな味わいよりも、地に足のついた深みある旨味や落ち着きを好む人にピッタリです。
●モダン:女性や日本酒ビギナー、今まで日本酒を敬遠していた人。また、モダン系日本酒は肉料理やスイーツとの相性も良いので、ワインやビールといった他のアルコール飲料をよく飲まれる人にもオススメです。
【まとめ】
今まで説明した内容を要約するとクラシック系は『伝統的な製法で造られ、キレのある淡麗辛口や温度変化を楽しめる濃醇旨口が分類され、和食と好相性』。
一方でモダン系は『伝統的製法と現代の造り方を掛け合わせることで生まれる、フルーティーな香りやフレッシュな味わいが楽しめる日本酒が分類され、洋食やスイーツとも共に楽しむことができる』という解釈です。
ぜひ、酒販店でお酒を提供するときや居酒屋で料理と共に日本酒を楽しんでもらう際の参考にしてみてください。
高知県在住唎酒師 日本酒フォトライター 谷口 廉
18日配信 アメリカの日本酒販売状況@True Sake(サンフランシスコ)

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先日、アメリカのサンフランシスコとロサンゼルスに行く機会があり、現地の小売店で日本酒の取り扱い状況を視察しました。
アメリカの日本酒販売状況のレポートとして、第一回に続き、サンフランシスコの小売店を取り上げます。尚、本レポートはトランプ関税が発動する以前のものになります。
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サンフランシスコの「True Sake(トゥルー・サケ)」は、米国初の日本酒専門の小売店として広く知られています。
また、サンフランシスコで10年以上続く大規模な日本酒イベント「Sake Day(サケ・デイ)」を主催しており、毎年多くの輸入や販売事業者、一般の消費者が来場して数々の日本酒を楽しんでいます。
True Sakeの特徴は、ボトルの首にかけられたカラフルな紐。「70% Junmai(純米)」「60% Ginjo(吟醸)」「40•50% Dai ginjo(大吟醸)」「Unique(ユニーク)」「Sparkling Nigori(スパークリングにごり)」「NAMA unpasteurised(生酒)」の6種類に色分けされており、消費者はラベルを読まなくても一目でどのスペックなのかが分かるようになっています。
また、各お酒には手作りのPOPが用意されており、酒蔵名や所在地、日本酒度、酸度といった基本的な情報が記載されています。さらにユニークなのが、オリジナルのテイスティングノートや一言でそのお酒を表す言葉、ワインやビールに例えた時のテイスト、おすすめのペアリングについても詳細に書かれていること。
AKABU『極上ノ斬』を例に取ってみると、ワインでは「深みのある赤ワイン/まろやかな白ワイン」、ビールでは「クリーミーなエールビール」と書かれていました。もう一つ、かたふね『大吟醸 斗瓶』を例に挙げると、前者では「深みのある赤ワイン/複雑さのある白ワイン」、後者では「風味豊かなベルジャンビール」とあります。
こういったワインやビールに例えた時の記載があることで、普段日本酒は飲まないがワインやビールなら飲むという消費者も、自分の好みに合ったお酒を選びやすくなります。
更に、おすすめのペアリングは米国ならではの国際色豊かな料理が並んでいました。例えば農口尚彦研究所『山廃 美山錦』では「米国流の寿司、鶏肉、パスタ、世界のスパイス」、笑四季『センセーション 白ラベル』では「ロブスター、タコス、バーガー、柑橘を添えた料理」などが提案されており、和食以外とのペアリングの可能性を大いに感じました。
次回は現地系スーパーマーケットでの様子をレポート予定です。
Z世代酒匠ライター kanane_sake
11日配信 アメリカの日本酒販売状況@Umami Mart

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先日、アメリカのサンフランシスコとロサンゼルスに行く機会があり、現地の小売店で日本酒の取り扱い状況を視察しました。
アメリカの日本酒販売状況のレポートとして、第一回はサンフランシスコの小売店を取り上げます。尚、本レポートはトランプ関税が発動し円高が進行する以前のものになり、文中では$1=¥150で計算しています。
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サンフランシスコでまず初めに訪れたのは、日本酒や焼酎の他、日本製のキッチンウェア、グラスウェアなどを扱う日本商品ショップ「Umami Mart(ウマミ・マート)」。後ほど取り上げる「True Sake(トゥルー・サケ)」と並んでサンフランシスコ近郊で日本酒を買うならここ、と言われるほど豊富な品揃えを誇ります。
壁一面の棚には「獺祭」(山口)「剣菱」(兵庫)「八海山」(新潟)などの大手酒造会社の他、「鍋島」(佐賀)、「天吹」(佐賀)、「酔鯨」(高知)、「千代むすび」(鳥取)、「紀土」(和歌山)、「天狗舞」(石川)、「雪男」(新潟)、「惣誉」(栃木)、「伯楽星」(宮城)といった全国各地の日本酒が並んでいました。驚いたのは「雨降」(神奈川)があったこと。日本でもほとんど見かけない珍しい銘柄がサンフランシスコに置かれていることにびっくりしました。
価格のボリュームゾーンは$25〜45(≒¥3,750〜¥6,750)で、「現地で日本酒を売ると日本の3倍の価格になる」と言われますが、それを実感するような価格帯でした。アメリカでお酒を販売する際は「3ティアシステム」と呼ばれる①製造者または輸入者②卸売業者③小売業者の①〜③全てが別法人でなければならないというルールがあり、輸送費に加えて中間のマージンが嵩むことが理由の一つとしてあるようです。
日本酒にはそれぞれの味わいやスペックを表すポップが貼られており、特に興味深かったのはProfile(性質)の欄。Umami(旨味)、Acidic(酸味)といった五味の要素でそのお酒に特徴的なものをピックアップする他、Juicy(ジューシー)、Fruity(フルーティー)、Balanced(バランスの取れた)といった味わいを形容する言葉やLemon curd(レモンスライス)、Fresh cheese(フレッシュチーズ)といった食品に例える言葉が書かれており、消費者がそれぞれの好みに合った日本酒を選びやすいよう工夫されています。
更には、日本では一般的なRice polishing (精米歩合)、SMV(日本酒度)、Acidity(酸度)の記載もありこういったスペックで選ぶ層も一定数いるのではないかということが伺えました。
次回は「True Sake(トゥルー・サケ)」での取り扱い状況についてレポートします。
Z世代酒匠ライター kanane_sake
4日配信 今週おすすめの1本は、「水芭蕉 PURE」。

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今回ご紹介する1本は、日本酒の製法とスパークリングワインの製法、2つの製法で生み出されたスパークリング清酒。
瓶の中で発酵させる製法(瓶内二次発酵)を行うことで、非常に滑らかな泡を含んだ日本酒。泡の心地よさ、澄んだ外観、繊細な香りが食前酒に最適で
世界中のレストランで提供されている。
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<テイスティングコメント>
外観:無色透明で発砲している。
香り:梨やりんご、ライチのようなフルーツの香りをほんのりと感じる。
味わい:口に含むと滑らかでキメの細かい泡を感じ、
すっきりとしたミネラル感の中に隠れた梨やライチのような甘味が繊細に
感じられる。飲み進めていくとお米の甘みを余韻に感じる。
爽酒(軽快で滑らかなタイプ)に該当。
酒器は、泡の抜けにくい、口の部分がすぼんでいるフルートグラスがおすすめ。
また、繊細な香りも感じられるよう、提供温度は10℃前後の花冷えが適している。
<ペアリングについて>
軽快な味わいの為、どんな料理とも合わせやすい。
ただし、繊細な日本酒の香りが打ち消されやすい為、日本酒が引き立つペアリングとなるように注意する。
<具体的なペアリング>
・ホタルイカとねぎのぬた和え
…ぬた和えとは、酢味噌和えのこと。見た目が沼田のようであることが由来。
味噌、りんご酢、上白糖、辛子を混ぜ合わせ、茹でた具材に和えれば完成。
辛子は少なめにし、レモン果汁をかけて酸味を強めにすると日本酒との相性が
より良くなる。
バランスの良いマリアージュ。
・ゼンマイと油揚げの煮物
…生のゼンマイを使用する場合は下茹でし、重曹で一晩おく。
出汁、上白糖、薄口醤油で具材を煮込み、さらに一晩おけば完成。
やや甘めに味をつけることで、日本酒の香りが引き立つペアリングとなる。
・エビのペンネサルサローザ
…サルサローザはイタリア語で「バラ色のソース」を意味する。
トマトと生クリームがベースのソースのこと。
フライパンに刻みニンニクとオリーブオイルを入れ、弱火にかける。
香りが立ったら、エビを加えて火を通す。
そこに、トマトソース、生クリーム、茹でたペンネを入れ、しっかりと絡むように
ソースを煮詰めて完成。
エビの甘みとクリーミーなソースのコクが引き立つペアリング。
・富貴豆(ふうきまめ)
…山形県発祥の青えんどう豆を甘く炊いた豆菓子。
青えんどう豆の優しい甘さが日本酒のキメ細かな泡とよく合う。
今の季節にもピッタリな、甘さと爽快感が楽しいペアリング。
この日本酒は、初夏に旬を迎える食材の多くと相性が良い為、
是非この時期ならではのペアリングを試してみて欲しい。
<商品説明>
商品名:水芭蕉 PURE
製造者:永井酒造株式会社(群馬)
分類:スパークリング清酒
原材料名:米、米こうじ
原料米:兵庫県三木市 三木・別所地区産 山田錦
精米歩合:非公開
アルコール度数:13度
参考価格:720㎖ 5,451円(税込)
360㎖ 3,031円(税込)
料理人/唎酒師ライター おえの ゆかり
| 2025年5月 |
28日配信 【今週オススメの1本】今夏オススメの季節酒! 温度変化を楽しむ「玉川 純米吟醸 Ice Breaker」

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今回は代表銘柄「玉川」を醸されている京都府の酒蔵「木下酒造有限会社」より、夏らしさ全開のボトルデザインと明確な味の変化が楽しめる純米吟醸酒「Ice Breaker(アイスブレーカー)」をご紹介します。
オススメの飲み方や一緒に合わせたいペアリンググルメなども合わせて解説していきますので、参考にしてみてください。
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【特徴】
「玉川 純米吟醸 Ice Breaker」は全体的な香味の特徴に清涼感のある爽やかな香り、口に含むとふわっと広がる柔らかな米の旨味や酸感があります。
今回の紹介酒を実際に飲み楽しむうえで知っておいた方が良いポイントを3つ解説します。
1.デザイン性
瓶は透き通った青色を採用し、ラベルには南極を歩くペンギン親子の姿が描かれた清涼感のあるデザインが採用されています。
これから暑い日が訪れる夏に向けて、見た目から涼やかさが楽しめるのも一興でしょう。
2.バリエーション豊かな味わい
紹介酒はアルコール度数が18度と高めで骨太な酒質なので、ロックや炭酸割りにしても味が薄れる心配はありません。さらに冷酒、常温、燗酒と温度別で様変わりする味わい全てにおいて「飲み応えがある」のも魅力的です。
3.長期的な品質保持
日本酒は一般的に開栓した後、一定期間が経過すると色が黄色みを帯びたり香りが鼻につく、苦味や酸味が際立つなどの「劣化」が発生してしまいます。
しかし、今回の紹介酒「Ice Breaker」に関しては保存状態にもよりますが、劣化しにくいという特徴があります。数ヶ月~数年間ほど熟成して、ゆっくりと味の変化を飲み楽しむのもオススメです。
【オススメの飲み方】
醸造元の玉川酒造が推奨する飲み方:「ロック」
氷の溶け具合に合わせて温度やアルコール度数は徐々に変化していき、それに伴って何パターンにも変化する味わいを楽しめる面白さがあるので、ぜひ体感してみてください。
私が推奨する飲み方:「熱燗」
約50℃まで温めてあげることで、ナッツのような燻製香が感じられ、ドシっとした旨味が堪能できます。そして本題はここから!
常温に向けて徐々に温度が下がる「燗冷まし」によって、感じられる香味やテクスチャーが変化していくのですが、常温に至るまでの温度帯全てで「美味しい」が体感できます。ぜひお客さまに提案してみてください。
【ペアリング】
紹介酒は芯の強い酒質なので、合わせる料理も濃い味わいのものが好相性です。
そこで5月~6月頃が一番美味しいとされる、旬食材を意識したペアリンググルメをご提案します。
・青椒肉絲(飲み方:冷酒、ロック)
オイスターソースや醤油などで味付けした牛肉やピーマンの旨味に、冷えた「Ice Breaker」の爽やかさや喉越しがベストマッチします。
・カレイの煮付け(飲み方:燗酒)
濃厚な出汁が染み込んだカレイの煮付けに、風味と旨味が増幅した「Ice Breaker」の燗酒を合わせることで、予想以上の相乗効果が期待できます。
【まとめ】
今回は木下酒造から夏時期に合わせて発売される「玉川 I純米吟醸 Ice Breaker」をご紹介しました。
本質的に力強い酒質があるので、温度別や割り方とどんなシチュエーションでも美味しく楽しむことができる夏酒といえるでしょう。
暑い日はキンキンに冷やして、料理とのペアリングを提案する際は燗酒や常温もマッチしやすいので、色んな提供方法で「玉川 I純米吟醸 Ice Breaker」の魅力を発信してみてください。
【日本酒情報】
・日本酒名:玉川 純米吟醸 Ice Breaker
・種類:純米吟醸酒 無濾過生原酒
・酒蔵:木下酒造(京都府)
・精米歩合:60%
・アルコール度:17度
・価格:税込1,320円(500ml)
高知県在住唎酒師 日本酒フォトライター 谷口 廉
21日配信 日本酒アレンジの奥深さを徹底解説!

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本記事では1種類の日本酒で体現できるアレンジ方法やそれに伴う酒質の変化、期待できる効果について解説します。
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① 温度
飲み方として「冷酒」が一般的かと思いますが、常温や燗酒と温度帯によって異なる味わいを楽しめるのは日本酒特有の魅力です。
温度ごとの香味について詳しく解説します。
・冷酒
日本酒は温度が冷たくなるほどに喉越しがサラッと軽快になり、日本酒特有の酸感やアルコール感といったクセが抑制されるという特徴があります。
日本酒ビギナーや女性向けに提案する最初の一杯には、オススメ果実感のある華やかな香りと柔らかい旨味が感じられ、後味スッキリとした吟醸酒や大吟醸酒がオススメです。
・常温
約20~25℃で口に含むとほんのり冷たい温度を指します。なかでも純米酒が特に常温向きとされ、お米の豊かな風味を堪能することができます。
お客さまがご所望であれば純米酒の冷酒と常温を飲み比べを提供して、口あたりや味わいの違いを実際に体感してもらうのも良いでしょう。
・燗酒
約30℃以上で温めた日本酒は全般的に「燗酒」と呼ばれ、なかでもオススメの温度帯をご提案します・
「ぬる燗」
人肌と同じ約40℃ほどの温度を指し、お米のふくよかな香りや旨味が引き立ち日本人の舌に馴染みやすいテクスチャーとなる特徴があります。
種類としては純米酒、本醸造酒、吟醸酒、普通酒が向いています
「熱燗」
約50℃ほどの温度を指し、ぬる燗以上に日本酒の旨味や甘味といった個性が引き伸ばされます。もしお客さまが風味などを重たく感じられる場合は「燗冷まし」を勧めてみましょう。少し時間を置くことで徐々に温度が下がるため、好みの味わいになった温度で呑み楽しめるという強みがあります。
② 追加
次は日本酒のアレンジ方法についてご紹介します。
・ロック
骨太な酒質をスッキリと楽しみたいときにオススメの飲み方がコチラです。
グラスにロック氷をたっぷりと投入し、日本酒はグラスの半分ぐらい入れます。氷が徐々に溶け出すことで味わいも少しづつ柔らかくなり、呑み心地も快適となります。
・カクテル
日本酒はカクテルのベースにも向いている素質があり、近年では日本酒カクテルも注目されています。グレープフルーツやオレンジ、キウイなどを生搾りしたり、手軽にフルーツジュースや果実酒を加えれば、十分に楽しむことができます。
割り方の一例を下記にてまとめておきます。
1.日本酒3:ライムジュース1
ライムの爽やかな香りと酸味が加わることで、スッキリとした呑み心地になります。
2.日本酒1:トニックウォーター1
口あたりは爽やかで日本酒の深いコクとトニックウォーターのほのかな甘みがマッチします。
3.日本酒5:カルピス原液1
乳酸飲料の濃厚な甘みや酸味がマッチし、日本酒特有のアルコール感や酸感は軽減されるため、日本酒ビギナーにはオススメの飲み方です。
4:日本酒+氷+生搾りフルーツ
鮮やかなビジュアルとなり、少し苦手意識のあるタイプの日本酒でも呑みやすくなります。もし改善されない場合はソーダで炭酸割り、ガムシロップで少し甘くすればより呑みやすくなります。
5:日本酒+グレープフルーツジュース+塩
これから暑くなる季節にピッタリな飲み方です。
グレープフルーツの爽やかな味わいと塩の塩味が加わることで、よりスッキリとしたテイストになります。
【まとめ】
今回は温度や割り方で美味しく日本酒を楽しむ方法を解説しました。
数多くの銘柄を取り扱う居酒屋や日本酒Barでは、1つの日本酒に対して複数の飲み方を提案して飲み比べを楽しんでもらう。
酒販店であればお客さまに日本酒を販売する際に、家で手軽に楽しめるオリジナルな飲み方も一緒に提案してみるなど。
様々な提供方法を通して消費者に対して日本酒の奥深さや面白さ、飲み方の幅広さをぜひ伝えてみてください!
高知県在住唎酒師 日本酒フォトライター 谷口 廉
14日配信 Z世代酒匠がおすすめする「今週の注目の一本」は小鶴 the Banana/小正醸造(鹿児島)です。
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「こいつはもはや、バナナ」の売り文句とラベルに大きくデザインされたイラストの通り、従来の芋焼酎のイメージを覆す濃厚なバナナの香りが斬新な一本。
フルーティーで華やかな香りとスッキリとした味わいは、焼酎ビギナー層への提供にもおすすめです。
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・商品名:小鶴 the Banana
・酒蔵名:小正醸造株式会社(鹿児島県日置市)
・原料:さつま芋(黄金千貫)、米麹
・参考価格(税込):1,408円(900ml)
・その他:白ワインに使われる葡萄の品種である「ソーヴィニョン・ブラン」由来のワイン酵母を使用しています。
黄金千貫とは
小鶴 the Bananaに使われている黄金千貫(こがねせんがん)とは、さつま芋の品種の一つです。芋焼酎に使われるさつま芋の品種は、外皮や果肉の色によって「白系」「赤系」「オレンジ系」「紫系」の4種類に分類されます。黄金千貫は「白系さつま芋」の代表格であり、今から50年以上前の1966年に九州農業試験場で開発されました。デンプンの含有量が豊富なため一度の仕込みで多くの量が作れることや、クセのない香味で使いやすいことから、芋焼酎の9割以上に使用されています。
香りと味わいの特徴
従来の焼酎のイメージを覆す、熟したバナナのような甘く濃厚な香りが印象的。バナナの香りの奥にレンゲの花の蜂蜜や綿飴のような甘味を思わせる香りがふんわりと漂います。
テクスチャーはキメが細かく柔らか。含み香はやや強く、バナナ、焼き芋、甘栗のような濃密でとろりとした甘味を思わせる香りです。後味にはアルコール由来の柔らかな苦味が感じられますが余韻は短く、濃厚な香りに反して味わいはスッキリとした印象です。
おすすめの楽しみ方
<酒器>
フルーティーかつ華やかな香りを感じやすい、口がすぼまったワイングラスや脚のないワイングラスがおすすめです。ソーダ割での提供の際は、フルートグラスや高さのあるグラスを使用することで、炭酸のシュワシュワ感を視覚でも楽しむことができます。
<割り方>
ソーダ割にすることで、フルーティーなバナナの香りが際立つとともに後味の爽快感を楽しむことができます。
予め氷を入れたよく冷えたグラスに焼酎を入れ、2~3倍の量の炭酸水で割って提供するのがおすすめです。
<合わせる料理>
旨味やコクがあるタイプの芋焼酎とは違ったフルーティーなタイプなため、カプレーゼやカルパッチョなどのシンプルな味付けの前菜やベトナム風生春巻き、フルーツサラダなどの生野菜を使った料理と好相性です。
Z世代酒匠ライター kanane_sake
7日配信 Z世代酒匠がおすすめする「今週の注目の一本」は玄宰 特別純米 生/末廣酒造(福島)です。
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厳しい冬の寒さ、澄んだ清らかな水、豊かな土壌に育まれた米。
酒造りに必要な要素が揃い、多くの蔵が集まる酒どころの会津。
その酒造りの基礎を築いたとも言われる会津藩の名家老「田中玄宰」の名前を冠した、コストパフォーマンス抜群の一本です。
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・商品名:玄宰 特別純米 生
・酒蔵名:末廣酒造株式会社(福島県会津若松市)
・精米歩合:55%
・原料米:夢の香(福島県会津産)
・アルコール度数:15度
・参考価格(税込):1,760円(720ml)
・その他:鑑評会出品酒として末廣酒造のフラッグシップに位置付けられていた高級酒「玄宰」を、手に取りやすい価格の日常酒としてリブランディングしたのが「玄宰シリーズ」です。現在は特約店限定で販売されています。
ブランド名の由来
ブランド名の由来である田中玄宰(はるなか)は会津藩の名家老と呼ばれた江戸時代後期の人物です。
1781年に34歳で家老に就任後、財政状況が悪化していた会津藩を立て直す数々の改革を行いました。その一つが酒造業の振興です。
大阪から杜氏を招いて酒造りを学ばせ、藩直営の酒造蔵で「清美川」という銘柄を造って江戸へ売り出したそうです。
全国で4番目に多い約60の酒蔵がある福島県の中でも、その半数が集中する会津地方。その礎を築いたとも言える田中玄宰の名前を冠し『会津を醸す』をコンセプトにして造られています。
香りと味わいの特徴
澄んだ、ごく淡い黄色の外観。
香りはフルーティーですが、料理の邪魔をしない程度の穏やかなものです。
口に含むと白桃や白葡萄の果汁を思わせるフレッシュで瑞々しい甘味を、仄かに苦味の伴なったガス感が引き立て、白ワインのような輪郭のはっきりしたジューシーな酸味が続きます。最後には冬瓜やクレソンのような繊細な苦味が現れます。
甘・酸・苦とひとつひとつの味わいの要素は鮮やかながら緻密に計算されたバランスによって重さを感じさせない、完成度の高い一本です。
おすすめの楽しみ方
<温度帯>
フレッシュ&ジューシーな甘味や酸味が特徴のため、まずは白ワインと同じく程よく冷やした8~12℃の温度帯がおすすめです。
時間の経過とともに温度が上がると、綿飴のようなふんわりとしたほのかな甘味が次第に顔を出します。
<酒器>
温度変化が楽しめる、やや大きめサイズのワイングラスやお猪口での提供がおすすめです。
<料理>
生酒ならではのピチピチとしたガス感と程よく冷えた温度は、マリネやタルタル、カルパッチョなどの冷やして食べる前菜によく合います。白ワインのようなすっきりとした酸味もあるため、イタリアンやフレンチなどの洋食とも合わせやすいでしょう。
Z世代酒匠ライター kanane_sake
| 2025年4月 |
30日配信 料理の本質を引き立てる土佐辛口酒「辛口吟醸 大吉祥」

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今回は高知県にて土佐酒を長年醸造されている土佐鶴酒造のなかでも「淡麗辛口」濃度が高い銘柄「辛口吟醸 大吉祥」をご紹介していきます。
特徴やオススメの温度帯、季節を取り入れたペアリングなども合わせて解説していきますので、ぜひ参考にしてみてください。
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【特徴】
1:吟醸辛口な酒質
土佐鶴酒造が揃える銘柄のなかでも、特に高知県のお酒らしさを感じられるスッキリと辛口テイストな喉越しが特徴にあります。吟醸香は華やかながらも柔らかい程度なので、料理の味を妨げることなく食中酒として重宝しやすい1本です。
2:ラベル
銘柄名にある「大吉祥」には『大いにめでたい兆し』という意味があります。これを紐づけるかのように、、2羽の鶴が雄大に羽ばたいている姿が描かれたており、お祝いやめでたい席にも提案しやすいデザインとなっています。
【適正温度】
冷やから燗酒まで様々な温度帯で楽しむことができますが、なかでも今回はオススメの適正温度をご提案します。
・冷酒(約10℃):サラッと喉越しの良い辛口感が十分に堪能できます。
濃口系の料理に合わせることで、口の中に残った油分を心地よくリセットしてくれる「ウォッシュ効果」も見込めるので、どの場面で提供しても食べ飲み疲れさせないのもポイントです。
・ぬる燗(45℃)
口あたりは滑らかで香味ともに落ち着きのある味わいとなり、飲み終わりにかけては、土佐酒らしい酸感が余韻として楽しむことができます。
提供料理としては揚げ出し豆腐やいぶりがっこ、鍋料理などが好相性なので是非。
【ペアリング】
紹介酒は生粋の淡麗辛口となりますので、魚介の握り寿司や刺身が鉄板!
漬物やイカの酢味噌和え、酒盗(カツオやマグロの塩辛)といった軽めの肴で、気軽にお酒を楽しんでいただくのも一興です。
また、春にはたけのこや鰹、ほたるいかなど様々な食材が美味しい季節となります。そこで旬食材を使ったオススメペアリンググルメを2品ご紹介します。
・鰹とたけのこの角煮
醤油、生姜、みりん、砂糖、お酒で鰹とたけのこをじっくりと煮込んだ一品。たけのこの甘みとほろ苦さに、鰹の旨味が調和しており、サラッとキレる吟醸辛口系と相性良好ですよ。
・ホタルイカの生姜煮
こちらは手軽な調理方法でおつまみとして喜ばれやすい一品です。だし汁、醤油、みりん、砂糖、生姜を鍋に入れて沸騰させ、そこにホタルイカを加えひと煮立ちさせた後に冷まして味を染み込ませるだけ!
口に運ぶとワタの旨味と生姜の香り高い風味がふわっと広がり、「辛口吟醸 大吉祥」とのペアリング度も満点ですよ。
【まとめ】
今回は土佐鶴酒造の「辛口吟醸 大吉祥」をご紹介させていただきました。
スッキリと軽快な飲み心地と香りを楽しみたいときは冷酒で。温かい料理や肴となる一品と共にしっぽり楽しみたいときはぬる燗と、シチュエーションごとで幅広い提供方法ができますので、ぜひ役立ててみてください!
【日本酒情報】
・日本酒名:辛口吟醸大吉祥
・酒蔵:土佐鶴酒造(高知県)
・種類:吟醸酒
・精米歩合:50%
・アルコール度:15度
・日本酒度:+8
・販売価格:税込1,467円(720ml)
高知県在住唎酒師 日本酒フォトライター 谷口 廉
23日配信 希少米で醸した香味バランス優秀な純米酒「二兎 純米 萬歳七十」

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今回は愛知県を拠点に代表銘柄「二兎」を造られている「丸石醸造株式会社」より、地元で育てられた希少なお米を用いて二兎の本質もたっぷり堪能できる純米酒「二兎 純米 萬歳七十」についてご紹介していきます。
オススメの飲み方やペアリングなども合わせて解説していきますので、ぜひ参考にしてみてください。
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特長
1.長い眠りから蘇った希少米「萬斎」
今回の紹介酒を醸造されている丸石醸造がある愛知県岡崎市で栽培されている飯米「萬歳」。
この萬歳は大正時代、天皇即位の際に行われていた「大嘗祭」にて、五穀豊穣と国の安寧を祈願する儀式で奉納されていたとされる由緒ある品種です。
一時期は途絶えていたそうですが、約100年ぶりにたった10gの種籾から地元農家の手で復活させることに成功したそうです。
特徴として心白が大きいため酒造りに最適。心地よい甘味と酸味を含んだ酒質になるそうで、酒米として名高い「雄町」にも負けない優れた特性を持っています。
2.香味
香りはグラスに注ぐと、レモンやグレープフルーツのような瑞々しい甘さのある香りがふわっと感じられます。
口に含むとトロッと滑らかな口あたりから入り、コクのある旨味とじわっと広がっていく甘みが感じられます。加えて軽やかな酸感とほのかな苦味も共存しており、複雑味も兼ね備えております。
飲み終わりにかけては二兎の本質である甘味から辛味への流れ変わりに、ガス感も絡みキレの良さも抜群です。
【適正温度】
酒蔵推奨の適正温度は冷酒~常温。ただ個人的にぬる燗もオススメです。
約40℃ぐらいまで温めてみたところ、冷酒と比べて甘さがより鮮明に感じられ、酸味は少し抑えめに。燗酒ならではの良さが顕著に表れており、旨味も十分に堪能できますので、お客様の好みに合わせて提案してみてください。
【ペアリング】
今回の紹介酒は五味(甘味・辛味・苦味・渋味・旨味)のバランスが綺麗に取れた純米生酒なので、旨味や濃度がしっかりとした手羽先の唐揚げや魚の干物などが合わせやすいでしょう。
そこで旬の食材を取り入れた、味わい濃厚なオススメペアリングを2品ご紹介します。
・カレイと牛蒡の煮付け
酒・醤油・みりんなどで甘辛く煮付けたカレイと牛蒡は旨味もたっぷりと含んでおり、冷酒と燗酒どちらでも好相性。
・新じゃがの味噌グリル
4月下旬から5月にかけて旬を迎える新じゃがを使った一品。味噌を基調に砂糖や醤油、酒を合わせた甘辛い味噌だれをまとった、ホクホクの新じゃがは冷酒とのペアリング度は満点です。
【まとめ】
今回は愛知県の丸石醸造で造られている日本酒「二兎 萬歳七十」をご紹介させていただきました。
全体的にバランスが綺麗な純米酒なので、温度別や様々なペアリングを通して美味しさを伝えられることでしょう。
【日本酒情報】
・日本酒名:二兎純米 萬歳七十 生酒
・種類:純米酒
・酒蔵:「丸石醸造株式会社」(愛知県)
・精米歩合:70%
・アルコール:16%
・価格:税込1,485円(720ml)
高知県在住唎酒師 日本酒フォトライター 谷口 廉
16日配信 Z世代酒匠がおすすめする「今週の注目の一本」は醸し人九平次 いのね 四つ星/株式会社萬乗醸造(愛知)です。
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200㎞離れた兵庫県に持つ自社田に毎年通い理想を追求した米作りを行う酒蔵が生み出す、米の品質にとことん拘った一本です。
上品な香り、滑らかな口当たり、繊細な甘味と渋味が口の中で調和し絶妙なバランスを保ちます。
余韻が残る最後の一瞬まで丁寧に味わいたい逸品です。
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・商品名:醸し人九平次 いのね 四つ星
・酒蔵名:株式会社萬乗醸造(愛知県名古屋市)
・精米歩合:非公開
・原料米:山田錦
・アルコール度数:16度
・参考価格(税込):5500円(720ml)
・その他:
諸説ある「稲」の語源のうちの一つとして、「命の根」という説に着目して名付けられた銘柄が今回取り上げる「いのね」です。
命を育む大切な存在である稲=米を重視した「いのね」シリーズには三つ星、四つ星、五つ星の3種類のラインナップがあります。
その違いは米のグレード。醸造用玄米は農林水産省の基準によって「特上、特等、1等、2等、3等、規格外」と分けられます。萬乗醸造では更に醸造適性を加味した独自の基準を使って、自社田の米を評価しています。
「いのね」シリーズに使われるのは特等以上、かつ独自基準で三つ星、四つ星、五つ星を取った米のみという贅沢な造りになっています。
蔵の特徴
「醸し人九平次」のブランドで知られる萬乗醸造は1647年、現在の愛知県名古屋市で創業しました。蔵元は代々「九平治」という名前を襲名し、現在の久野九平治氏が15代目にあたります。
萬乗醸造のこだわりは何と言っても山田錦の最大の産地である兵庫県に自社田を持ち、蔵人が米作りを行っていること。
米を育てる土地の個性(=テロワール)と天候の影響を受けた収穫年による個性(=ビンテージ)の2つをお酒の味わいを決める要素として重視し、「一粒が重い」理想の米を作れる土地を探して見つけ出したのが兵庫県黒田庄でした。
蔵人達は愛知県から約200km離れた黒田庄に毎年通い、理想を目指した米作りに励んでいるそうです。
香りと味わいの特徴
瑞々しい梨を思わせる穏やかな香りです。
口当たりは滑らかで全く角がなく、良い意味で澄み切った水のようになんの抵抗もなくすっとお腹の中に落ちていきます。
梨や白桃といった果物を思わせるジューシーな甘味と米の柔らかく丸みのある甘味が見事に調和し、後味に感じる少しの渋味が全体の印象を引き締めます。
何かひとつの香りや味わいが突出するということがなく、調和のとれたバランスの良い印象です。
おすすめの楽しみ方
<温度帯>
甘味は冷やしすぎると感じにくくなり、逆に温めすぎるとだれた印象になってしまうという特性があります。そのため、このお酒の特徴である繊細でエレガントな香りや甘味を味わうには、冷蔵庫から出して少し経った頃合いの温度(8~12℃)での提供が適しています。
<酒器>
ワイングラスや大吟醸用のグラスなど、口がすぼまっていて香りを感じやすい酒器がおすすめです。
<料理>
刺身や山菜の天ぷら、鶏の水炊きなど素材の味を感じられるシンプルな料理と好相性です。
Z世代酒匠ライター kanane_sake
9日配信 日本酒フォトライターが解説! 簡単で綺麗に撮れる日本酒の撮影方法

酒販店での販売用や飲食店での提供用に入荷した日本酒を、SNSなどにアップするために撮影するものの、なんか綺麗に撮れないと思ったことはありませんか?
実は撮影時の明るさや角度、小道具など少し工夫をすることで写真映りは綺麗になります。
そこで今回は様々な日本酒を撮影してきた「日本酒フォトライター」という視点から、初心者でも綺麗に撮影できるコツを解説していきます。
【光の位置】
撮影時に一番重要となるのが対象物を照らす「光」の位置です。前後左右、斜めなど対象物を照らす方向で写り方の綺麗さは変わります。
この光の位置をマスターできれば、スマホでも十分に綺麗な写真が撮影できますので、今回はオススメの角度を解説します。
・半逆光
撮影時に基本的かつ綺麗に撮れる光の角度は「半逆光」とされており、対象物の斜め後ろ45度から光を当てるイメージです。
効果としては被写体に立体感が演出でき、被写体の後ろも明るくなります。
・半順光
これは対象物に対して斜め前45度から光をあてるイメージです。
お酒を注いだグラスと料理を共に撮影する際、半逆光だと日本酒の瓶で無駄な陰影が付く場合がありますが、半順光であれば手前が明るくなるため、料理も鮮明に撮影できます。
ここで光を用いて撮影する際の重要なポイントがあります。
① 部屋の照明を消して自然光で撮影
部屋の電気を消して窓から差し込む自然光を駆使して撮影してみてください。全体的に柔らかい明るさに包まれ、程よい立体感が演出できます。
自然光が無い場合は、自作できる簡易ライトボックスがオススメです。
段ボールの底をくり抜き、トレーシングペーパーを底に貼り、中から懐中電灯を照らせば自然光同様の役割を担いますよ。
②光の反射
これは半逆光での撮影時に重要となります。
対象物の斜め後ろから光を照らすため、手前はどうしても少し暗くなります。通常、カメラマンは光を反射させる「レフ板」を使用して手前の影を無くし、日本酒と料理の複合撮影なども全体的に明るく撮影しています。
レフ板は自作もできますが、面倒なときはコピー用紙などの白紙でも代用可能です。
半逆光から光が差す方向に白紙を構え、光を屈折させて料理などにあてるイメージで白紙の角度を調整すれば、鮮明な写真を撮ることができます。
【撮影角度】
日本酒を撮影する際、ラベルの位置と並行になる高さから撮影することで瓶の形が歪むこと無く撮影できます。しかし瓶の色によって自分が映り込む場合があります。その際は以下の方法を試してみてください。
・2倍以上のズームにして離れて撮影
日本酒を自分の目に映る景色同様に撮影するなら、約1m~1.5mほど離れてのズーム撮影が適しています。またズームすることで歪み問題もより解消できますよ。
もし、完璧に写り込みを無くしたい場合には100円ショップなどで販売されている「スマホ用三脚スタンド」を用いてのタイマー撮影がオススメです。
【背景紙や小道具の使用】
季節感や日本酒のタイプに合わせて、背景や小道具などをプラスすれば一際目を惹く写真を撮ることができます。
・背景紙
手軽に試すなら100円ショップで販売されている厚紙や模様が描かれたボードでも十分です。また、手芸センターには布や和紙系など材質や色など種類豊富に揃っているうえ、意外とお手軽に購入できるのでオススメです。
・小道具
春酒なら桜の木、夏酒なら風鈴やすだれ、秋酒なら紅葉、冬酒なら綿を雪に見立てるなど、画角内にひとつ季節感のあるアイテムを入れるだけで、写真の出来栄えは大きく変わってきます。
こういった小道具も100円ショップで幅広く取り揃えられています。
【SNS掲載時の注意点】
みなさん綺麗に撮影した写真をSNSに掲載すること多いと思います。そのなかで酒類の掲載や宣伝時に注意しておくべきSNSが「Instagram」です。
規約内にて「アルコールは制限されているコンテンツであり、ブランドや酒蔵とのタイアップ投稿をする際は、年齢設定(20歳以上)が必要」とされています。
加えて通常の投稿時は「ハッシュタグ」にも要注意です。
投稿の文章内は注視されておりませんが、ハッシュタグに「日本酒」「お酒」「カクテル」などを付けると、規定違反として投稿が削除される場合があります。
解決方法として「日本酒が飲める居酒屋」「日本酒好き」「季節のお酒」などキーワードに付随した言葉を装飾して、文章化したハッシュタグであれば投稿可能となります。
ここまで読んでいただき、誠にありがとうございます。
今回解説したポイントを徐々にでも良いので取り入れながら、素敵な日本酒フォトを撮影してみてくださいね。
高知県在住唎酒師 日本酒フォトライター 谷口 廉
2日配信 燗酒にして料理と共に堪能したくなる土佐酒「美丈夫 特別本醸造」

今回は代表銘柄「美丈夫」を造られている、高知県の酒蔵「濱川商店」から「美丈夫 特別本醸造」についてご紹介します。
オススメの飲み方やペアリングなども合わせて解説していきますので、ぜひ参考にしてみてください。
【特徴】
① 提案できる温度帯の幅が広い
今回の紹介酒は「燗にして旨い食中酒」というコンセプトがあります。
まず40~45℃ぐらいでつけたぬる燗の場合、全体的に味のまとまりがありつつも奥深いコクと余韻がしっかりと体感できます。甘みも程よく感じられるなかでキレの良さはしっかりと残るのも特徴的。
冷酒の場合は約5℃の雪冷えがオススメ。軽快な喉越し感と口中をリフレッシュしてくれる爽やかな酸味が相まって、飲み疲れせずに呑み楽しむことができます。
② 精米
酒米は愛媛県産の「松山三井」を起用しており、吟醸酒規格とされる60%まで精米されております。そのため吟醸酒のようなサラッとしたテイストが酒質に加わっています。
③ 香味
香りはほんのりとフルーティーさが感じられ、口に含むと味の膨らみ・力強さ・鋭いキレ感が印象的な味わいとなっています。
【オススメの酒器】
・冷酒:スッと流れる喉越し感を楽しんでいただきたいので、フルートやボルドーといった、細長いタイプのワイングラスを推奨します。
・燗酒:陶器製の猪口やぐい呑みであれば、膨らむ香りや旨味を十分に堪能することができるでしょう。
【ペアリング】
徐々に春らしい季節となってくる4月には鰆やしらす、たけのこにそら豆などが旬を迎えます。そこで今回は春頃に一番美味しくなる食材を使ったペアリンググルメをご紹介します。
・青椒肉絲
タケノコ、牛肉、ピーマンと食感を楽しる具材を盛り込み、オイスターソースやコチュジャンなどで味付けした旨辛な一品は冷酒や燗酒ともに相性良好。
口中に残った油分はしっかりとリセットしてくれるので、ぜひ試してみてください。
・鰆の酒粕漬け
酒粕の香り高い風味を効かせ、ふっくらと焼きあげた鰆には燗酒を合わせてみてください。
「美丈夫 特別本醸造」のふくよかな旨味と鰆の旨味が同調し合うのでオススメですよ。
【まとめ】
今回は濱川商店で造られた「美丈夫 特別本醸造」の魅力や楽しみ方などについてご紹介させていただきました。
冷やから燗酒まで様々な温度帯で楽しむことができ、土佐酒らしいキレ感とふくよかな旨味も堪能できる高品質な香味感でありながら、リーズナブルな価格帯で手に入るのはかなり魅力的だと思います。
食中酒としても活躍すること間違いなしなので、お好みの合わせ方でぜひご提供してみてくださいね。
【日本酒情報】
・日本酒名:美丈夫 特別本醸造
・酒蔵:濱川商店(高知県田野町)
・種類:特別本醸造
・精米歩合:60%
・アルコール度:14度以上~15度未満
・販売価格:税込1,100円(720ml)
高知県在住唎酒師 日本酒フォトライター 谷口 廉
| 2025年3月 |
26日配信 ベトナムのクラフトサケ事情(後編)

「ベトナムのクラフトサケ事情(前編)」に続いて、今回もベトナム・ホーチミンのクラフトサケ醸造所”MUA Craft Sake”での体験をレポートします。
醸造所併設のレストランで筆者が頼んだ4種類のお酒についてご紹介します。
初めに注文したのが3種類の飲み比べセット。それぞれのお酒に合う料理が書かれたカードが付いており、和食以外を念頭に置いた興味深いペアリングだったので一緒に紹介します。
①グァバと金柑/SAKE GUAVA KUMQUAT
①~③の飲み比べを注文した際に、こちらが最も軽い味わいなので初めに飲むように推奨されました。優しい甘さと独特な青っぽさが併存したグァバの味わいに柑橘の風味がプラスされています。
現地の方に聞いた話では、ベトナムでは完熟していない青さが残ったままのフルーツをよく食べるそうです。このお酒も完熟した南国フルーツの味わいというよりはまだ若い果物特有のフレッシュな味わいを上手く活かしており、完熟した果物の濃密な甘さを表現する日本のクラフトサケとは一味違う仕上がりになっていました。
PAIRS WITH(合う料理):Green Vegetables(緑野菜)、Mushrooms(マッシュルーム)、Pickles(ピクルス)、Hard Cheese(硬いチーズ)
②スパークリングマルベリー(桑の実)/SPARKILING MULBERRY WILD PEPPER
鮮やかな赤色に、まず目を惹かれます。ベリーのような味わいですが、酸味が少ない甘口のスパークリングサケです。一緒に注文した脂身の多い豚肉の粕漬けとは、脂身とお酒の甘味が絶妙に調和しつつも、口内で弾ける炭酸と後味にほんのりと感じるワイルドペッパー(日本の山椒に似たベトナムの香辛料)の清涼感のおかげで甘ったるくなりすぎることがなく、相性抜群でした。
PAIRS WITH(合う料理):Fresh Salads(新鮮なサラダ)、Raw Fish(刺身)、Oysters(牡蠣)
③CT25純米酒/CT25 PURE RICE SAKE
酒造りに通常使用されるジャポニカ米ではなく、パラパラとした食感が特徴のインディカ米で作った清酒です。注文の際に”Strong”と説明されましたが、日本で飲む清酒と比べると通常程度の味の濃さのように感じました。
米の旨味がしっかり乗った醇酒タイプの純米酒を思わせる味わいでした。
PAIRS WITH(合う料理):Read Meat(赤身肉)、Nuts(ナッツ)、Goat Cheese(山羊のチーズ)
次に、にごり酒を注文しました。
④Cloudy Nigori
見た目も味わいもにごり酒そのものですが、どこかパクチーを思わせる要素も感じられる面白い味わいでした。ほろ苦くやや癖のあるハーブの存在感がクリーミーなにごり酒の後ろに隠れているような印象です。
ペアリングの紹介では刺身や牡蠣など日本でもお馴染みのものから、ピクルスや山羊のチーズなどその組み合わせもあるのか!と驚かされるもの、また、熟酒と合わせることが多いナッツを醇酒に合わせて紹介するといった意外性があり、お国柄の違いを感じられる面白い経験となりました。
最後に、和食からヒントを得たという現地の創作ベトナム料理を二つ、ご紹介します。
一つ目はカツオならぬ牛肉のタタキ。薄くスライスした玉ねぎと、カボスに似た柑橘がトッピングされており醤油風のソースでいただきました。
二つ目は焼きブンチャー。ブンチャーとは、米粉でできた麺を酸味のきいたスープに入れて食べる料理でベトナムのつけ麺とも呼ばれます。これはブンチャーのアレンジとして、焼いて固めた麺を鶏肉と一緒に串に刺して、ソースに絡めながら食べるスタイルでした。
ご紹介したのはほんの一例に過ぎませんが、海外でクラフトサケや清酒がどのような料理と合わせて提供されているかイメージする手掛かりになれば幸いです。
Z世代酒匠ライター kanane_sake
26日配信 ベトナムのクラフトサケ事情(前編)

「伝統的酒造り」がユネスコ無形文化遺産に登録され、世界から日本酒へ熱い視線が向けられる今、海外でも酒造りが盛んになっています。
昨年11月、ベトナムのクラフトサケ醸造所へ行ってきました。その名は”MUA Craft Sake” 。
「紀土」で知られる和歌山県の平和酒造、べトナムを代表するクラフトブリュワリーであるEast West Brewing、新鮮な地元の食材にこだわった料理を提供するレストランMùaの3社が提携して始めた醸造所です。
”Local”にこだわった酒造りを行っており、原料には日本で一般的な粘り気のあるジャポニカ米だけでなく、パラパラとした食感が特徴のインディカ米も使用します。特に、国際コメコンクールで最優秀賞に選ばれた実績のあるベトナム産のST25というインディカ米はパイナップルとアーモンドのような香りを与えてくれるそう。
水ももちろん、不純物を濾過したうえで現地のものを使用。そして副原料にはパッションフルーツやグァバ、マンゴー、パイナップルなど南国ならではの果物が使われています。
MUA Craft Sakeには併設のレストランがあり、和食にインスピレーションを受けた創作ベトナム料理と一緒にMUAのお酒を楽しむことができます。
今回と次回の2回に分けて、現地で撮った写真を交えながらその様子をレポートします。
MUA Craft Sakeはベトナム最大の都市・ホーチミンの中心部、各国の大使館が多く置かれている富裕層が多いエリアにあります。
ダークトーンを基調としたシックな外観と、ネオンで装飾された「MUA」「ムア酒造」「CRAFT SAKE」のポップな看板が印象的です。
お店を入るとまず、棚に美しくディスプレイされたお酒が出迎えてくれます。
店内は天井が高く広々とした開放的な空間。奥にはタップルームがあり、タップから直接お酒が注がれる様子はまるでクラフトビールの醸造所のようです。
早い時間帯だったので客はまばらでしたが、外国人観光客もちらほらといて全体的にカジュアルな雰囲気でした。
気になるドリンクメニューはこちら。
オリジナルのクラフトサケとしては、クラシック、グァバと金柑、パッションフルーツ、スパークリングマルベリー(桑の実)、にごり酒の5種類が用意されており、好きなお酒を3種類選んで飲み比べができるセットもあります。
インディカ米を使ったCT25シリーズはピュアライス、パイナップルチリ、柚子ドラゴンの3種類。そして、季節限定メニューとしてジャスミンと蜜柑、プラムの2種類があります。
お値段は120mlで95,000~150,000ベトナムドン(≒570~900円)。日本と比べるとやや高い価格設定です。
クラフトサケの他には平和酒造の「紀土」純米酒や「無量山」純米大吟醸酒がボトルで注文できるようになっており、クラフトビールやウイスキー、ハイボールなど他のアルコールの種類も豊富です。
面白かったのが、オリジナルのサケカクテル。パイナップルチリのクラフトサケに柚子ピューレ、ライムの葉、ジンジャエールをミックスした「Sakerita」や清酒にカンパリとスイートベルモット(ワインにハーブやスパイスの風味を付けたもの)を加えた「Pure Negroni」、清酒にライチ果汁とフルーツを入れる「White Sangria」などがありました。中でもベトナムらしいと感じたのは「”Ca Phe Sua” Nigori」。Ca Phe Suaとは練乳をたっぷり入れたベトナムコーヒーのことで、これににごり酒を加えたカクテルだそうです。注文しなかったのですが、果たしてどんな味なのか非常に気になります。お値段はいずれも150,000ベトナムドン(≒900円)でした。
筆者はこの中からCT25ピュアライス、グァバと金柑、スパークリングマルベリーの3種の飲み比べとにごり酒を注文しました。
次回はそれぞれの味わいや料理との相性について紹介します。
Z世代酒匠ライター kanane_sake
12日配信 宇宙と深海のロマンが詰まった「宇宙深海酒」の魅力を徹底解説!
皆さんは「宇宙深海酒」をご存知でしょうか?
こちらは高知県酒造組合などが取り組み、完成させたニュータイプの日本酒であり、簡潔に説明すると宇宙と深海の両方で培養に成功した酵母を用いて造られたお酒のことです。
【宇宙深海酒誕生の経緯】
高知県酒造組合が「もっと全国の人に土佐酒を飲んでもらいたい」という想いから、2005年10月1日の「日本酒の日」に合わせて、宇宙深海酒造りのプロジェクトをスタートさせました。
最初は日本酒造りで重要な役目を担う「酵母」を宇宙ステーション内にて10日間滞在させます。宇宙空間は快適だったようで、1つも失われることなく培養に成功し、「宇宙酵母」が誕生。
続いて2019年に深海での培養に挑戦するものの、この時は高水圧と低水温に耐えきれず失敗に終わってしまいます。
そこで圧力に耐性をつけた酵母を育てあげ、2021年1月に再トライを試みます。
水深約6,000mの深海に4ヶ月間沈め、高水圧がかかる過酷な環境下のなか、なんと宇宙酵母5種と通常酵母6種が見事に耐え抜きました。
宇宙と深海の高低差が約406kmという長旅を経て、培養に成功した酵母を用いて造られたお酒が「宇宙深海酒」として、2021年12月22日に誕生しました。
【宇宙深海酒になれる条件】
先ほど誕生経緯についてご紹介しましたが、正式に「宇宙深海酒」とされるには条件があります。
宇宙を旅した種もみから増やした、高知県産の酒米「吟の夢」「風鳴子」のいずれかを用いて醸造する必要があります。
【特徴】
続いて香味特性やテクスチャー、ラベルなどについて解説していきます。
香り:少し爽やかさがありつつも複雑性も兼ねた香りがあります。
味:一般的な高知県の日本酒と比べると、やや熟成感が高くフルーティーさもあり、中盤から後半にかけては多重な酸味や旨味も感じられます。 また、テクスチャーに関してはまろやかながら軽快な喉越しが特徴的。
ラベル:実はラベルも注目ポイント。それぞれが宇宙や深海をイメージさせるような幻想的なデザインが描かれています。もし、お店などで提供する際はラベルもぜひ、お客様に見せてあげてください。
【宇宙深海酒ラインナップ】
現在までに高知県内7蔵から宇宙深海酒が発売されています。ラインナップは以下に記載させていただきます。もし、気になる銘柄があれば是非チェックしてみてください。
・安芸虎 純米大吟醸 深海の宇宙(有光酒造場)
・司牡丹 純米吟醸酒 宇宙深海酵母の酒(司牡丹酒造)
・南酒造 純米吟醸 土佐宇宙深海酒 CEL19(南酒造)
・松翁 純米酒 深海酒 DEEP OCEAN TRAVELER(松翁酒造)
・美丈夫 純米吟醸 宇宙深海酒(美丈夫酒造)
・亀泉 純米大吟醸 原酒 宇宙深海酒 Le Grand Voyage(亀泉酒造)
・無手無冠 純米吟醸 宙海(無手無冠)
【まとめ】
今回は高知県から2021年に誕生した新しい日本酒「宇宙深海酒」についてご紹介しました。
高知県のお酒は淡麗辛口とされていますが、宇宙深海酒はスッキリとしたテイストはありながらも、奥深い旨味や柔らかな香りが楽しめるのも魅力!
加えて様々な料理に適応できるポテンシャルを持ち合わせていますので、ジャンル問わず様々なペアリングが提案できるのもポイントです
酒販店などを通じて入荷できる機会がありましたら、ぜひ宇宙と深海のロマンが詰まった高知県の日本酒を多くの人にシェアしてみてはいかがでしょう。
高知県在住唎酒師 日本酒フォトライター 谷口 廉
5日配信 バナナみたいな甘い香りと奥深い旨味が魅力的な宇宙深海酒「深海の宇宙-Shinkai no Sora」

今回は高知県安芸市の酒蔵「有光酒造場」より、土佐酒らしい軽快な後口に濃醇な果実のような甘い香りとマイルドな旨味が加わった宇宙深海酒「深海の宇宙-Shinkai no Sora」をご紹介します。
【特徴】
まず最初に宇宙深海酒について軽く説明を。
高度40万メートルのISS内で培養された清酒酵母を、6,200メートルの深海に4ヶ月間沈め、生存確率3億分の1と言われる過酷な環境下を耐え抜き誕生した「宇宙深海酵母」で醸されたお酒を指します。
1:原材料
今回の紹介酒には高知県産酵母「AA-41」が使用されています。こちらの酵母はバナナやメロンのような香り成分を多く生産する特徴があります。
また、お米も宇宙を旅した種籾から増やした酒米として、高知県産の「吟の夢」が使われており、スッキリと爽やかな酸味とふくよかな旨味をお酒に与えてくれる特徴があります。
2:香味
香りはバナナのような甘い吟醸香が優しくふわっと感じられます。
テクスチャーはマイルド系で、後半にかけて柑橘系の酸味と苦味でスッとキレるやや濃醇辛口系の酒質に仕上がっています。
さらに細かなガス感もあり、少し甘めなスパークリング酒に近しい感じでもあります。
【温度帯】
酒蔵推奨は冷酒となります。
補足としてはぬる燗も意外とオススメでしたので、お客さまに対して提供する際はシチュエーションやペアリングとなる料理に合わせて、2パターンでの飲み方を提案してみてください。
冷酒(10〜15℃):バナナのような吟醸香と優しい味わいが第一印象として体感できます。その後スッと流れるので飲み心地◎。
ぬる燗(40℃):香りと共に旨味や甘味部分に対して力強い存在感が現れてきます。
【ペアリング】
やや濃醇辛口な酒質ですので、旨味と程よい脂がのった肉料理がペアリングとして好ましい感じです。
色々とある中から、今回は3月に旬を迎える食材を使ったペアリンググルメをご紹介します。
・牛肉と筍のオイスター炒め
春時期が食べ頃な筍をたっぷりと使った一品。
オイスターソースとニンニクが効いた濃厚な味わいと紹介酒のマイルドな旨味がバランス良く、口の中に残る余分な油分だけをスッと流してくれます。
他にも上質な脂をまとった刺身や焼き魚、強い旨味とコクがある酢豚や天ぷらなども好相性なので、ぜひお試しあれ。
【まとめ】
今回は宇宙深海酒「深海の宇宙-Shinkai no Sora」の魅力やペアリングについてご紹介しました。
高知県の日本酒といえば淡麗辛口のイメージが強いかと思いますが、今回の紹介酒は全体的に丸みがあり、舌に馴染むような甘味と旨味が強み!
ぜひ各店舗様で自由にブランディングされながら、宇宙深海酒の魅力を伝えてあげてください。
【日本酒情報】
・日本酒名:深海の宇宙-Shinkai no Sora
・酒蔵:有光酒造場(高知県)
・種類:純米大吟醸
・アルコール度:15度
・精米歩合:50%
・日本酒度:+4
・販売価格:税込2,750円(720ml)
高知県在住唎酒師 日本酒フォトライター 谷口 廉
| 2025年2月 |
26日配信 今週おすすめの1本は、「笑四季 貴醸酒 モンスーン 山田錦」です。

こちらの笑四季酒造は滋賀県で1892年創業。
地酒であることにこだわり、全ての商品を純米かつ完全な手作りで醸されている。
今回はそんな酒蔵から、貴醸酒をご紹介する。
<テイスティングコメント>
外観:ほんのわずかに濁っている。
香り:ナツメヤシ、スモーク香、ツツジ、メロンのような多彩な香りを強く感じる。
味わい:とろみのある口当たりで、ツツジやハチミツのような甘さとパイナップルのような酸味を感じる。
凝縮感があり、濃厚な味わいだが、上品で余韻も長い。
個性的な味わい。
醇酒(コクのあるタイプ)に該当。
提供温度は10℃前後の花冷えが適している。
<ペアリングについて>
しっかりとした味わいの為、酒盗やイカの塩辛などのアテと良く合う。
また、マスタードと相性が良い。
味わいにコクがある分、オリーブなどの特定の食材と合わせると苦味が強調されてしまう場合があるので注意する。
<具体的なペアリング>
・生ハムとはっさくのサラダ~マスタードドレッシング~
…柑橘のはっさくを使用したサラダとのペアリング。
ドレッシングは粒マスタード、オリーブオイル、ホワイトバルサミコ酢、砂糖、塩、胡椒を混ぜ合わせる。
サニーレタス、下茹でしたアスパラガス、皮をむいたはっさく、生ハムを器に盛り、ドレッシングをかけて完成。
柑橘の酸味と日本酒が同調し、爽やかで香り豊かなペアリング。
・イチゴのカプレーゼ
…イチゴは酸味と甘みのバランスが良いものがおすすめ。
イチゴを4等分にし、塩を振り、少し時間をおいて離水させる。
水分が出てきたら、オリーブオイルと合わせる。
器にブラッターチーズと和えたイチゴを盛り、バジルも添える。
仕上げにオリーブオイルと胡椒をかけて完成。
料理が引き立つ、華やかなペアリング。
・山菜の天ぷら
…食材はタケノコ、フキノトウ、タラの芽がおすすめ。
また、天つゆではなく塩をつけて食べると相性が良い。
短い期間しか出回ることがない旬の山菜の独特な香りと味わいがこの日本酒と相性が良く、特別感のあるペアリング。
笑四季のモンスーンは他にも様々な酒米品種で醸され、シリーズとなっているのでそちらについても是非調べてみていただきたい。
<商品説明>
商品名:笑四季 貴醸酒 モンスーン 山田錦
製造者:笑四季酒造株式会社(滋賀)
分類:生もと貴醸酒
原材料名:米、米こうじ、清酒
原料米:滋賀県産山田錦
精米歩合:50%
アルコール度数:17度
参考価格:720㎖ 2,750円(税込)
料理人/唎酒師ライター 内藤紫
19日配信 今回ご紹介するペアリング食材は、菜の花。

菜の花は早春に旬を迎えるアブラナ科の植物で菜種油や鑑賞用など、用途別でそれぞれ品種が存在する。
食用の菜の花は免疫力を高めるカロテンやビタミンc、食物繊維などの栄養価が豊富だが一度に食べ過ぎると腹痛を起こしやすいので注意が必要。
そんな菜の花を今回は次のような調理方法とペアリングでご紹介する。
・ハマグリと菜の花のお吸い物 × 天明 純米吟醸 本生(福島)
…3月3日の上巳の節句(桃の節句)でも、良縁を招くとされ食するハマグリ。
菜の花との相性も良く、季節を感じる一品。
作り方はシンプルで、ハマグリを煮切り酒と昆布出汁と一緒に火にかけ、 ハマグリがひらいたら下茹でした菜の花と合わせて塩、薄口醤油で味を調え完成。
あわせる日本酒は福島県の「天明 純米吟醸 本生」。通称「みどりの天明」。
香り:メロン、リンゴ、生米のような香りが優しく広がる。
味わい:口当たりはさらりとしており、米の旨みを感じつつ、甘味と酸味が広がる。
バランスのとれた味わい。
薫酒(香りの高いタイプ)に該当。
こちらの曙酒造は全ての商品が特約店限定商品。
菜の花のほろ苦さとこの日本酒の香りがとても相性の良いペアリング。
5℃前後の雪冷えで合わせてほしい。
・タケノコと菜の花の混ぜご飯 × 月の桂 純米吟醸酒(京都)
…下茹でしたタケノコと菜の花を太白胡麻油と塩で炒める。
合わせ出汁で炊いたご飯に炒めた具材を混ぜ合わせ、いりごま、塩、薄口醬油で味を調えて完成。
あわせる日本酒は京都府の「月の桂 純米吟醸酒」。
香り:マスカットや青りんご、イチゴのようなフルーツの香りと炊いた米のような香り。
味わい:口当たりは滑らかで、上品な味わい。
爽酒(軽快でなめらかなタイプ)に該当。
京都で1675年から続く歴史ある酒蔵の定番商品。
爽やかで、春の訪れを感じるペアリング。
10℃前後の花冷えで、木製のおちょこで合わせてほしい。
・ホタルイカと菜の花のアンチョビ和え × 出羽桜 三年熟成大古酒 枯山水(山形)
…アンチョビペーストとリンゴ酢、上白糖、塩、オリーブオイルを混ぜ合わせておく。
下処理したホタルイカと下茹でした菜の花を先ほどのアンチョビソースと合わせ、味を調えて完成。
あわせる日本酒は山形県の「出羽桜 三年熟成大古酒 枯山水」。
外観:やや黄色がかっている。
香り:アーモンドやドライフルーツのような香りと玄米のような香りが感じられる。
味わい:口当たりはまろやかで複雑でありながら、包み込むような優しい味わい。
熟酒(熟成タイプ)に該当。
「お燗で美味しい日本酒」を目指し醸されたお酒。
アンチョビとホタルイカのコクのある味わいがより引き立つペアリング。
40℃前後のぬる燗で合わせてほしい。
春の訪れを感じる食材、菜の花。
他にもさまざまなペアリングにチャレンジしてみてほしい。
<ご紹介した日本酒の商品情報>
・天明 純米吟醸 本生
製造者:曙酒造合資会社(福島)
分類:純米吟醸酒
原材料名:米、米こうじ
原料米:山田錦
精米歩合:麹米50% 掛米55%
アルコール度数:16度
日本酒度:+2.0
酸度:1,8
参考価格:1800㎖ 3,604円(税込)
720㎖ 1,854円(税込)
・月の桂 純米吟醸酒
製造者:株式会社増田徳兵衛商店(京都)
分類:純米吟醸酒
原材料名:米、米こうじ
精米歩合:55%
アルコール度数:16度
参考価格:1800㎖ 3,520円(税込)
720㎖ 1,760円(税込)
・出羽桜 三年熟成大古酒 枯山水
製造者:出羽桜酒造株式会社(山形)
分類:特別本醸造
原材料名:米、米こうじ、醸造アルコール
精米歩合:55%
アルコール度数:15度
参考価格:1800㎖ 3,630円(税込)
720㎖ 1,815円(税込)
料理人/唎酒師ライター 内藤紫
12日配信 注目度が高まる高知県の郷土酒「土佐酒」

高知県で造られている日本酒は別称「土佐酒」と呼ばれています。
土佐酒を醸造する酒蔵は東西各所に点々とあり、西は四万十市にある「藤娘酒造」、東には田野町を拠点に代表銘柄「美丈夫」を醸造されている「濱川商店」と現在19蔵があります。
また、高知県の日本酒造りは高い評価を得ており、ハワイで昨年10月頃に開催された「全米日本酒鑑評会」では、土佐酒が上位の金賞受賞数と受賞率で全国一位となりました。
そこで今回は土佐酒に関する特徴や文化、土佐酒を楽しむお座敷遊びなど、土佐酒の魅力について解説していきます。
【土佐酒の特徴】
土佐酒は全国でも随一の辛口テイストで酸味がしっかりあり、飲み応え十分。雑味が少なく綺麗な後味も魅力です。
酒米や酵母といった原材料に、高知県産が豊富なのも特徴のひとつなので詳しく解説していきます。
・酒米:高知県独自開発として今までに土佐錦・吟の夢・風鳴子が誕生しています。
・酵母:高知県産酵母は大きく2種類の性質があります。
1、バナナ系(A-14、AA-41、AC-17)
主に酢酸イソアミルを生産する酵母であり、バナナやメロンのような濃醇な甘さのある香りをお酒に付与してくれます。
2、リンゴ系(CEL-19、CEL-24、CEL-11)
主にカプロン酸エチルを生産する酵母であり、リンゴやパイナップルといった甘酸っぱい香りを付与してくれます。冷やして飲むことで爽やかな酸味も体感でき、先駆けとなったのが「亀泉 純米吟醸生原酒CEL-24」です。
【土佐(高知県)の酒文化について】
・食文化との繋がりv 鰹をはじめ、高知県産の食材を美味しく引き立てるために、淡麗辛口の土佐酒が誕生としたと言われており、豊かな食文化から高知県民の多くが食中酒として重宝していることもまた事実。そこで高知県の食文化について解説していきます。
高知県は四国南部に位置し、豊かな自然に恵まれた土地柄から、海・山の幸と両方を活かした独自の食文化が発展してきました。
海の幸:代表的なのは鰹のタタキです。藁焼きで表面をこんがりと炙り、中はレアで仕上げ、ニンニクやミョウガ、ネギといった薬味をたっぷりとのせて食べられています。
ほかには脂がのった清水サバから、どろめや酒盗といった珍味も有名です。
山の幸:四万十川や安田川で獲れる鮎を使った塩焼きや、四方竹やぜんまいといった山菜を活かした炒め物や寿司などが挙げられます。
・お座敷遊びと土佐酒
高知県には、宴席で行われる伝統的なお座敷遊びが数多くあります。
これは土佐酒との関わりも深く、シチュエーションに合わせたお座敷遊びをしながら、お酒を酌み交わし郷土料理を味わうという楽しみがあります。
代表的なお座敷遊びをいくつか解説しますので、ぜひ体験してみてください!
1:可杯(べくはい)
可杯とは杯の台座部が尖って置けない杯や、底に穴が開いており指で塞がないとこぼれてしまう杯など、下に置くことができない杯のことです。
この遊びでは「三面杯」と呼ばれるものを使い、お酒の入る量が異なり、少量しか入らず置くことができる杯があれば、大容量で飲み終わるまで置けない杯があり、駒を回して止まった絵柄の杯で土佐酒を楽しむという遊びです。
2:菊の花
お盆に人数分の盃を伏せて置き、一人ずつその盃を取っていき、菊の花が入っている盃を開けた人は、それまでに空いている盃分、土佐酒を飲み楽しむという遊びです。
コチラは人数が多いほど盛り上がります
【土佐酒の魅力発信について】
高知県酒造組合を主体に、高知県は様々な形で土佐酒の魅力を発信し続けています。
・宇宙深海酒
2005年に開発を始め、まずは宇宙空間で10日間の培養に成功し宇宙酵母が誕生。その後、2021年に水深6,225mの深海に沈め、600気圧もの水圧に4ヶ月間耐えて培養に成功した酵母で造られたのが宇宙深海酒です。
2023年度に宇宙深海酵母を使った日本酒が初登場し、現在では11酒蔵から約15種類の宇宙酒・宇宙深海酒・深海酒がリリースされています。
香味特性としては、爽やかな香りがあり通常の土佐酒よりフルーティーな味わい。加えて多重な酸味や旨味が感じられます。
・土佐酒アドバイザー
高知県酒造組合が主体となり、土佐酒の文化や日本酒に関する知識を学び、土佐酒の魅力を多方面に発信する有識者を輩出する「土佐酒アドバイザー」という資格があります。
こちらは高知県内でも有名な資格として知られ、昨年21期生が卒業を迎えました。
【土佐酒の今後について】
今回は高知県の郷土酒「土佐酒」についてご紹介しました。
全体的に口あたり軽快で爽やかな酸感があり、サラッと流れる淡麗辛口テイストなので、魚や肉料理などジャンル問わずに合う万能的な食中酒といえます。
そして昨年には土佐酒が国内外16のコンテストで103個のメダルを獲得。合わせて日本の「伝統的酒造り」がユネスコ無形文化遺産に登録されたことが後押しとなり、日本酒はもとより土佐酒も今以上に注目されることでしょう。
高知県在住唎酒師 日本酒フォトライター 谷口 廉
5日配信 「今週の注目の一本」爽やかな香味と柔らかい甘さが心地よい愛媛県の地酒「特別純米酒 叶川」

愛媛県では現在35蔵が日本酒造りに励まれています。
今回ご紹介するのは愛媛県にて100年以上の歴史を誇り、全体的に上質な旨味と雑味の無い綺麗なテクスチャーが楽しめる日本酒を造られている「養老酒造」より、淡麗甘口タイプの「特別純米酒 叶川」をご紹介していきます。
【特徴】
1.原材料
酒米に松山三井、酵母はEK-1と共に愛媛県産の原材料を用いて造られています。
2.叶川の由来
銘柄名である「叶川」の由来について簡潔に記載しておきますので、ぜひ提供時に一言添えてみてください。
「養老酒造の地元である大洲市肱川町には『鹿野川(かのがわ)』が流れています。そして杜氏や蔵人の『飲む人の願いが叶いますように』という想いを込めて『叶川』と名付けられたそうです。」
3.香味
全体的に上質な旨味と雑味の無い綺麗な口あたりが特徴にあり、まるで白ワインのようなテイストです。
香りはグラスに注いだ後の立ち香や含み香ともに、フレッシュなリンゴや桃を彷彿させる爽やかな果実感が感じられます。
味わいに関しては、スッと喉を流れるようなドライ感ありながら、日本酒度は−6に設定されているので、口の中でジワーっと広がる甘味や旨味の奥深さも体感できます。
【温度と酒器】
・温度:涼冷え〜常温(15〜20℃)
・酒器:口が細まったワイングラスであれば、爽やかな果実感とスッキリとしたテクスチャーを十分に体感することができます。
【ペアリング】
2月はカリフラワーや菜の花、鰆などが美味しい季節でもあります。そこで旬食材を活かしたペアリングレシピをご紹介します。
・カリフラワーとシーフードのクリームグラタン
柔らかい食感に仕上げたカリフラワーとホワイトソースのまろやかなコクが相まった一品。エビやイカなどのプリッとした食感をプラスすることで、より美味しさが引き立ちます。
冷やした「特別純米酒 叶川」と合わせれば、クリーミーさと淡麗な甘さが相乗しつつ、後味は綺麗に流してくれるため、好相性なペアリングが期待できます。
・鰆の酒蒸し 香味野菜ポン酢添え
酒蒸しで身がふっくらとした鰆に、刻んだ生姜やネギを和えたポン酢は好相性。
「特別純米酒 叶川」が淡麗甘口テイストなので、料理の魅力を軽減することは無くペアリング的にも◎
ほかには、オイル系のパスタや魚のムニエル、桃とモッツァレラチーズのカプレーゼなども好相性ですよ。
【まとめ】
今回は愛媛県の養老酒造から発売されている「特別純米酒 叶川」をご紹介しました。
清流をイメージした端麗なラベルデザインと同調するように、綺麗な飲み心地でやや甘口&後味淡麗なので、日本酒への馴染みが薄い人でも飲みやすい一本です。
ペアリングもほぼジャンル問わず合わせやすいので、ぜひ季節食材を使った料理と共にご提案してみてください。
【日本酒情報】
・日本酒名:特別純米酒 叶川
・酒蔵:養老酒造
・種類:特別純米酒
・精米歩合:60%
・アルコール度:15度
・日本酒度:-6
・販売価格:1,760円(720ml)
高知県在住唎酒師 日本酒フォトライター 谷口 廉
| 2025年1月 |
29日配信 Z世代酒匠がおすすめする「今週の注目の一本」は飛囀 鵆 CHIDORI/飛良泉本舗(秋田)です。
創業500年を超える東北最古の酒蔵の、新世代蔵元が手がける挑戦酒シリーズ「飛囀」。
山廃×貴醸酒×No.77酵母という珍しいスペックを掛け合わせた一本で、普段とは一味違う味わいを求める甘口好きにおすすめです。
商品名:飛囀 鵆 CHIDORI
酒蔵名:飛良泉本舗(秋田県にかほ市) 精米歩合:50%
原料米:秋田酒こまち
アルコール度数:13度
参考価格(税込):2200円(720ml)
その他:大量のリンゴ酸を出すきょうかい酵母No77を使用。
★飛囀シリーズ
500年以上の歴史を誇る老舗蔵元の27代目が始めた新シリーズ。
飛囀(ひてん)という名称には、幼い雛が大空を「飛」び、「囀」るようになるまで成長する姿を酒造りと重ね合わせて付けたそうです。
これまでに雛(ひな)や鵠(はくちょう)、鸐(やまどり)、鸙(ひばり)、䴏(つばめ)など鳥の名前がついた商品をリリースしています。
飛良泉の伝統である山廃酛での仕込みを大切にしながらも、酸に振り切った味わいや酵母違いで仕込む等、新世代の山廃像にも果敢に挑戦しています。
★香りと味わいの特徴
外観はごく淡い黄色。
リンゴやミカンをかじった時のような、凝縮された果汁を思わせる甘酸っぱさが口いっぱいに広がります。中間から後半にかけては次第にコクが増していき、山廃らしいしっかりとした骨格が感じられます。
-36と日本酒度で見れば極甘口なものの、刺激性が高い爽やかな酸味が特徴のリンゴ酸を多く生み出す酵母を使用しており酸度が3.2と平均の倍以上あるため、甘ったるさは全くなく爽やかな甘味と酸味が高濃度で調和した味わいに仕上がっています。
★おすすめの楽しみ方
<温度帯>
冷やでは上述のようにリンゴ酸由来の爽やかな甘酸っぱさが感じられ、若々しくフレッシュな印象。一方、燗にすると酸味にまろやかさと膨らみが感じられ、包み込まれるようなおおらかな味わいに変化します。
<酒器>
幅広い温度帯で楽しめる味わいのため、特に適した形や材質があるというよりは、グラスや猪口、ぐい呑み、平盃など様々な酒器で提供が可能です。
<料理>
他の日本酒ではなかなか見られない、凝縮された甘酸っぱさという特徴を最大限引き出すには、おかずに合わせる食中酒としてよりはチョコレートやドライフルーツを使ったケーキ等と一緒にデザートとしての提供がおすすめ。
ただし、燗にした場合は酸味がまろやかになり、落ち着いた深みのある味わいになるため、例えば豚の角煮や酢豚といった濃厚な味わいのおかずと合わせやすいでしょう。
Z世代酒匠ライター kanane_sake

こちらの菊姫合資会社は石川県で創業以来、米の旨みを生かした清酒本来の味を追求し日本酒を醸している。
今回はそんな酒蔵から、長期熟成にも耐える最高級米「特A地区 山田錦」を使用した熟成酒をご紹介する。
<テイスティングコメント>
外観:綺麗な琥珀色。
香り:干しブドウやシイタケ、ゴボウ、ウーロン茶、玄米などのような多彩な香りを強く感じる。
味わい:まろやかな口当たりで、干しブドウやオークなど複雑な香りを楽しめる。
凝縮感があり、濃厚な味わいだが、上品。
余韻にはカラメルやカカオのような心地よい苦味を感じる。
濃醇旨口。
熟酒(熟成タイプ)に該当。
提供温度は10℃前後の花冷えまたは50℃前後の熱燗が適している。
<ペアリングについて>
複雑な味わいの為、煮込み料理と相性が良い。
また、日本酒の香ばしさが温かいスイーツと良く合う。
バランスが良い為、比較的様々な料理と合わせやすい。
<具体的なペアリング>
・寒鯖のしめさば
…冬に旬を迎える鯖とのペアリング。
鮮度の良い鯖を三枚おろしにし、骨を取り除く。塩を両面にまんべんなく振り、冷蔵庫で1時間おく。
全体を水でさっと洗い、水気をふき取り、米酢に15分漬け込み完成。
日本酒の複雑さと鯖の甘みが引き立つペアリング。
10℃前後の花冷えで合わせてほしい。
・牛すじ煮込み
…牛すじは一度水で下茹でを行う。
その後、酒、昆布だしと共に2時間ほど弱火で炊く。
一口大に切った大根と人参も加えたら上白糖、煮切みりん、濃口醤油で味を整える。
牛すじからあふれ出す旨みと日本酒のコクが同調し、後引く味わい。
10℃前後の花冷えで合わせてほしい。
・フォンダンショコラ
…この日本酒にはカカオ65%のややビターな味わいがおすすめ。
中のガナッシュと外側の生地を別々で作るのが一般的だが、今回は簡単に作ることが出来るレシピでペアリング。 無塩バターとチョコレートを湯煎にかけて溶かし、卵黄2個、メレンゲにした卵白1個分、加熱した生クリーム、グラニュー糖、薄力粉を入れ合わせる。最後にコアントローを数滴入れ、型に流し180℃の余熱したオーブンで8分ほど様子を見ながら焼けば完成。
チョコレートのややビターで濃厚なコクとコアントローのほのかな香りが日本酒と合わせるとより引き立つ。
バレンタインの日にもぴったりな一品。
50℃前後の熱燗で合わせてほしい。
8年かけてじっくりねかせた、洗練された複雑な味わいの日本酒。
是非、旬の食材とのペアリングも試していただきたい。
<商品説明>
商品名:菊姫 純米速醸仕込 28BY
製造者:菊姫合資会社(石川)
原材料名:米、米こうじ
原料米:兵庫県三木市吉川町(特A地区)産山田錦100%
精米歩合:65%
アルコール度数:15度
参考価格:720㎖ 1,925円(税込)
1800㎖ 3,850円(税込)
料理人/唎酒師ライター 内藤紫

タラの旬は12月~3月ごろの寒い時期で、スケトウダラやコマイなど多くの種類がありますが今回はマダラ(真鱈)をご紹介します。
タラは「多良」とかけられ、昔から縁起の良い食材とされています。さらに、タラの白子は北海道では「たち」、京都では「くもこ」と呼ばれ、クリーミーでとろりとした味わいが人気の食材です。
タラは身の部分がややピンク色がかっているものが鮮度の良いものです。
さらに、白子は白く透明感のあるものが新鮮なもの。
また、独特の生臭い香りがある為、湯引きなどの下処理をしっかりと行ことをおすすめします。
タラの栄養価は他の魚と比べても、脂質が少なくタンパク質の多い食材で、貧血予防に効果的なビタミン12も豊富に含まれています。
そんなタラを今回は次のような調理方法とペアリングでご紹介します。
・タラと白子の茶わん蒸し × 伯楽星 純米大吟醸(宮城)
…茶わん蒸しの地は溶き卵、合わせ出汁、塩、薄口醤油を合わせ、裏ごしをします。
タラの切り身と白子は一口大に切り、塩を振ったら先に蒸して火を通します。
火が通ったら裏ごしした茶わん蒸しの地を入れ、中火で火を入れ固めます。
仕上げに味付けした合わせ出汁の餡を上にかけ、三つ葉を乗せて完成です。
あわせる日本酒は宮城県の「伯楽星 純米大吟醸」。
マスカットのような爽やかな香りが穏やかに感じ、スッキリとキレのある後味が心地よい味わいです。
究極の食中酒を目指し、あえて香りを抑えるように醸された日本酒で国際線のファーストクラスでも提供されています。
伯楽星の香りとキレが、タラのサッパリとした味わいと白子のコクに良く合います。
切子のおちょこで5℃前後の雪冷えで合わせてほしい、上品なペアリングです。
・タラの竜田揚げ~タルタルソース添え~ × 獺祭 純米大吟醸 磨き45(山口)
…タラは一口大に切り軽く塩を振り水分をふき取ります。
酒、濃口醤油、上白糖、みりんを合わせた地に15分ほど漬け込み、水分をふき取り片栗粉をまぶして揚げます。
あわせる日本酒は山口の「獺祭 純米大吟醸 磨き45」。
りんごの蜜やバナナのようなフルーツの華やかな香りが爽快な味わいです。
旭酒造のスタンダード酒で獺祭の果実の味わいがタラの旨みを引き出し、タルタルソースが良いアクセントとなるペアリングです。
10℃前後の花冷えで合わせてみて下さい。
・タラチゲ鍋 × 飛露喜 特別純米(福島)
…具材には殻付きのアサリを使用し、魚介の味わいを強く出すのがポイント。
にんにくとおろししょうがをサラダ油で炒め、ブイヨンとコチュジャンを入れます。
具材はタラ、殻付きアサリ、キムチ、白菜、豆腐、その他好きなものを入れ、
しっかりと煮込めば完成です。
あわせる日本酒は福島県の「飛露喜 特別純米」。
バナナのような香りが穏やかに広がり、米の旨みをスッキリと感じます。
人気が高く、入手困難なプレミア酒となった飛露喜の定番酒。
チゲ鍋の魚介のコクがより引き立つペアリングとなっています。
10℃前後の涼冷えで合わせてみて下さい。
種類が豊富で身近な食材である、タラ。
他にもさまざまなタラの調理とペアリングにチャレンジしてみて下さい。
<ご紹介した日本酒の商品情報>
・伯楽星 純米大吟醸
製造者:新澤醸造店(宮城)
分類:純米大吟醸酒
原材料名:米、米こうじ
精米歩合:40%
アルコール度数:15度
酸度:1,6度
日本酒度:+5
アミノ酸:1,1
参考価格:1800㎖ 5,390円(税込)
720㎖ 2,750円(税込)
・獺祭 純米大吟醸 磨き45
製造者:旭酒造株式会社(山口)
分類:純米大吟醸酒
原材料名:米、米こうじ
使用米:山田錦
精米歩合:45%
アルコール度数:15度
参考価格:1800㎖ 4,367円(税込)
720㎖ 2,183円(税込)
180㎖ 545円(税込)
・飛露喜 特別純米
製造者:株式会社廣木酒造本店(福島)
分類:特別純米酒
精米歩合:55%
アルコール度数:16度
参考価格:1800㎖ 3,190円(税込)
料理人/唎酒師ライター 内藤紫
8日配信 日本酒ビギナーにオススメな土佐酒「亀泉 純米吟醸生原酒CEL-24」

今回ご紹介するのは、高知県の酒蔵「亀泉酒造」にて醸造されている超甘口な純米吟醸生原酒です。
淡麗辛口文化が強い高知県の日本酒(通称:土佐酒)ですが、紹介する日本酒は「フルーティーさがあり、白ワインに近しい感じで飲みやすい」と根強い人気があります。
【特徴】 まずは気になる香りや味について。
香りは青リンゴやパイナップルを彷彿させる華やかな果実感が堪能でき、飲んだ瞬間はジューシーな甘酸っぱさが体感できます。
そこからサラッとキレる爽やかな酸感のおかげで、口の中に甘さが残りすぎないので飲み心地も快適!
また、アルコール度数14度の低アルということも含めて、毎年冬の発売時には注文が殺到するほどの人気銘柄です。
ここまで注目を集めるほど上質な香味に仕上がっている理由として、重要なポイントが2つあります。
1.酵母
高知県工業技術センターで開発された高知県産酵母「CEL-24」は、華やかな香りと青リンゴのような甘酸っぱさをお酒にもたらしてくれる特性があります。結果的に今回の紹介酒は高知県の日本酒では珍しい超甘口タイプに仕上がっています。
2.日本酒度
基本的には醸造された際、銘柄ごとで数値は決まっているものだと思います。
しかし、「亀泉 純米吟醸生原酒CEL-24」は仕込みごとで日本酒度が変化するという特徴があります。度合いはー8~ー16のなかで変化しているとのこと。
この2つの要素を提供時に説明することで、飲み手の感じ方もまた変わってくるはずです。
【酒器】
ワイングラスが推奨ですが、なかでもオススメは「キャンティグラス」です。縦長で口をつける部分がすぼまっているグラスのことを指し、通常の酒器よりも口あたりや香り高さがより強く体感することができます。
【ペアリング】
1月になれば水菜やキャベツ、ぶりなどの食材が旬を迎えます。季節的に寒くなる日が続きますので、体が温まる料理からオススメのペアリングをご紹介します。
ブリしゃぶ:昆布だしが効いたお鍋にくぐらせたブリの優しい甘みと紹介酒の爽やかな甘みが相乗反応を生むので相性良好。また、食べ終わりの余分な脂をサラッと流してくれるのも◎
・カニ料理:しゃぶしゃぶや焼きで調理したカニの良い香りと同調し、凝縮された旨味や甘味を遮らない食中酒として活きてきます。
ほかにもバター焼きやグラタンなどのアレンジメニューも豊富ですので、色々と試してみてください。
【まとめ】
今回は高知県の酒蔵「亀泉酒造」より、超甘口な純米吟醸酒より『亀泉 純米吟醸生原酒CEL-24』をご紹介しました。
爽やかな酸味とほのかな甘味の絶妙なバランス感にフレッシュな果実系の香りが楽しめる土佐酒に仕上がっているので、女性や日本酒ビギナーでも十分に飲み楽しむことができます。
日本酒の注文で悩まれているお客様には是非、食前や食中酒などで提案してみてください。
【日本酒情報】
日本酒名:亀泉 純米吟醸生原酒CEL-24
酒蔵:亀泉酒造
種類:純米吟醸酒
アルコール度:14度
日本酒度:-11
精米歩合: 50%
価格:税込1,876円(720ml)、3,751円(1800ml)
高知県在住唎酒師 日本酒フォトライター 谷口 廉
新潟の豊かな自然に囲まれた酒蔵が、森で採れた和のハーブ・クロモジを使って醸したクラフトサケ。爽やかさと重厚感を併せ持った特徴的な香りとビターな味わいは、和食だけでなくイタリアンやフレンチ、エスニック料理などジャンルを超えたペアリングにおすすめです。
★商品紹介
商品名:翔空 森のSAKE〜クロモジ澄み酒〜
酒蔵名:LAGOON BREWERY(新潟県新潟市)
精米歩合:70%
原材料:米(新潟県産五百万石100%使用)、米麹、クロモジ
アルコール度数:16度
参考価格(税込):2640円(720ml)
その他:清酒をベースに、副原料としてクロモジを使用。酒税法上の分類では「清酒」ではなく「その他醸造酒」に分類される、いわゆる「クラフトサケ」と呼ばれるジャンルです。
★クロモジとは
クロモジは日本原産のクスノキ科の低木で、落ち着いたウッド調の香りの中に甘さのあるフローラルな香りも含んだ芳香が特徴です。
新潟県・栃尾地区の森で採取したクロモジの枝を細かく裁断し、米と一緒に醪の中で発酵させることにより、クロモジ独特の香りを纏わせたお酒になっています。
酒蔵の方針として、自然栽培や有機栽培など環境にやさしい方法で作られた米を積極的に使用する他、輸送による環境負荷を減らすために半径20km圏内で取れた米のみを原料米とすることを目指しているそうです。このような蔵独自のこだわりを提供の際にお伝えすることでお酒の背景まで感じながらお楽しみいただけるでしょう。
★香りと味わいの特徴
ロゼワインのような、透き通った淡いピンク色の外観はクロモジの特性によるもの。
爽やかなハーブの香りが漂い、口に含むと新緑のような瑞々しさはありながらも派手になりすぎない、落ち着いたクロモジの香りと苦味が鼻に抜けていきます。
甘味はほとんど感じず、ハーブの爽やかさや重厚感を演出することに振り切ったビターな味わい。長すぎず短すぎない絶妙な余韻が舌に残る、最初から最後まで一貫してクロモジの存在感を全面に出した個性的なお酒です。
★おすすめの楽しみ方
<温度帯>
冷やした状態では爽やかさやスパイシーさなどハーブ感を存分に楽しむことができるとともに、締まったクリアな苦味が感じられます。
少し温度が上がってくるとふくらみのある米の旨味が感じやすくなり、より重層的な味わいへと変化します。
<酒器>
淡いピンク色の外観を楽しむには、透明のグラスや内側が白い酒器が向いています。温度変化による味わいの違いを楽しめるよう、少し大きめの酒器での提供がおすすめです。
<料理>
個性的な香りはカプレーゼやカルパッチョといったハーブを使った前菜や、鶏もも肉や白身魚の香草焼きと相性抜群です。パッタイやガパオライス、フォーなどのエスニック料理とも香りや味わいが同調し好相性でしょう。
Z世代酒匠ライター kanane_sake